土木学会論文集
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2005 巻 , 779 号
IV-66
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[投稿論文]
和文論文
  • 内田 賢悦, 加賀屋 誠一, 高橋 尚人, 萩原 亨
    2005 年 2005 巻 779 号 p. 779_1-779_10
    発行日: 2005年
    公開日: 2006/04/07
    ジャーナル フリー
    自然災害により道路区間が通行不能となった場合, 道路利用者の旅行時間は増大し, その程度によっては交通行動を中止する場合も考えられる. 本研究は, 災害時における道路ネットワークを対象としたユーザコストの定量化を念頭に置き, 災害時の交通ネットワークモデルの構築を試みたものである. このモデルでは, 道路区間が通行不能となることによる旅行時間費用の損失と, 交通行動を中止することによる機会損失が同時に推計されることが特徴である. さらに, テストネットワークを用いた数値実験を行い, 自然災害により道路区間が通行不能となることを想定したモデルの検証を行った. その結果, 旅行時間費用の損失と交通行動を中止した場合の機会損失の関係が適切に表現されていることが示された.
  • 大庭 哲治, 青山 吉隆, 中川 大, 松中 亮治
    2005 年 2005 巻 779 号 p. 779_11-779_23
    発行日: 2005年
    公開日: 2006/04/07
    ジャーナル フリー
    京都市都心部では, バブル経済期以降, 中高層マンションの建設をはじめとした急速な都市開発が, 京町家の減少をもたらし, 居住環境の悪化や地域コミュニティの分断など様々な問題を引き起こしている. そのため, 都市開発との調整を踏まえた京町家の有効な保存方策を, 客観的に検討し提案することが喫緊の課題となっている. 本研究では, 京都市都心部の京町家の価値を市民意識に基づきCVMを用いて計測し, 得られた計測結果を用いて, 京町家が有する多様な価値をAHPにより定量的に把握した. その結果, 市民は京町家の町並み・景観に対する価値や非利用価値を強く認識していること, また属性別では, 京町家居住者が他の属性より地域コミュニティの価値を強く認識しているなどの特徴があることを明らかにした.
  • 林山 泰久, 武藤 慎一, 佐藤 徹治
    2005 年 2005 巻 779 号 p. 779_25-779_44
    発行日: 2005年
    公開日: 2006/04/07
    ジャーナル フリー
    1984年のブルントラント委員会以降, 「持続可能な開発」を如何に定義し, 如何に達成するかが世界的な問題・課題となっている. そこで, 本研究では, 「持続可能な開発」を経済学的に解釈し, 天然資源の枯渇問題と環境汚染を含む再生可能資源の問題に大別し, 過去, 環境資源経済学において, (1) 望ましい経済成長とは如何なるものか? (2) 持続可能な開発を達成するための条件は如何なるものか? の2つの問題に対して如何なる知見を得ているかを明らかにする.
  • 塚口 博司, 竹上 直也, 松田 浩一郎
    2005 年 2005 巻 779 号 p. 779_45-779_52
    発行日: 2005年
    公開日: 2006/04/07
    ジャーナル フリー
    安全で快適な歩行者空間に対する関心が特に高まっている今日, 歩行者空間を効果的に整備し管理運用するためには, 歩行者の経路選択行動に関する特性把握が一層重要となっている. 従来, 歩行者の経路選択行動に関する定量分析の多くは格子状街路網地区に限定されていた. そこで, 本研究では不整形な街路網を対象とし, 不整形な街路網における歩行者の空間的定位の表現方法を新たに提案し, これに基づいて歩行者の経路選択行動モデルを構築するとともに, 歩行者の経路選択行動に関する基本原則を明らかにした.
