日本農芸化学会誌
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51 巻, 6 号
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  • 増田 宏志, 菅原 四郎
    1977 年 51 巻 6 号 p. 335-341
    発行日: 1977年
    公開日: 2008/11/21
    ジャーナル フリー
    発芽期の甜菜結合型サッカラーゼはブルーデキストランと共存させて,水に対して透析すると,可溶性の状態を維持している.この可溶性区分をSepharose 6Bでゲル炉過すると,酵素活性はブルーデキストラン2000とともに溶出する.酵素のみでは,水に対して透析すると不溶化し,さらに,それをゲル濾過すると,水溶出では酵素はゲルに吸着し,次いで0.5M塩化ナトリウムに変えると溶出される.このように,ブルーデキストランは酵素の溶解性に影響を与えること,さらに,ゲル濾過の知見により,結合型サッカラーゼと結合することを確認した.デキストランT40およびT500は結合型酵素の溶解性に影響を与えないことから結合しないものと思われる.Sephadex G 100は結合型酵素を吸着する.
    ブルーデキストラン1μgあたり,約5.5単位の結合型サッカラーゼと結合する.
    結合型サッカラーゼとブルーデキストランは0.27M以下で塩化ナトリウム溶液中で結合し,また,pH 3.0~8.0の緩衝液中でpHに関係なく結合する.結合型サッカラーゼのみでは,pH 3.0では可溶性であるが,pHが高くなると,不溶化がおき,pHは酵素の溶解性に影響を与える.ブルーデキストラン存在下で結合型酵素はpHに関係なく結合する.
  • 阿部 昭吉
    1977 年 51 巻 6 号 p. 343-349
    発行日: 1977年
    公開日: 2008/11/21
    ジャーナル フリー
    Blepharismaに金属イオンを加えることにより,ble-pharismaを球状細胞に変化させることができた.金属イオンの球状細胞形成活性強さはCu>Ni>Co_??_Znの順で錯体の安定度定数の順と一致した.
    キレート剤によってblepharismaを球状細胞に変化させることができた.キレート剤の球状細胞形成活性の強さは,EDTAを除いて,キレート剤のMn2+イオンに対する配位安定度定数の大きさの順と一致した.
    Sulfhydryl基の化学修飾剤であるN-ethylmaleimideおよびρ-chloromercuribenzoic acidによりblepharismaを球状細胞に変化させることができた.これら化学修飾剤の強い活性は,アミンによって球状細胞を形成させる場合と異なり,pHの変化,Mn2+イォンによって影響をうけなかった.
    Blepharismaが正常な形態を保つには,Mn2+イオンが必要である.Mnはblepharismaの正常な形態を保つ活性をもった物質のsulfhydryl基に配位していると推定した.
  • 舩引 龍平, 高橋 恵久子, 山屋 晴代, 晴山 信一
    1977 年 51 巻 6 号 p. 351-357
    発行日: 1977年
    公開日: 2008/11/21
    ジャーナル フリー
    The fractional turnover rate of actin in skeletal muscle of adult rat has been estimated by both puls and continuous administration of U-14C-lysine.
    Animals were sacrificed after 1-24 days and the specific radioactivity of free lysine and actin was determined.
    Using the kinetics of precursor-product relationship, the half life of 10-20 days for actin has been calculated.
  • 船隈 透, 林 勝哉, 向井 純一郎
    1977 年 51 巻 6 号 p. 359-369
    発行日: 1977年
    公開日: 2008/11/21
    ジャーナル フリー
    カイコの核酸消化系の活性の調節機構について検討し,次のことが明らかになった.
    (1) 5令幼虫の中腸組織にーヌクレアーゼ(中腸ヌクレアーゼ)を見出し,これをn-ブタノール処理および硫安分画の後,DEAR-セルロース,ホスホセルロースおよびCM-セファデックスC-50によるクロマトグラフを行ない,約4000倍に精製した.
