日本農芸化学会誌
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30 巻, 6 号
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  • (第2報) PAS溶液中に於けるOvalbuminの沈降恒数について
    船津 勝, 船津 軍喜
    1956 年 30 巻 6 号 p. 293-298
    発行日: 1956年
    公開日: 2008/11/21
    ジャーナル フリー
    PAS溶液中に於てovalbuminの沈降恒数は小となる.即ち未変性ovalbuminのs20ωは3.59×10-13であつたに対してPAS変性ovalbuminのそれは2.70×10-13であつた.この原因はPASによるovalbuminの変性にあるものと推定した.即ちPASの大きな極性によつて蛋白分子のペプチド連鎖間の水素結合が切断され, PASはその間に侵入し,ペプチド結合との間の新しい水素結合の形成或はそのNH2と蛋白質の酸性基との間に結合を形成する等により蛋白分子を所謂unfoldの状態に維持し,従つて蛋白分子の軸比は大となり沈降恒数は小となるものと推察される.
  • (第3報) PAS溶液中に於ける蛋白質の拡散恒数について
    船津 勝
    1956 年 30 巻 6 号 p. 298-304
    発行日: 1956年
    公開日: 2008/11/21
    ジャーナル フリー
    PAS溶液中に於けるovalbumin, serumalumin, hemoglobinの拡散恒数とNEURATH型cellを用い日立チゼリウス装置によつて測定した結果何れも未変性のものの値に比し小さい値を得た.この事はPASによつて蛋白質が変性し軸比の増大方向への分子形の変形を予測させるものである事を推論した.
  • (第4報) PAS溶液中に於ける蛋白質の分子量及び分子形態について
    船津 勝
    1956 年 30 巻 6 号 p. 304-309
    発行日: 1956年
    公開日: 2008/11/21
    ジャーナル フリー
    PAS変性蛋白質の分子量,摩擦比,固有粘度,軸比を算出し,未変性蛋白質のそれとを比較した.その結果, ovalbumin, serumalbuminでは分子量の変化は認められなかつたが, hemoglobinでは分子は1/2にdisaggregationを起す事を明かにした.摩擦比,固有粘度,軸比は, PAS変性蛋白質は未変性蛋白質に比しいずれも著しく増大していた.これらの値からPASによる蛋白質の解離, PASと蛋白質の結合及び変性蛋白質の分子形は,平板状回転楕円体と考えられる事を推定した.又PASの作用によつて起る蛋白質表面の親水基の増加がPASの顕著な溶解作用の原因をなすものと推察した.
  • (第8報)一新結晶性グルコフラクタン“リコリシン”に就て(其の5)
    水野 卓
    1956 年 30 巻 6 号 p. 310-314
    発行日: 1956年
    公開日: 2008/11/21
    ジャーナル フリー
    An experiment was made on the periodate oxidation of “Lycorisin”, a new crystalline glucofructan which was isolated from the bulb of Lycoris radiata HERBERT, in comparison with inulin. Results obtained were as follows.
    1. It was confirmed again that “Lycorisin” is a nonasaccharide consisted of one part of glucose, which exists as the non-reducing end-group residue, eight parts of fructose, and also no existence of the branched structures and glucose in the fructose chain in the Lycorisin molecule (see Table 1 and 2).
    2. The “Oxidized-Lycorison” was crystallized by the NaIO4-oxidation (see Figure 1 and Table 3).
    This is shown by the NaIO4-consumption, the variation of [α] D and viscosity and paper chromatograms in the course of periodate oxidation of “Lycorisin” (see Tables 4, 5, 6 and Figure 3).
    3. It was confirmed that glucose exists as the non-reducing residue in the inulin molecule and the mole ratio of fructose: glucose is 34:1.
    The “Oxidized-Inulin” was prepared as the form of crystalline (see Figure 2 and Table 3), NaIO4-consumption, variation of [α] D and viscosity and paper chromatograms in the course of periodate oxidation of inulin (see Tables 4, 5, 6 and Figure 3) were also shown.
  • (第9報)一新結晶性グルコフラクタン“リコリシン”に就て(其の6)
    水野 卓
    1956 年 30 巻 6 号 p. 315-316
    発行日: 1956年
    公開日: 2008/11/21
    ジャーナル フリー
    1. リコリシン,イヌリン及びスコロドースの赤外線吸収スペクトル図を比較し, functional regionでは3者の差は殆ど見られず,僅かにfinger print regionの端で相違していることを知つた.
