日本農芸化学会誌
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36 巻, 10 号
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  • Protoplast membraneによるバシトラシン活性物質の生成 (2)
    相田 徳二郎
    1962 年 36 巻 10 号 p. 793-797
    発行日: 1962年
    公開日: 2008/11/21
    ジャーナル フリー
  • パシトラシンX群の分別
    相田 徳二郎
    1962 年 36 巻 10 号 p. 797-801
    発行日: 1962年
    公開日: 2008/11/21
    ジャーナル フリー
  • 赤松樹皮より誘引物質として安息香酸の分離
    安永 邦輔, 大島 康義, 鍬塚 昭三
    1962 年 36 巻 10 号 p. 802-804
    発行日: 1962年
    公開日: 2008/11/21
    ジャーナル フリー
    松樹皮よりキイロコキクイムシに対する誘引物質として安息香酸を分離したが,人間に対して臭としてほとんど感しないものに,昆虫が極めて敏感に誘引されることは興味深い.
    安息香酸の検知濃度に関しては詳細な実験を行なっていない. 2cm2の木綿布に安息香酸約0.1mgを塗布した場合最も誘引率が大きく, 0.006mg塗布の場合もなお誘引性を示したが,安息香酸は今までに知られている他の誘引物質に比し蒸気圧が遙かに低いので,気流中の安息香酸の濃度は極めて低いものと考えられる.
    マツノキクイムシに対する誘引試験は安息香酸のみで測定する機会を時期的関係から逸したが,酸性成分における濃度-誘引力曲線がキイロコキクイムシの場合とほとんど一致することからみて,同様に安息香酸に誘引されるものと考えられる.
    従来,松喰虫(マツアナアキゾウ)に対する誘引物質として論ぜられた高級脂肪酸のエステル類(2),テルペン類,プロピオンアルデヒド(3)等が存在すべき成分は,キイロコキクイムシ,マツノキクイムシ共にほとんど誘引性を示さなかった.これらの物質が誘引力を全く持たないか否かについて断定することはできないが,各成分を松樹皮中の含量比に比例して稀釈し,かなりの高濃度で試験して酸性成分以外にほとんど誘引性を認めえなかったことから推察して,これらの物質は少なくとも誘引の主要な因子とは考えられない.しかし,安息香酸のみの場合は最高誘引濃度で誘引率70%であったが,分離した酸性区分では第2図に示すように最高75%の誘引率の場合があったことは,安息香酸以外に補助因子の存在が考えられる.しがしいずれにせよ,松樹皮の主たる誘引物質は安息香酸と考えてよい.
  • 数種の花粉の糖組成について
    元村 佳恵, 渡辺 敏幸, 麻生 清
    1962 年 36 巻 10 号 p. 805-809
    発行日: 1962年
    公開日: 2008/11/21
    ジャーナル フリー
    (1) クロマツ,ヤマユリ,オニユリの3種の花粉を一般分析した結果,ヤマユリ,オニユリなどの虫媒花花粉はクロマツ,ガマの穂などの風媒花花粉に比べて,粗脂肪,総転化糖,直接還元糖が多くなっている.
    (2) クロマツ,オニユリ,ヤマユリ,カボチャ,オオマツヨイグサの5種の花粉の水溶性糖及び85%エタノール可溶性糖のPPCを行なった結果,クロマツではサッカロースが主な糖であり,その他の花粉ではフルクトース,グルコース及びサッカロースの3種が主な糖であることを認めた.
    (3) 上記5種の花粉の85%エタノール可溶性糖について, PPC法による3糖の分離定量を行なった結果,クロマツ花粉ではサッカロースが著しく多かった.またフルクトースとグルコースの割合はオニユリを除いてややフルクトースの方が多くなっているが,ヤマユリ,オニユリではほぼ同量含まれている.カボチャとガマの穂の花粉はサッカロースが比較的少なく,またカボチャはグルコースに比ベフルクトースが非常に多くなっいる.
    (4) クロマツ花粉の糖類をCarbon CCで分別し,それらの糖組成をPPCでしらべた結果,フルクトース,グルコース,サッカロース,ツラノース,マルトース,イソマルトース,ラフィノースの他に5種の糖類を認めた.