    (2) 本酵素はMg2+存在下にDNAおよびRNAに作用して5'-オリゴヌクレオチドを生成するなど作用様式の上では消化液ヌクレアーゼと似ており,免疫学的にも関連性があった.しかし分子最と至適pHはそれぞれ85,000, pH 9.5であり,消化液ヌクレアーゼのそれ(22,000,pH 10.3)とは明確に異なっていた.
    (3) 本酵素は,中腸組識に低活性型プロ酵素として存在し,消化液中の未同定因子の作用により活性化され,消化液ヌクレアーゼに転換する.
    (4) 活性化因子は非透析性,非耐熱性であり,消化液中のいわゆるプロテアーゼ主成分とは異なるものである.
    (5) ここに述べた中腸ヌクレアーゼと姫野らの蛹ヌクレアーゼは同一酵素と思われる.
  • 船隈 透, 林 勝哉, 向井 純一郎
    1977 年 51 巻 6 号 p. 371-379
    発行日: 1977年
    公開日: 2008/11/21
    ジャーナル フリー
    カイコの核酸消劣化系の調節機構を検討中に,蛹抽出液が消化液ヌクレアーゼのDNA分解作用のみを特異的に阻害することを見出した.
    (1) インヒビターを蛹から単離し,薄層クロマトグラフィー,アミノ酸自動分析,赤外線吸収スペクトル,元素分析および酵素活性の阻害実験の結果から,その本体はL-ロイシンであると同定した.
    (2)l-ロイシンは9.6mMにおいて本酵素のDNA分解作用のみを最高60%阻害するにもかかわらず,そのRNA分解作用や低活性型プロ酵素(中腸ヌクレアーゼ)および他起源の酵素の活性に対してはまったく効果を示さなかった.
    (3) L-ロイシンによる阻害は不拮抗的であり,消化液ヌクレアーぜ・DNA・L-ロイシンの3者複合体の形成によることが示された.
    (4) 前報とこれらの結果から,カイコの核酸消化系は,(1)活性発現の際における低活性型プロ酵素(中腸ヌクレアーゼ)からの活性化,および(2)L-ロイシンによる阻害という2段階の調節を受けていることが示唆された.
  • 松田 英幸, 松本 妙子, 平山 修
    1977 年 51 巻 6 号 p. 381-387
    発行日: 1977年
    公開日: 2008/11/21
    ジャーナル フリー
    馬鈴薯塊茎中に存在する脂質分解酵素のサブユニット構造を調べ,ついで分離したサブユニット画分を透析処理によって再会合させ,酵素蛋白質の再構成および酵素活性の回復について検討した.
    (1) 酵素蛋白質は,8M尿素,5mM EDTA処理により,分子量それぞれ約17,000および4000の少なくとも2成分に解離した.解離蛋白質の等電点は,native酵素よりも酸性側にあり,3.7および3.4であった.
    (2) 1% SDS処理では,酵素蛋白質は分子量,約39,000,22,500および14,500の3成分に解離した.
    (3) 上記尿素またはSDS処理の際,5%メルカプトェタノールを添加して行うと,いずれの場合も分子量約4000のペプチドに解離した.
    (4) 透析処理によって,解離蛋白質の再会合が認められ,酵素活性は,ガラクトリパーゼ活性およびホスホリパーゼ活性いずれもnative酵素の活性の10~15%に回復した.酵素活性の回復は,Ca2+が存在しないと認められず,Mg2+ではわずかしか認められなかった.
    (5) 再構成された酵素は,分子量およびガラクトリパーゼ活性とホスホリパーゼ活性の活性の比がいずれもnative酵素のそれとほぼ同じであった.
    (6) 以上の結果から,馬鈴薯酵素のサブユニット構造とその会合式について検討し,Ca2+の役割について考察した.
