日本農芸化学会誌
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38 巻, 4 号
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  • 水稲粳米デンプンのアミロアルカリビスコグラフィー
    倉沢 文夫, 伊賀上 郁夫, 早川 利郎
    1964 年 38 巻 4 号 p. 173-177
    発行日: 1964年
    公開日: 2008/11/21
    ジャーナル フリー
  • Proteinase IIIの結晶化と二,三の性質
    吉村 貞彦, 団野 源一
    1964 年 38 巻 4 号 p. 178-185
    発行日: 1964年
    公開日: 2008/11/21
    ジャーナル フリー
    Scopulariopsis brevicaulisを麩に培養して得られる少なくとも3種類の蛋白分解酵素のうち,その作用最適pHを11付近に示すもの(Proteinase IIIと仮称)を結晶状に精製し二,三の酵素的性質を検討した結果,
    (1) Proteinase IIIの結晶化は供試菌の麩培養抽出液を硫酸アンモニア塩析時の飽和度の差異,およびアクリノールと結合性のないことから他の蛋白分解酵素と分別し,さらにアルミナCγおよびAmberlite XE-64により精製し,アセトン液中で行なわせた.
    (2) 本酵素はpH 10.5~11.0, 40°C付近でカゼインの分解能は最大で,熱に対してはやや抵抗性に乏しく,ことにアルカリ性下では速かに失活する.またpH 5.5付近ではかなり安定である.Co++およびヒ酸イオンは活性度を上昇させ,Cu++, Mn++およびCd++等により阻害される.
    (3) カゼインを基質としてα-キモトリプシン, AsP. ochraceus, Pen. chrysogenumの蛋白分解酵素および供試菌の別の蛋白分解酵素(Proteinase II)の4種の結晶標品と交叉試験を行なった結果では,α-キモトリプシンを作用させた後本酵素を働かせると以後の分解の進行は最も著しく,蛋白分子を細かく切断する上記糸状菌の蛋白分解酵素のいずれと交叉してもなお分解の進行をもへたらし, ProteinaSe IIIは強力な蛋白分解能をそなえ,上記4種の酵素がペプチド鎖へ作用する以外の個所にも切断を起すものと推察した.
  • 大桃 洋一郎, 赤嶺 喜代子, 津郷 友吉
    1964 年 38 巻 4 号 p. 186-191
    発行日: 1964年
    公開日: 2008/11/21
    ジャーナル フリー
    Ca型イオン交換樹脂による牛乳中の放射性Srの除去法について検討しさらにイオン交換処理乳の性質変化とその回復法について検討した.この実験に用いられた強酸型および弱酸型の樹脂の種類は放射性物質の除去率にあまり影響しないが, Dowex 50W-X 12, 20~50メッシュの除去率がすぐれていた.樹脂と牛乳の接触時間が長くなるほど除去率は高くなる.またカラム法による流速の除去率に及ぼす影響は, SV 3~60の間ではほとんど認められなかった.
    M/R比の増加につれて除去率は低下する.実用的M/R比は10~20が適当であると認められた. M/R比が10の場合の除去率は65~70%, M/R比が20の場合の除去率は50~60%であった.
    イオン交換処理前に牛乳のpHを5.3~5.4にすると除去率が高くなることが認められた.
    イオン交換処理によって,牛乳のpH,酸度,灰分, Ca含量,加熱試験,レッネット凝固時間,アルコール試験およびカード張力に大きな変化が認められた.この変化は,主としてCaの増加とCa含量の増加に伴なうH+の増加に原因があると考らえれる.
    増加したCaをK型樹脂を用いて除去することによって,変化した性質をほとんどもとにもどすことができた. Ca型イオン交換処理によって牛乳中の134Csの25%を除去することができ,さらにK型樹脂を通すことによって65%の134Csを除去することができた.またこのK型樹脂処理によって, Ca型イオン交換処理後除去されずに残っていた89Srの32%を除去することができた.すなわちCa-K型樹脂連続処理によって89Srの80%以上と, 134Csの65%を除去しうることが明らかにされた.
  • 溶菌現象とバクテリオファージの確認
    沖 俊一, 原田 良造, 赤星 恭助, 松井 俊規
    1964 年 38 巻 4 号 p. 192-197
    発行日: 1964年
    公開日: 2008/11/21
    ジャーナル フリー
    Brev. lactofermentum No. 2256によるL-グルタミン酸醗酵における顕著な溶菌を伴う異常醗酵の原因が,バクテリオファージによることを確認し,バクテリオファージ P 61, P 114, P 401及びP 465を分離した.異常醗酵を起した溶菌醗酵液の無菌濾液中には103~108こ/mlのファージ粒子が存在することを寒天重層法による溶菌斑で確認し,その濾過性,継代性を証明した.これらのファージは宿主域によって区別され,溶菌力はP 61.が最も弱く, P 465が最も強いことを知った.
