Xylitan A 1モルは過沃度酸1モルを消費するがフォルムアルデヒドを生じない。又四醋酸鉛によつてもフォルムアルデヒドを生成しない。從つて3つの遊離水酸基の中2つは隣り合つて存在し,且つ隣接する水素基は何れも第二アルコール基であることが證明される。
又Trimethyl-xylitan Aを濃硝酸で酸化し,生じたDimethoxysuccinic acidをDiamideとして單離した。
以上の2つの結果からXylitan Aは1,4環状構造を有することが決定される。
而してXylitan A及びその誘導體が光學的不活性であること及び, CARSON等の1,4-Anhydro-
dl-xylitolと諸性質並にその生成條件を比較考察することにより, Xylitan Aの化學構造を1,4-anhydro-
dl-Arabitolと推定した。
本研究は恩師藪田教授並に住木教授の御懇篤なる御指導の下に行つたものであつて,こゝに謹んで感謝の意を表する。又有益な御助言をいたゞいた麻生清博士に深謝する。研究費の一部は文部省の科學研究費にあおぎ,元素分析は藪田研究室及び科研尾形研究室ミクロ分析係の方々にお願ひした。こゝに記して厚く感謝する。
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