  • 名村 明, 木幡 行宏, 三浦 清一
    2005 年 2005 巻 779 号 p. 779_53-779_68
    発行日: 2005年
    公開日: 2006/04/07
    ジャーナル フリー
    有道床軌道の道床部沈下量の予測精度向上を目的として, 種々の設計条件のうち最小荷重とまくらぎ形状に着目して上下方向の繰返し載荷試験を行い, 道床バラストの繰返し変形特性に及ぼす影響を検討した. 標準的な剛性路盤上の有道床軌道では, 繰返し載荷によりまくらぎ端部付近でまくらぎ底面と道床部上面の間に微小な隙間が生じることで中央支持条件に近い形式となり, 沈下量が増加することがわかった. また, 最小荷重が大きい (荷重列間隔が短い) 場合には, まくらぎ/道床間に隙間が生じないため沈下量の増分は僅かであることがわかった. さらに, まくらぎ長を現状より長くすれば, 繰返し載荷によって両端支持となり不同沈下量を抑制できることがわかった.
  • 河合 芳之, 鹿田 成則, 片倉 正彦, 大口 敬
    2005 年 2005 巻 779 号 p. 779_69-779_82
    発行日: 2005年
    公開日: 2006/04/07
    ジャーナル フリー
    本研究では, 信号交差点流入部において横断歩行者等 (横断歩行者および自転車) と交錯する直進左折混用として運用される最外側車線に着目し, 左折車が横断歩行者等と交錯することによって生じる左折車の中断と, その中断が後続車両に及ぼす影響を表現し得る最外側車線流出流率モデルの導出を行う. 次に流入部各車線の待ち行列流出時間を等しくする条件のもとで, 最外側車線の流出流率モデルを適用して車線ごとの到着交通流率を推定する新たな方法を提案する. 本推定手法は, 車線毎の到着交通流率の推定結果は実測値とよく適合し, 最外側車線の利用実態を適切に表現し得ることが確認され. 流入部の車線の利用実態を適切に評価することを可能とし, 交通容量解析結果の信頼性を向上させることが期待できる.
  • 星子 隆, 齋藤 潮, 岡田 一天
    2005 年 2005 巻 779 号 p. 779_83-779_93
    発行日: 2005年
    公開日: 2006/04/07
    ジャーナル フリー
    高速道路のシークエンス景観設計理論構築のための基礎的研究として, 景観的な評価の高い沖縄自動車道においてシークエンス景観の構造分析を行った. 景観の専門家による景観評価で, 印象的な景観を体験出来る区間を見せ場として抽出したところ, 28箇所の見せ場が抽出された。これらの見せ場は外部景観資源による見せ場と, 道路内部の見せ場に分けられ, 沖縄自動車道のシークエンス景観は, この2タイプの見せ場の組み合わせで, 全体が構成されていた.
    研究の結果, 高速道路のシークエンス景観の設計手法として, 外部景観資源による見せ場に加え, 植栽により新たに見せ場を創出して全体のシークエンス景観を演出する方法が提案された.
  • 出村 嘉史, 川崎 雅史
    2005 年 2005 巻 779 号 p. 779_95-779_104
    発行日: 2005年
    公開日: 2006/04/07
    ジャーナル フリー
    本研究は, 京都東山の麓にあたる浄土寺・鹿ヶ谷・若王子地域を対象として, 近代化によって変容した景域の形成過程を明らかにするものである. 古地図や絵図, 文書や過去の出版物などの史料と, 地形の分析をもとに, 地域の構成が遷移する様子とその要因を考察した. その結果, 広い田園地帯と山裾に独立して並ぶ社寺を結ぶ限られた道による近世の原形は, 大正11年頃に始まる住居開発の時期に大きく変容したことが分かった. 明治23年の琵琶湖疏水分線の挿入はその重要な基盤であった. 住居地域の開発時には, 住み始めた住人による直接的空間創造と価値の発見に促進されて, かつてより山裾に存在する歴史的領域と, 散策性を得た水辺を含む住宅地の領域の二層構造で特徴付けられる一つの景域へと成長した.
  • 井料 隆雅, 吉井 稔雄, 朝倉 康夫
    2005 年 2005 巻 779 号 p. 779_105-779_118
    発行日: 2005年
    公開日: 2006/04/07
    ジャーナル フリー
    出発時刻選択問題における動的な均衡状態の導出方法, 均衡状態と最適状態の関連, 均衡状態の存在についての定理とそれらの関連を示す. 出発時刻選択問題は道路における渋滞を費用最小化原理と均衡状態を前提として理論的に解析するための枠組みであり, これまでいくつかの研究により解法が示されている. しかしこれらの研究では費用関数に強い制約が課せられていた. この研究では, 利用者の選択する経路上に存在するボトルネックが1つだけしかない場合において, 費用関数の前提条件を緩和した上で出発時刻選択問題の解法および均衡状態のもつ数理的な性質を示す定理を導出する.