  • 異常発酵の実態および異常発酵の起因追究のための条件
    重藤 稔
    1962 年 36 巻 10 号 p. 809-813
    発行日: 1962年
    公開日: 2008/11/21
    ジャーナル フリー
    2kl槽で起った異常発酵の発酵経過を正常発酵のそれと比較したところ,異常発酵の場合には最初菌の生育がほとんど見られず,経時が進むと非常に旺盛に生育し, L-リジンはほとんど生産されない特徴ある経過を辿る.そこでこの基因追究のための先決条件としてまず使用菌株の純粋分離を,懸滴培養法と平板培養法を併用して操り返すことにより行ない,純化菌についてL-リジン生産性および最少培地を用いて純粋性を確かめ,特に親株であるM. glutamicus 614から完全に純化されていることを確かめた.さらに次に発酵工程中での雑菌汚染について発酵装置の完全性,殺菌条件などについて検討を行ない,完全に無菌的に発酵管理が行なわれていることを確認した.
  • 原料および異常発酵液の諸性質
    重藤 稔
    1962 年 36 巻 10 号 p. 814-818
    発行日: 1962年
    公開日: 2008/11/21
    ジャーナル フリー
    L-リジン発酵において第1報(1)記載の純化菌株を使用した場合にも異常発酵を起したので,基因追究のために正常発酵および異常発酵に使った諸原料について比較試験をしたところ糖蜜に顕著な差が認められ,ある特定の糖蜜を使うと2k1槽でも51ジャーファーメンターでも異常発酵が起った.
    糖蜜について異常発酵性のものと正常発酵性のものとの分析上の比較を行なったところ明瞭な差は認められなかったが,顕著な異常発酵を起す糖蜜ではBrixが高い割に全糖濃度が低く,直糖濃度が高いことが認められ,この性状ば糖蜜を長期間貯蔵した時に変化してくる性状に類似していた.
    異常発酵液を2kl槽から経時的に採取し, 51ジャーファーメンターを使用して併行試験を行なった結果,異常現象は発酵時間16時間目ごろから始まり, 2kl槽での発酵経時が進むにつれその程度がひどくなることが明らかとなった.
    異常発酵は伝染性を持ち,異常発酵液を新しく調製した培地に入れると同型の異常発酵を起すことが判明したが,これはバクテリオファジージなどの濾過性物質のためではなく,菌の変調のためであることがわかった.
    異常発酵液から分離した菌株は大半の菌がL-リジン生産性を失い,逆にL-グルタミン酸生産性を持っていることが判明した.これは親株(L-グルタミン酸生産菌)への復帰変異を暗示すものである.
  • 福田 紀文, 須藤 光正, 亀山 多美子, 川杉 正一
    1962 年 36 巻 10 号 p. 819-825
    発行日: 1962年
    公開日: 2008/11/21
    ジャーナル フリー
    家蚕の準合成飼料,つづいて合成飼料を調製し,これらの飼料で5齢蚕を飼育し繭をつくらせることにはじめて成功した.その組成は次のようである.
    御校閲を賜った東京大学神立誠教授および蚕糸試験場清水正徳博士,御協力を願った蚕糸試験場嶋万治郎氏,宮内潔氏および黒瀬邁氏,微生物定最法による桑葉のアミノ酸およびビタミンの定量を指導していただいた蚕糸試験場桐村二郎博士,鈴木直雄氏,貴重なアミノ酸を恵与していただいた味の素株式会社の各位に深甚な謝意を表します.
  • 生酒中の残存酵素量並びにその変性と混濁との関係
    秋山 裕一
    1962 年 36 巻 10 号 p. 825-829
    発行日: 1962年
    公開日: 2008/11/21
    ジャーナル フリー
  • 清酒の蛋白混濁物質の組成
    秋山 裕一
    1962 年 36 巻 10 号 p. 830-834
    発行日: 1962年
    公開日: 2008/11/21
    ジャーナル フリー
  • 尿素溶液中における人乳および牛乳力ぜインの混濁性
    前野 正久, 清沢 功
    1962 年 36 巻 10 号 p. 835-838
    発行日: 1962年
    公開日: 2008/11/21
    ジャーナル フリー
    (1) 人乳カゼインは,牛乳カゼインが全く透明となる水酸化ナトリウム濃度でも高い混濁度を示した.