  • ファージの一般的性質
    沖 俊一, 原田 良造, 赤星 恭助, 松井 俊規, 前田 好美
    1964 年 38 巻 4 号 p. 198-201
    発行日: 1964年
    公開日: 2008/11/21
    ジャーナル フリー
    L-グルタミン酸生産菌Brev. lactofermentumNo. 2256のバクテリオファージP 61, P 114, P 401及びP 465について熱, pH,紫外線化学薬剤に対する安定性を比較した.その結果, pHに対してはP 61は酸性側で急速に失活するが, P 465はpH 5~8の範囲で全く安定であった.加熱に対してはP 61及びP 465が不安定で, P 114及びP 401は比較的安定であったが,いずれも60°, 30分でほとんど完全に失活した.紫外線照射に対してP 61は安定で他のファージと著しく異っていた.P 114及びP 401は一般的性質が類似している他,P 401抗血清によって中和されることから同種または近縁のファージであろうと推定される.
    HCHO, HgCl2 H2O2, Pb (CH3COO)2, ABACは遊離ファージを完全に失活させたが,工業的な殺ファージの方法としては,酸性側で加熱することが最も有利と考えられる.
  • 一之瀬 幸男, 神立 誠
    1964 年 38 巻 4 号 p. 202-206
    発行日: 1964年
    公開日: 2008/11/21
    ジャーナル フリー
    (1) 飼料中のSiO2を定量するため, J. A. McHardの比色法(有機珪素化合物中SiO2の工業分析法)を検討し,より簡便な一変法を考案し乾草の分析に十分適用できることを確認した.
    (2) この方法を用いて家兎の消化試験試料中のSiO2を定量し,これより消化率を求め,その結果を慣行法と比較し,またSiO2の出納をしらべた結果,飼料の種類によりSiO2の体内吸収の程度が異り,消化率測定用のindexとしてsilicaは用いられないことを認めた.
  • 野口 駿, 仁科 哲夫
    1964 年 38 巻 4 号 p. 207-212
    発行日: 1964年
    公開日: 2008/11/21
    ジャーナル フリー
  • 麹酸分解菌K-1の菌学的性状と分類
    野々村 誠一, 辰巳 忠次
    1964 年 38 巻 4 号 p. 213-215
    発行日: 1964年
    公開日: 2008/11/21
    ジャーナル フリー
  • 〓酸分解菌, Arthrobacter ureafaciens K-1菌による分解生成物, D-ガラクツロン酸, D-タガツロン酸
    野々村 誠一, 辰巳 忠次
    1964 年 38 巻 4 号 p. 216-221
    発行日: 1964年
    公開日: 2008/11/21
    ジャーナル フリー
  • 福井 俊郎, 二国 二郎
    1964 年 38 巻 4 号 p. 222-225
    発行日: 1964年
    公開日: 2008/11/21
    ジャーナル フリー
    VI粘度計を用いデンプンをのり化させる際に,のり化の過程にしたがってのり液の温度上昇に異常のあることを見出した.その異常はデンプンの種類によりかなり特異的であるが,一般には根茎デンプンと種実デンプンの二つの型に分けることができる.すなわち根茎デンプンでは粘度が上りはじめると同時に,温度上昇の一時的な停滞がみられるのに対し,種実デンプンではこの時期にはたいした変化がみられないで,むしろ粘度が最高点に達してから温度の一時的な停滞または下降がみられる.このような温度変化の異常はのり化に際し,デンプンの粒内の分子の集りがくずれるのに伴なう吸熱によるものと考え,今まで知られているデンプンののり化の際の諸性質の変化と合わせてのり化の様相を考察した.
  • 福井 俊郎, 二国 二郎
    1964 年 38 巻 4 号 p. 226-230
    発行日: 1964年
    公開日: 2008/11/21
    ジャーナル フリー
    サツマイモデンプンを用いて,水分含量,温度,時間を変えていわゆる湿熱処理を行い,処理デンプンの性質をVI粘度計による粘度図と温度図,およびX線回折計による回折図から調べ,次のような事実を明らかにした.
    (1) 処理時のデンプンの水分含量を一定にすると,処理デンプンの性質の変化は処理温度が高いほど,また時間が長いほどよく進む.
    (2) 温度と時間を一定にすると,変化はデンプンの水分含量に依存し,10%以下の水分ではかなり激しい条件でも変化がみられない.
    (3) 25%水分のデンプンを120°-30分処理すると, X線回折図にはじめてあきらかな変化がみとめられるが,のり化の際の粘度図と温度図にはこれよりもゆるやかな条件ですでに変化がみられる.またこれよりも激しい処理をすると,のり化の性質は順次変るが, X線回折図では工20°-720分まで処理しても120°-30分処理のもの以上の変化が認められない.
    (4) デンプンけんだく液を50°に5日間保つと粘度図にはほとんど変化がみられないが,温度図にははっきりとした変化がみとめられる.
    (5) 湿熱処理したサツマイモデンプンの粘度図,温度図, X線回折図はいずれも種実デンプンのものに近くなる.
  • p-オキシ安息香酸およびそのエステル,フタル酸エステルの分離と同定
    山本 淳, 大森 大陸
    1964 年 38 巻 4 号 p. 231-236
    発行日: 1964年
    公開日: 2008/11/21
    ジャーナル フリー
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