日本農芸化学会誌
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50 巻, 11 号
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  • 梶 明, 佐藤 優行, 小林 正博, 村尾 朋子
    1976 年 50 巻 11 号 p. 509-517
    発行日: 1976年
    公開日: 2008/11/21
    ジャーナル フリー
    1. ショ糖を炭素源とする液内培養において, C. rolfsii IFO 4878はグル灘アミラーゼをよく生産した. 28°Cで培養して,菌の生育は比較的遅く, saccharifying activityの最高値に達するには16日を要した.
    2.チアミンを添加するとき菌の生育を促進したが,酵素生産は著しく低下した.
    3.グルコアミラーゼが均一タンパク質に精製された.
    4.精製酵素はpH 2.0~9.0で安定で,とくに耐酸性が高い.酵素作用はpH 4.5, 40~60°Cで最高であり, Sn2+で強く阻害された.
    5.澱粉からマルトースまで種々の分子量のグルカンが分解され,分解限度は澱粉(91.1, 91.5%),可溶性澱粉(83.9%),リミットデキストリン(86.7%),アミロース(100%),マルトース(100%)であった.初めの3基質の分解率は,すでに報告された澱粉含有培地に生産されたグルコアミラーゼによる分解率よりも低い値であった.
    6.精製酵素はα-1, 6-グルコシド結合にも作用し,プルランをほとんど完全に分解した.
  • 小倉 長雄, 林 龍二, 荻島 太一, 阿部 雄幸, 中川 弘毅, 竹花 秀太郎
    1976 年 50 巻 11 号 p. 519-523
    発行日: 1976年
    公開日: 2008/11/21
    ジャーナル フリー
    Tomato fruits were harvested at mature green stage and stored at 4, 20, 33°C and room temperature. The ethylene production by these fruits during the storage was studied along with carbon dioxide production.
    At room temperature, a marked increase in ethylene production preceded the respiratory climacteric rise.
    At 33°C, respiratory rate declined progressively and ethylene production was greatly reduced during the storage. When the fruits were transferred to room temperature, ethylene production was recovered to a half level of production at room temperature.
    At 4°C, respiratory rate was repressed to low level and ethylene production was barely detectable during the storage. A large amount of carbon dioxide and a small quantity of ethylene were produced after the transfer to room temperature.
    Ethylene treatment (50 ppm) at 20°C, caused mature green fruit to ripe earlier and to cause the climacteric rise in respiration also more rapidly. At 4 and 33°C, however, changes in respiratoy rate and progress of ripening were not observed.
  • 山内 亮, 松下 雪郎
    1976 年 50 巻 11 号 p. 525-529
    発行日: 1976年
    公開日: 2008/11/21
    ジャーナル フリー
    大豆種子発芽時におけるToc同族体の量的変化と,子葉細胞内のTocの存在部位について調べた.発芽は,暗所と明所で行なった.
    発芽とともに,大豆幼植物の子葉部に含まれるToc同族体のうち, γおよびδ-Toc量は急激に減少した.これに対し, α-Toc量は暗所で発芽させたときにはほとんど変化せず,明所で発芽させたときには増加した.さらに,発芽前と発芽6日目の子葉部を細胞分画し,各Toc同族体の細胞内分布を調べると,発芽前には貯蔵脂質画分に局在していたTocが,発芽6日目では顆粒画分(クロロプラストあるいはミトコンドリア)にも認められた.この穎顆画分に含まれるTocは, α-とγ-Tocのみであり,その存在量は,暗所に比べ明所で発芽させた子葉細胞の方が多いことがわかった.
  • 山川 祥秀, 後藤 昭二, 横塚 勇
    1976 年 50 巻 11 号 p. 531-538
    発行日: 1976年
    公開日: 2008/11/21
    ジャーナル フリー
    供試菌Cladosporium cladosporioides No. 9は,培養時にアミノ酸からアルコールを生成し,また,そのアルコールの酢酸エステルを生成する.
    そこで,供試菌の洗浄菌体を用いて, L-leucineからのisoamyl alcoholとisoamyl acetateの生成条件,とくに, isoamyl acetateの生成条件について検討した.
    その結果, pH 4.0,反応時間6時間, Kd=12.6×10-7mol. O2/min・ml・atmが最適で, 4日間培養菌体が最も活性があり, L-leucine 1.57μmoles/mlからisoamyl alcohol 0.70μmoles/ml, isoamyl acetate 0.45,μmoles/mlが生成された.