    (2) 7.OM及び6.OMの尿素溶液にカゼインを溶解し,溶液の混濁度を600mμないし800mμの各波長で測定したところ,人乳カゼインの混濁度は波長の増加に伴なって減少したが,牛乳カゼインの混濁度はほとんど一定の値を示した.
    (3) 7.OM尿素溶液に溶解したカゼイン溶液を蒸溜水により稀釈したところ,人乳,牛乳カゼインとも混濁度は著しく増加するが,尿素と水酸化ナトリウムの混合液に溶解したカゼイン溶液の混濁度は減少した.
    (4) 尿素と緩衝液(Walpole)を混合して用いた場合,人乳カゼインの混濁度はいずれのpHにおいても減少したが,牛乳カゼインはpHの相違により混濁度が著しく変化した.
    本研究について終始御鞭撻いただいた当社社長大野勇氏に深甚の謝意を表するとともに,人乳の採取に御協力いただいた東京都港区保健所並びに目黒区保健所に厚く御礼申し上げます.
  • 有働 繁三, 佐藤 匡
    1962 年 36 巻 10 号 p. 838-841
    発行日: 1962年
    公開日: 2008/11/21
    ジャーナル フリー
  • 脂肪肝及び体成分と摂取蛋白質との関係
    小椋 正次, 大場 秀夫, 木下 一郎, 中村 延生蔵
    1962 年 36 巻 10 号 p. 842-847
    発行日: 1962年
    公開日: 2008/11/21
    ジャーナル フリー
    (1) 白米,小麦,とうもろこしを蛋白質源として,窒素水準1.12%, 1.60%で白鼠を飼育し,摂取窒素水準及び蛋白質源の相違が肝臓脂肪量ならびに肝グリコーゲン,肝臓脂肪のヨウ素価,血清コレステロール,血清蛋白質,尿中アセトン体,窒素出納等に与える影響を検討した.
    (2) 肝臓脂肪は摂取窒素水準の高い方が低く,同一窒素水準では蛋白質源による差を生じなかった,また小麦粉にリジンを添加し,リジン含量の点で白米蛋白質に等しい区を設けて実験した結果も,特に顕著な影響はみられ,なかった.
    (3) 肝臓脂肪のヨウ素価,グリコーゲン量は,摂取蛋白質の量及び質の影響を顕著に5けることが明らかにされた.
    本研究は昭和36年9月21日,日本農芸化学会関東・東北支部合同大会において講演した.
  • 分子量測定
    中村 典郎, 田辺 脩, 富田 繁
    1962 年 36 巻 10 号 p. 847-850
    発行日: 1962年
    公開日: 2008/11/21
    ジャーナル フリー
    (1)土壌から分離したPen. acueatum var. apiculatum No. 2282の生産する粘質物の沈降定数,極限粘度,偏比容などを測定し, Mandelkern式から分子量を求め,分子量約200万の値をえた.
    (2) この粘質物およびそれからえられた多糖類をそれぞれhigher molecular weight luteic acidおよびhigher molecular weight luteoseと呼ぶことを提案した.
  • 過ヨウ素酸酸化
    中村 典郎, 田辺 脩
    1962 年 36 巻 10 号 p. 851-854
    発行日: 1962年
    公開日: 2008/11/21
    ジャーナル フリー
    (1) ペニシリウムの生産する粘質物からえられたグルコースだけで構成される試料について過ヨウ素酸酸化をおこなった.その結果,粘質物の基本となっているグルコースの結合は,そのほとんどがβ-1, 6グリコシド結合で, β-l, 4などの枝分れ構造はあったとしても非常に少ないと考えられた.
    (2) 毒性試験の結果,この粘質物は少なくとも経口的には毒性はないものと考えられた.
  • 2-ケトグルコン酸の同定および3還元性ポリアルコール酸の分別定量
    寺田 治, 鈴木 静子, 木下 祝郎
    1962 年 36 巻 10 号 p. 854-857
    発行日: 1962年
    公開日: 2008/11/21
    ジャーナル フリー
    Gluconobacter cerinusがフラクトーズ培地で生成する2-ケトグルコン酸をカリウム塩およびキノキザリン誘導体(6-arabo-3-oxy quinoxaline)として単離し,最終的に同定,証明した.またフラクトーズ培地(フラクトーズ100mg/ml)に生成する3種の還元性ポリアルコール酸を分別定量し, 2-ケトグルコン酸2.48mg/ml, 5-ケトマンノン酸2.78mg/ml,未知酸-2b O.203mg/mlの結果を得た.
