(1) クロマツ,ヤマユリ,オニユリの3種の花粉を一般分析した結果,ヤマユリ,オニユリなどの虫媒花花粉はクロマツ,ガマの穂などの風媒花花粉に比べて,粗脂肪,総転化糖,直接還元糖が多くなっている.
(2) クロマツ,オニユリ,ヤマユリ,カボチャ,オオマツヨイグサの5種の花粉の水溶性糖及び85%エタノール可溶性糖のPPCを行なった結果,クロマツではサッカロースが主な糖であり,その他の花粉ではフルクトース,グルコース及びサッカロースの3種が主な糖であることを認めた.
(3) 上記5種の花粉の85%エタノール可溶性糖について, PPC法による3糖の分離定量を行なった結果,クロマツ花粉ではサッカロースが著しく多かった.またフルクトースとグルコースの割合はオニユリを除いてややフルクトースの方が多くなっているが,ヤマユリ,オニユリではほぼ同量含まれている.カボチャとガマの穂の花粉はサッカロースが比較的少なく,またカボチャはグルコースに比ベフルクトースが非常に多くなっいる.
(4) クロマツ花粉の糖類をCarbon CCで分別し,それらの糖組成をPPCでしらべた結果,フルクトース,グルコース,サッカロース,ツラノース,マルトース,イソマルトース,ラフィノースの他に5種の糖類を認めた.
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