    Isoamyl alcoholの生成条件とisoamyl acetateの生成条件には,ほとんど違いはなかった.
    また, L-leucine-U-14Cを用いて, 14Cの挙動を検討した.反応液中の14C放射能活性の分布は, CO2に33%,菌体中に16%,中性部成分に48%,酸性部成分に3%であった.中性部成分中の14C放射能活性は, isoamyl alcoholとisoamyl acetateに50%ずつ分布していた.しかし, isoamyl acetate中の14C放射能活性は,アルコール部のみに認められた.このことから,エステルの酸部はもともと菌体中に存在していたものと,反応中にグルコースから生成されるものとが考えられた.
    さらに, isoamyl alcoholの放射能比活性とisoamyl acetateのアルコール部の放射能比活性がほぼ一致することから, L-leucineから生成されたisoamyl alcoholが酢酸エステル化されてisoamyl acetateになるものと推察された.
  • 紅露 進, 谷村 和八郎
    1976 年 50 巻 11 号 p. 539-542
    発行日: 1976年
    公開日: 2008/11/21
    ジャーナル フリー
    (1)各分画とも,過ヨウ素酸の消費量とギ酸の生成量は約2:1の割合であった.
    (2)スミス分解生成物のグリセリンとグリコールアルデハイドの割合も,各分画ともほぼ1:1であった.
    (3)各分画の分解物中に,大部分のキシロースとアラビノースと,少量のガラクトースとグルーコース(F-4のみ)を検出した.
    (4)キシロース,アラビノースは,各分画ともC1-C2, C1-C3またはC1-C5で結合し, F-1, F-2, F-3におけるガラクトースとF-4におけるガラクトース,グルコースはC1-C6で相互に結合し, C3よりの分枝を分子内1~2個有すると推察した.
  • 大桃 定洋, 阿部 又三
    1976 年 50 巻 11 号 p. 543-546
    発行日: 1976年
    公開日: 2008/11/21
    ジャーナル フリー
    The authors have examined the structure of the prolyldiketopiperazine “B” which was previously(1) found in the sclerotia and saprophytic cultures of Elymus-type ergot fungus.
    From the physico- and spectro-chemical data, it was found that “B” must be constituted from D-proline and a new L-amino acid “X” which was presumed to be L-homoleucine.
    “X” was obtained in crystalline form from the acid hydrolyzate of “B”; C7H15NO2, mp 211_??_215°C (decomp.), [α]25D+25°(c=0.2, 6 N HCl). On the other hand, the authentic L-homoleucine was prepared by treating the synthetic 5-methyl-2-amino-hexanoic acid (D, L-homoleucine) of S. David and J. -C. Fisher(5) with D-amino acid oxidase (pig kidney, Miles Lab., Inc).
    It was found that “X” is identical in all respects with the authentic L-homoleucine, and by this finding, it was confirmed that “B” is nothing but a new compound, L-homoleucyl-D-proline-lactam.
    From the present result together with that obtained in previous experiment, (6) the structures of two peptide-type ergot alkaloids, “P1” (ergohexine) and “P2” (ergoheptine) could be proposed for the first time.
  • 杉浦 正昭, 新保 外志夫
    1976 年 50 巻 11 号 p. 547-553
    発行日: 1976年
    公開日: 2008/11/21
    ジャーナル フリー
    リン脂質の薄膜および溶液膜を,ミリポアフィルター内に形成させて,それらの膜電位を,種々の環状および擬環状のポリエーテル化合物をイオン透過担体として含む塩化カリウム-壇化ナトリウム混合溶液中において測定した.リン脂質として,ホスファチジルコリン(PC)およびジオレイルホスフェート(DOP)を用いた.
    得られた実験結果より,リン脂質膜のカリウムイオンの選択性に及ぼすこれらイオン透過担体の影響を検討した.脂質薄膜の透過比(PK/PNa)は,いずれの場合も2.1以下であり,そして,これは塩濃度の増加とともに低下した.一方,リン脂質とオレイルアルコールより成る溶液膜の透過比は, 1.4~27.3である.この場合, DOP膜のイオン選択性は, PC膜のそれより高い. DOPの溶液膜の選択性は,イオン透過担体のつぎのような順列に従って増大した:ジシクロヘキシル-18-クラウン-6>ジシクロヘキシル-24-クラウン-8>ジベンゾ-18-クラウン-6>QE>ジベンゾ-24-クラウン-8>18-クラウン-6>アミノポリエーテル222B>アミノポリエーテル222.この順列は,他の脂質膜においてもほぼ同様である.