  • 菌の選択と同定
    山田 浩一, 町田 晴夫
    1962 年 36 巻 10 号 p. 858-860
    発行日: 1962年
    公開日: 2008/11/21
    ジャーナル フリー
    著者等は微生物によるリパーゼの生産を目標とし,自然界より各種微生物を分離し,そのリパーゼ生産能を検討したところ, 1有用菌を得た.さらにこの菌の同定を行い,本菌がCandidaに属する新菌と認め, Candida cydindracea nov. sp.と命名した.
  • リパーぜ定量法
    山田 浩一, 太田 安英, 町田 晴夫
    1962 年 36 巻 10 号 p. 860-864
    発行日: 1962年
    公開日: 2008/11/21
    ジャーナル フリー
    (1) Nordらの方法を大幅に改良したリパーゼ定量法を述べた,ポリビニルアルコールを乳化剤としたオリーブ油のエマルジョンを基質として用い,一定時間後に生成した脂肪酸を滴定する.比較的リパーゼ活性の強い試料の測定に適し, Desnuelleらの方法に比べると測定可能なpH範囲が広く,実用的な多数の試料の測定に適当である.再現性,比例性とも十分である.
    (2) この定量条件において,オリーブ油の加水分解反応は2段階の零次反応を含む.
    (3) 塩化カルシウムの添加は初速度に影響を与えない.
    (4) タウロコール酸ソーダの添加は初速度に大きい影響を与える.
    (5) 基質オリーブ油へのオレイン酸の添加は初速度に大きい影響を与える.影響の与え方はリパーゼ源により異なる.
  • 鏑木 陽一, 佐藤 由利子
    1962 年 36 巻 10 号 p. 865-869
    発行日: 1962年
    公開日: 2008/11/21
    ジャーナル フリー
    ガスクロマトグラフィーによって各種葉たばこ中の揮発性有機酸の分析を行い, C1~C6の11種類の脂肪族モノカルボン酸および2-フランカルボン酸,安息香酸,フェニル酢酸の計14種類について葉たばこ中の含有量を測定した.その結果,黄色種,オリエント種のように香喫味の濃厚な種類ではその含有する揮発性有機酸の量,質ともに豊富であって,在来種,パーレー種はそれに反し揮発性有機酸の量,質ともに貧弱であることがわかった.またどの種類の葉たばこでももっとも含有量の多い揮発性有機酸は酢酸またはギ酸のいずれかであって,その他の酸は少量であることを認めた.
  • 矢野 信礼, 森地 敏樹, 入江 良三郎, 見坊 寛
    1962 年 36 巻 10 号 p. 870-871
    発行日: 1962年
    公開日: 2008/11/21
    ジャーナル フリー
    Str. cremorisLeuc. citrovorumの混合したバタスターターおよびStr. diacetilactisの牛乳培養を凍結乾燥して30°Cに保存し,凍結乾燥菌の芳香成分(biacetyl+acetylmethylcarbinol)の生産性について実験した.
    保存期間が長くなるに従って生菌数の減少および生酸活性の低下によって芳香成分の生成は遅延するが,凍結乾燥菌を牛乳に培養した場合,酸度と芳香成分生成の関係はもとの培養と比較して特に差は認められなかった.また40~50日保存した凍結乾燥菌の牛乳培養における芳香成分の生産量ももとの培養と差はなく,乳酸菌の芳香生産性は凍結乾燥によって全く影響をうけないことが確認された.
  • 1962 年 36 巻 10 号 p. e3a
    発行日: 1962年
    公開日: 2008/11/21
    ジャーナル フリー
  • 1962 年 36 巻 10 号 p. e3b
    発行日: 1962年
    公開日: 2008/11/21
    ジャーナル フリー
  • 1962 年 36 巻 10 号 p. e3c
    発行日: 1962年
    公開日: 2008/11/21
    ジャーナル フリー
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