(1) ヒトの大便からペクチン酸分解能を有する
Clostridium butyricum-Clostridium beijerinckii groupを分離した.
(2) ペクチン酸を炭素源として,この細菌はpH7~8においてよく増殖し,また, 20~40°Cでよく増殖したが,歪適温度は37~40°Cであった.この細菌はpH 8.0において, 37°C, 3日間培養したとき,最も多くのペクチン酸分解酵素を培養液中に産生した.
(3) 培養液より得た粗酵素液は,ペクチン酸を分解して,まず二重結合を有するオリゴガラクチュロン酸類を生成し,次いで, 4, 5-不飽和ジガラクチュロン酸を最終代謝産物として生成した.したがって,この酵素は液化型のtranseliminaseである.その作用域は中性ないし弱アルカリ性であって,腸管内の条件でペクチン質を分解しうると考えられる.この茜は,この酵素によって生成される4, 5-不飽和ジガラクチュロン酸を炭素源として利用するものと推定した.
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