  • 田幸 正邦, 永浜 伴紀, 野村 男次
    1977 年 51 巻 6 号 p. 389-395
    発行日: 1977年
    公開日: 2008/11/21
    ジャーナル フリー
    さきに分離したcoryneform bacteria strain C-8を15l容ジャーファーメンターを用いて,グルコースあるいは可溶性澱粉を炭素源として培養し,高収率で粘質多糖を調製した.
    粘度法により求めた分子量は,多糖A(グルコース培地)および多糖B(可溶性澱粉培地)のいずれも約250,000と推定された.
    本多糖はグアーガム,ローカストビーンガムに匹敵する高い粘性,動的粘弾性を示し,粘性は,pH 6~9で安定で,加熱に対して80°Cまで安定であった.しかし,その粘性は,無機塩,有機酸等の添加により著しく減少して電解質多糖の特徴を示した.
    また,エマルジョン形成能,フィルム特性等もすぐれていた.
  • 田幸 正邦, 永浜 伴紀, 野村 男次
    1977 年 51 巻 6 号 p. 397-403
    発行日: 1977年
    公開日: 2008/11/21
    ジャーナル フリー
    Coryneform bacteria strain C-8の生成する粘質多糖の流動特性をアルギン酸ナトリウム,ローカストビーンガムおよびグアーガムを対照として明らかにし,レオロジ-解析を行った.
    本多糖および対照多糖類のいずれも擬塑性流動性多糖でアルギン酸ナトリウムはニュートン流動魅に近く,ローカストビーンガムはアルギン酸ナトリウムよりは比較的大きな非二ュートン流動性を示し,本多糖とグアーガムは著しい非ニュートン流動性を示すことが認められた.本多糖とグアーガムの屈折点前,後の流動指数および構造粘性はよく一致した.
    流動の活性化エネルギーを求めたところ,本多糖とグアーガムはよく一致した.
    動的粘弾性の周波数および温度依存性においても本多糖とグアーガムは一致した.
    このような結果から,本多糖の非ニュートン流動機構および動的粘弾性機構は,グアーガムのそれらと一致することが認められ,本多糖の分子構造はグアーガムのそれと類似する可能性が示唆された.
  • 藤田 真一, 中野 敏子, 藤田 安二
    1977 年 51 巻 6 号 p. 405-408
    発行日: 1977年
    公開日: 2008/11/21
    ジャーナル フリー
    A biochemical studies of the essential oils of Mentha japonica Makino from Nagano Pref. and Chiba Pref. have been conducted.
    From the changes of the yields of essential oils and the contents of each component in the course of growing stage, the following results were obtained:
    The changes of contents of the component in the oils from Nagano Pref. are similar to those of M. Pulegium and M. Gattefossei, namely in the blooming stage, pulegone was reduced to menthone.
    On the other hand, in the oils from Chiba Pref., menthone was further reduced to menthol, moreover in the latter stage, menthol changed to menthylacetate.
  • 村越 重雄, 磯貝 彰, 鈴木 昭憲, 一戸 正勝
    1977 年 51 巻 6 号 p. 409-410
    発行日: 1977年
    公開日: 2008/11/21
    ジャーナル フリー
    Toxicity of culture filtrate and fungal mat from sixty five strains of fungi to silkworm larvae, Bombyx mori L., has been evaluated by feeding test. The 3 rd instar of the larvae were fed on an artificial diet containing each sample to be tested at 25°C for 6 days.
    Twenty four strains in test fungi showed oral toxicity. A toxic component isolated from Arthrinium spp., Penicillium cyclopium and Penicillium puberulum was identified as β-nitropropionic acid.
  • 1977 年 51 巻 6 号 p. e1
    発行日: 1977年
    公開日: 2008/11/21
    ジャーナル フリー
  • 岩見 公和
    1977 年 51 巻 6 号 p. R39-R46
    発行日: 1977年
    公開日: 2008/11/21
    ジャーナル フリー
  • 磯貝 彰
    1977 年 51 巻 6 号 p. R47-R52
    発行日: 1977年
    公開日: 2008/11/21
    ジャーナル フリー
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