  • 川端 晶子, 澤山 茂
    1976 年 50 巻 11 号 p. 555-562
    発行日: 1976年
    公開日: 2008/11/21
    ジャーナル フリー
    HMPゲルおよびLMPゲルの基礎的粘弾性を明らかにする目的で,圧縮型平行板粘弾性計を用いクリープ曲線を求め解析した結果,次のような結果を得た.
    1. 1.5~2.5%のHMPゲルおよび, 2ならびに2.5%のLMP ゲルは,いずれもフックの弾性体. 2組のフォークトの粘弾性体および,ニュートン粘性体の6要素模型で示すことができた.弾性率(E0,E1, E2)は, 104~106dyn/cm2,粘性率(η1, η2, ηN)は, 107~109 poiseであった.
    2.ペクチン濃度の増加に従い,いずれの弾性率,粘性率も漸増していた.また,温度上昇にともない,弾性率,粘性率の漸減が認められたが, LMPゲルでは, 30°C以上でゲルの弾性率および粘性率の低下が目立ち,ゲルの脆弱化が認められた.
    3.未処理ならびに精製HMPゲル,および精製LMPゲルのマスター・カーブが合成され,シフトファクターが求められた.すなわち, HMPゲルでは,11.0~49.0°Cの温度範囲で,精製LMPゲルでは, 5.5~24.5°Cの温度範囲で,温度,時間の換算則が成立つことが認められた.シフトファクターと絶対温度の関係から,みかけの活性化エネルギーを求めたところ,両者のHMPゲルは約30Kcal/mol.,精製LMPゲルは約65 Kcal/mol.であった.また,遅延スペクトルが求められ,未処理HMPゲルは, 2つの極大値をもつ山型分布を,精製HMPゲルおよび精製LMPゲルは,遅延時間の大きい方に極大値をもつ山型分布を示した.
  • 安本 教傳, 岩見 公和, 水澤 一, 満田 久輝
    1976 年 50 巻 11 号 p. 563-568
    発行日: 1976年
    公開日: 2008/11/21
    ジャーナル フリー
    レンチニン酸よりγ-グルタミルトランスフェラーゼの作用によってグルタミン酸残基を除去した新含硫アミノ酸(DGLA)を結晶状に単離し,本化合物があらかじめPALPとインキュベートすると最も親和性の高いシイタケC-Sリアーゼの作用を受けなくなることを見出した. DGLAはPALPと安定な複合体を形成して(結合定数, 1.2×105M-1), 330nmに極大吸収を示した. DGLAとインキュベートしたトリプトファナーゼやGOTは一部活性を失い,それらのアポ酵素もDGLA-PALP複合体の添加によって活性化されなかった.
  • 山内 亮, 松下 雪郎
    1976 年 50 巻 11 号 p. 569-570
    発行日: 1976年
    公開日: 2008/11/21
    ジャーナル フリー
    Tocopherol contents of vegetables and fruits were determined by gas liquid chromatography. α-Tocopherol was observed to be present in all green vegetables and fruits, especially green leaves contained a large amount of α-tocopherol. Non-green vegetables contained little amount of tocopherols. These observations indicate that green vegetables are also nutritionally an important source of vitamin _??_ E in addition to vegetable oils.
  • 八木 政広, 河野 辰彦, 青柳 良明, 村井 博
    1976 年 50 巻 11 号 p. 571-572
    発行日: 1976年
    公開日: 2008/11/21
    ジャーナル フリー
    An unidentified piperidine alkaloid named moranoline (mp 204_??_205°C, C6H13NO4) was isolated from Mori Cortex and intact Morus species. The structure of moranoline was determined as (2 R, 3 R, 4 R, 5 s)-2-hydroxymethyl-3, 4, 5-trihydroxypiperidine on the basis of its spectral data.
  • 瀬戸 治男
    1976 年 50 巻 11 号 p. R217-R223
    発行日: 1976年
    公開日: 2008/11/21
    ジャーナル フリー
  • 渡辺 乾二
    1976 年 50 巻 11 号 p. R225-R231
    発行日: 1976年
    公開日: 2008/11/21
    ジャーナル フリー
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