(1)高梁を用ひ硫酸糖化法を試み併せて之が酒精醗酵試驗を行つた.又別に玉蜀黍,及馬鈴薯につき2~3の實験をなし之を比較した.
同時に上記3種についてのアミロ法域績との比較を行つた.
(2) 加水分解の條件は次の通りに於て行つた.
{(イ)酸濃度 4種(0.5; 0.75; 1; 2%) (ロ)分解{温度 4種(125°C; 135°C; 142°C; 152°C; 18lb 31lb 4038lb 60lb) 時間 8種(10分-120分) (ハ) 酸使用量(原料に對し)4, 6, 8, 10培量.
(3)糖化率の最良條件は原料に封する硫酸使用量を4倍とする時は次の如くである。
{(イ)2% 硫酸125°C; 90分 (ハ) 0.75% 硫酸 135°C; 90分 (ロ) 1% 〃 135°C; 40~60分 (二) 0.5% 〃 152°C; 90分
又上記條件の中硫酸使用量を4,6,8,10倍量に於て比較するに大體8倍量が好適である.
(4) 醗酵試驗の結果は糖化率と略同様の曲線を得らる.而して硫酸4倍量では90%の醗酵歩合は得られぬが8倍量以上を使用せば90%以上の成績を得らる,工業的に利用し得る最適條件は下記の如くである.
{(イ)1.0% 硫酸 8倍量 135°C(31lb/□=”) 40分 (ロ) 0.75% 〃 〃 〃(〃) 90分 (ハ) 0.5%〃 〃 152°C(60lb/□”) 90分
但し0.5%硫酸の場合は湧付遅れ,醗酵期間稍長引く. (5)糖化率93~95%を有する高梁の酸糖化液の醗酵に當り分解後濾液のみの醗酵歩合は不溶解理殘渣と共に醗酵せる場合に比し5~7%劣るを見た.
(6) 中和剤としてMagnesite(菱苦土鑛)を用ふる時は簡易低廉にして比較的良好の成績を得.
(7) 酵母使用量は醪に對し約10%を用ぴて充分であり,醗酵は大體2日乃至3日で完了する。
(8) 試料を酸液と共に加壓蒸著前O
3,NO
2の如き瓦斯氣體中に保存し豫備處理を行へば糖化並に醗酵に封し極めて有效なるを認めたり
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