  • 大野 研, 大野 博之, 工藤 庸介, 葛西 紀巳子
    2005 年 2005 巻 779 号 p. 779_119-779_129
    発行日: 2005年
    公開日: 2006/04/07
    ジャーナル フリー
    近年, 風土を生かした地域整備の重要性が指摘されてきている. そんな中で, 地域の色は, ある土地の持っている属性の中でも重要なものであるとの指摘は多い.
    筆者らは, こうした地域の色について物質的な色彩を対象として景観評価を行った. ここでは, 人間の感覚であるアンケート結果を踏まえ, 土木研究所などが提案している景観チェックリストやフラクタル解析結果などを検討した. その結果, 従来の河川景観のチェックリストでは色彩が十分に考慮されておらず, 実際の人間の感覚と異なる結果を導き出す場合があることが示された. また, 色彩を含んだ景観の良否の観点を検討する場合にはフラクタル解析が人間の感覚にも近いことが示された.
  • 羽鳥 剛史, 小林 潔司
    2005 年 2005 巻 779 号 p. 779_131-779_146
    発行日: 2005年
    公開日: 2006/04/07
    ジャーナル フリー
    住民がプロジェクトに関して完全な情報を有さない場合や利益集団がプロジェクトについて自由に発言する場合には, 住民投票による社会的決定の結果が本来あるべき社会的決定の結果とは異なる結論を導く可能性がある. 本研究では, 利益集団の発言が住民個人のプロジェクトの是非をめぐる判断に影響を及ぼすメカニズムを不完備情報ゲームを用いて分析する. その結果, 住民が利益集団の発言の信頼性を発言者の熱意により判断する場合, 住民投票に先駆けて特定の利益集団のみが発言し, プロジェクトの是非に関する社会的意思決定をゆがめる可能性があることを明らかにする. その上で, 本研究では住民投票制度が有する問題点を克服する可能性について理論的に考察する.
  • 井上 亮, 清水 英範
    2005 年 2005 巻 779 号 p. 779_147-779_156
    発行日: 2005年
    公開日: 2006/04/07
    ジャーナル フリー
    連続エリアカルトグラムとは, 地図上の地域の面積が地域の統計データの大小を表すように地理的地図を変形した地図である. 近年, GIS時代の統計データの視覚化手法として注目されている.
    連続エリアカルトグラム作成問題は, 地域の面積に関する情報だけから形状を定めることはできないため, 解の一意性を持たない不良設定問題である. その解法は様々提案されてきたが, 数学的に明快で, 操作性に優れ, 短時間で計算可能な, 視覚化手法として有効な解法は未だ提案されていない.
    本論文では, 以上の課題を解決する数学的に明快で簡潔かつ高速な連続エリアカルトグラム作成アルゴリズムを提案し, 実用性の高い連続エリアカルトグラム作成手法を構築した.
和文報告
  • 盛武 建二, 安藤 良輔
    2005 年 2005 巻 779 号 p. 779_157-779_171
    発行日: 2005年
    公開日: 2006/04/07
    ジャーナル フリー
    近年, 公共事業の発注者である国, 地方公共団体において, 公共工事の領域におけるコスト縮減のための方策の一つとしてVEを導入している. 本文は, 国の直轄事業に先行してVEを導入した地方公共団体と民間企業におけるVEの実施状況およびその後に国の直轄事業で導入したVEの特徴, 実施事例, 実施効果および今後の課題について考察することを目的としている. これまでの事例などにおけるレビューを踏まえて, より早い事業段階でVEを導入する必要性, 会社の枠を越えての技術者の参加, 積極的なインセンティブを付与する制度の確立, コスト縮減以外の効果の評価, 法令・要領の改訂と柔軟な運用等の点について提案した.
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