    2. リコリシン,イヌリン及びスコロドース3者の紫外及び可視部での吸収は殆ど見られない.
    3. リコリシンの結晶形は結晶条件の如何にかかわらず球晶であることを知つた.
  • 10% NaCl溶液中に於けるトリクロール酢酸の蛋白質沈澱性
    神立 誠, 保井 忠彦, 山本 範子
    1956 年 30 巻 6 号 p. 316-321
    発行日: 1956年
    公開日: 2008/11/21
    ジャーナル フリー
    著者等は先に大根葉,青刈大豆葉の10% NaCl溶性区分に於て,その全窒素量に対してトリクロール酢酸によつて沈澱される窒素量は極めて低い事を明らかにしたが,この理由に就ては,実際にこれら10% NaCl溶性区分に於ても,蛋白質はトリクロール酢酸によつて完全に沈澱され,非蛋白態窒素化合物が多量に存在するのか,高濃度のNaCl又はこれら区分に存在する物質によつてトリクロール酢酸による蛋白質の沈澱が著しく阻害されるのか不明である.これらの点を明らかにする目的で本実験を行つた.その実験結果を要約すると次の如くである.
    (1) グリシニン,エデスチンの10% NaCl溶液にトリクロール酢酸を加えて蛋白質を沈澱させる場合,前者は酸濃度2.0%,後者は2.5%以上でそれぞれ96%, 100%沈澱される.この場合,酸溶液を添加する前に蛋白質溶液を煮沸処理するも,直接添加するも差異は認められない.又沈澱洗滌液の酸濃度は1.0%以上で差異はなく,水洗は不可である.以上の事実は高濃度のNaClは蛋白質の沈澱を阻害しない事を示している.
    (2) 大根葉,青刈大豆葉の10% NaCl溶性区分にはトリクロール酢酸による蛋白質の沈澱を阻害する物質は存在しない.従つてこれらのトリクロール酢酸非沈澱性窒素は非蛋白態窒素化合物である.
    (3) 大根葉,青刈大豆葉の10% NaCl溶性区分の蛋白質をトリクロール酢酸で沈澱させる場合に,その酸濃度は2.5~10.0%洗滌液の酸濃度は2.0~5.0%に於て,又溶液を予め煮沸処理しても,直接に酸を加えても差異は認められない.
  • (第4報)同調指示用電子管(マジック・アイ)を用いるLANE, EYNON法による還元糖の定量
    神立 誠, 佐藤 民雄
    1956 年 30 巻 6 号 p. 322-326
    発行日: 1956年
    公開日: 2008/11/21
    ジャーナル フリー
    還元糖定量法の一つであるLANE, EYNON法の内部指示薬メチレンブルーのかわりにマジック・アイを指示器とする滴定装置を試作し,操作法,正確さなどについて常法のメチレンブルー法と比較検討した.その結果,本法の特徴としては次の点を認めた.
    (1) 電位差計を使用する従来の電気滴定に比して操作が簡単で迅速に滴定することが出来る.
    (2) 室内電源電圧が75Vまで降下しても実測数値には何等影響がない.
    (3) 着色,溷濁溶液に於いても滴定が可能である.
    (4) 天候,時間による光の明暗,光の種類等による影響を受けない.
    (5) Cu¨の還元される状態がマジック・アイの開閉で観察できるので,終末点の近接が容易に判断せられ正確に滴定することが出来る.
    (6) マジック・アイ法の欠点は,電極を定量前数時間浸漬せねばならないことと,電極及び電極液が永久的の使用に堪えないこと.
  • 前川 一之, 櫛部 政久
    1956 年 30 巻 6 号 p. 327-329
    発行日: 1956年
    公開日: 2008/11/21
    ジャーナル フリー
  • 小幡 彌太郎, 堀津 浩章
    1956 年 30 巻 6 号 p. 329-330
    発行日: 1956年
    公開日: 2008/11/21
    ジャーナル フリー
  • 堀津 浩章, 坂村 貞雄
    1956 年 30 巻 6 号 p. 330-331
    発行日: 1956年
    公開日: 2008/11/21
    ジャーナル フリー
  • (第2報)両切たばこの煙及び吸殻中のニコチン分布について(その2) King size及びRegular size両切の比較
    伊沢 正夫, 小橋 友助
    1956 年 30 巻 6 号 p. 332-335
    発行日: 1956年
    公開日: 2008/11/21
    ジャーナル フリー
  • (第6報)直列多槽系の醗酵週期について
    上田 清基
    1956 年 30 巻 6 号 p. 335-340
    発行日: 1956年
    公開日: 2008/11/21
    ジャーナル フリー
    多槽式連続醗酵に於ける醗酵週期の問題を理論的に研究した.
    (1) 多槽式連続醗酵の定常状態に於ける各槽の糖濃度は図式解法にょり理論的に求められ,糖蜜及び亜硫酸パルプ廃液による実験結果と良く一致した.
    (2) 最終槽に近づく程回分式に比べ著しく時間の損失が大きいが,これはその醪の醗酵速度に支配されるためである.
    (3) 図式解法によれば,糖蜜の場合3~5糟の等容積の醗酵槽を使用すれば能率が良いが,それ以上増加すれば反つて能率を低下する.
    (4) 最も効率の良い多槽式装置は,回分式醗酵で醗酵速度が最大を示す中糖濃度の最小の所を第1槽の定常状態となるようにし,第2槽以下の醗酵を出来る丈多くの槽に分割するよう設置したものである.
  • (予報)甘藷β-アミラーゼの熱失活に対する蔬菜汁液の保護作用
    中山 荘, 河野 美子
    1956 年 30 巻 6 号 p. 340-342
    発行日: 1956年
    公開日: 2008/11/21
    ジャーナル フリー
    ダイコン葉,カブ葉及びタマネギの搾汁は,甘藷β-アミラーゼを熱に対して安定化する.シャクシナ及びネギの葉にも多少この効果があるが,ダイコン,カブ,ニンジン,甘藷それぞれの根,タカナ,ホウレンソウ,キクナ等の葉にはこの効果がない.
    ダイコン葉,汁液の効果は,生のものでも120°に40分加熱したものでも全く同じであるが,焼いて灰にしたものは無効であつた.
  • (第1報)家蚕体液の蛋白成分について
    小田 純子, 林 勝哉, 佐々木 周郁
    1956 年 30 巻 6 号 p. 342-345
    発行日: 1956年
    公開日: 2008/11/21
    ジャーナル フリー
    (1) 第5令家蚕体液は超遠心分離機による分析の結果, 3個の主要成分蛋白質から構成されている.蛹化すると最も沈降速度の大なる蛋白はほぼ完全に消失する.その沈降図は哺乳類の血液のそれと非常に相違する.
    (2) 家蚕体液蛋白質を塩析のみにより超遠心的に純粋にすることは困難である.
    (3) 第5令家蚕体液蛋白質の電気泳動に於ける3個の主成分の等電点は,哺乳動物のそれと異りかなり接近している.
    終りに蚕を提供していただいた福岡県蚕業試験場の古川場長並びに試験場の方方に感謝の意を表します.尚本研究の一部は文部省科学研究費によつた.
  • (第2報)2個の単離成分の沈降,拡散及び分子量
    小田 純子
    1956 年 30 巻 6 号 p. 345-347
    発行日: 1956年
    公開日: 2008/11/21
    ジャーナル フリー
    (1) 第5令家蚕の体液蛋白質を,塩析及び超遠心分離機を使用して分離を試みた結果, 3個の主要成分の中,沈降速度の最も大なる蛋白と最も小なる蛋白を超遠心的にほぼ純粋にすることが出来た.
    (2) 単離した蛋白溶液の沈降恒数と拡散恒数を測定し,その結果から分子量及び摩擦比を算出した.
  • 小田 純子
    1956 年 30 巻 6 号 p. 347-351
    発行日: 1956年
    公開日: 2008/11/21
    ジャーナル フリー
    (1) がざみ血液よりhemocyaninを分離精製し,銅含量0.18%の製品を得た.
    (2) Hemocyanin溶液の沈降分析の結果,各種条件を変えても常に2~3個の解離成分から成る.各成分の沈降恒数及び相対濃度はpHの変化により非常に相違する.
    (3) Hemocyanin溶液の電気泳動分析の結果,多くの場合mono-componentを示し,その他の場合では少量の他の成分の混在を認めた.
    (4) 光散乱法により, pH 5.0, 6.0に於けるhemocyanin溶液の平均分子量を求めた.
  • 桜井 芳人
    1956 年 30 巻 6 号 p. A55-A59
    発行日: 1956年
    公開日: 2008/11/21
    ジャーナル フリー
  • 守尾 盛秀
    1956 年 30 巻 6 号 p. A60-A65
    発行日: 1956年
    公開日: 2008/11/21
    ジャーナル フリー
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