日本農芸化学会誌
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35 巻, 9 号
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  • 食品中の5'-リボヌクレオチドについて(その1) イオン交換クロマトグラフィーによる煮出し汁中の5'-リボヌクレオチドの定量
    中島 宣郎, 市川 恒平, 鎌田 政喜, 藤田 栄一郎
    1961 年 35 巻 9 号 p. 797-803
    発行日: 1961年
    公開日: 2008/11/21
    ジャーナル フリー
    (1) Dowex-1のギ酸型樹脂を使うイオン交換クロトグラフィーによって食品中の5'-リボヌクレオチドが定量できる,ただし2'-および3'-ヌクレオチドが共存すると定量が妨げられる.
    (3) 花かつお,煮干し煮出し汁に多量の5'-IMPが存在するが, 5'-GMPは存在しない.
    (3) 乾しいたけ煮出し汁中に5'-GMPが存在することが明らかにされ,乾しいたけの美味に関与していることが推定される.
  • 食品中の5'-リボヌクレオチドについて(その2) 魚貝肉および食肉中の5'-リボヌクレオチド
    中島 宣郎, 市川 恒平, 鎌田 政喜, 藤田 栄一郎
    1961 年 35 巻 9 号 p. 803-808
    発行日: 1961年
    公開日: 2008/11/21
    ジャーナル フリー
    魚貝肉および食肉中の5'-りボヌクレオチドを過塩素酸で抽出し,イオン交換クロマトグラフィーで分離定量した.魚肉,食肉は5'-IMPを含む特有のヌクレオチド・パターンをもち,水産無脊椎動物はアデノシン系のヌクレオチドの多いパターンを,魚の血合肉および牛の肝臓(市販品)はヌクレオチドをほとんど含まない一つのパターンを示すことを明らかにした.これらの中には5'-GMPは微量しか認められない.
  • 罹病馬鈴薯の生化学的変化 (1)
    永田 幸雄, 林 金雄
    1961 年 35 巻 9 号 p. 809-813
    発行日: 1961年
    公開日: 2008/11/21
    ジャーナル フリー
  • Gentiobioseおよびallolactoseのβ-1, 6結合のα-1, 6結合への転換
    唐沢 郁夫, 尾西 玲子
    1961 年 35 巻 9 号 p. 813-816
    発行日: 1961年
    公開日: 2008/11/21
    ジャーナル フリー
  • 唐沢 郁夫, 尾西 玲子
    1961 年 35 巻 9 号 p. 817-819
    発行日: 1961年
    公開日: 2008/11/21
    ジャーナル フリー
  • 高沸点カルボニル化合物の分離,同定
    山本 淳
    1961 年 35 巻 9 号 p. 819-823
    発行日: 1961年
    公開日: 2008/11/21
    ジャーナル フリー
  • p-オキシ桂皮酸の分離,同定
    山本 淳
    1961 年 35 巻 9 号 p. 824-826
    発行日: 1961年
    公開日: 2008/11/21
    ジャーナル フリー
  • ポリフェノール,オキシダーゼ,アスコルビン酸及びアミノ酸の添加によるデンプン白度の変化
    山村 頴, 河野 利治
    1961 年 35 巻 9 号 p. 826-831
    発行日: 1961年
    公開日: 2008/11/21
    ジャーナル フリー
    甘藷或いはデンプンにボリフェノール(クロロゲン酸),オキシダーゼその他の物質を種々の量に加えて反応させてデンプンを調製し,渋水着色度とデンプン白度を測定した.その結果
    (1) ポリフェノールの増加によって渋水の色はコーヒー色を帯び濃厚となり,デンプンの白度は著しく低下した.
    (2) オキシダーゼの増加は渋水の着色度を増し,デンプンの白度を低下する傾向があるが,この色素は水洗で除き易く,甘藷に含まれているオキシダーゼ活性の範囲内では殆んどデンプン白度は左右されない.
    (3) グルタミン酸,アスパラギン酸及びアスパラギンはデンプンの着色を高めるが,ポリフェノールに比べればかなり小さい,この際は特に渋水は赤味を星し,デンプンも赤系の白度に仕上る特徴がある.
    (4) アスコルビン酸は実験条件下ではデンプンの白度向上に殆んど効果がなかった.
  • C7O12H5の単離とその構造(その1)
    浅尾 保夫, 横塚 保
    1961 年 35 巻 9 号 p. 831-837
    発行日: 1961年
    公開日: 2008/11/21
    ジャーナル フリー
    生醤油クロロホルム抽出物の弱酸性区分より,従来未知のC7H12O5なる分子式を有する物質を結晶状に分離し,その構造決定のために過沃素酸酸化,クロム酸酸化,アルカリ加水分解等による開裂反応を行って検討し,反応生成物としてそれぞれピルビン酸とα-ケトらく酸,酢酸とプロピオン酸,乳酸とα-オキシらく酸等を確認し,その結果から推定される構造式を提示した.
  • C7H12O5の構造(その2) 並びに醤油中のα-ジケトン化合物(その1)
    横塚 保, 浅尾 保夫
    1961 年 35 巻 9 号 p. 837-845
    発行日: 1961年
    公開日: 2008/11/21
    ジャーナル フリー
    (1) C7H12O5を稀硫酸で加熱すると1モルの炭酸ガス,ほぼ1モルのα-オキシらく酸及び酢酸,さらに好収量のアセチルブチジルを生成する.この結果からC7H12O5の構造式を前報で推定可能としたものの中から第9図中I式だけが可能であると結論した.
    (2) C7H12O5の香気は,それ本来の強い薬味香の他にさらにそれが容易に分解して生ずるアセチルブチリル及びα-ケトらく酸の強い香気の綜合である.
    (3) 醤油加熱に際しジアセチルの他にアセチルブチリルの生成が認められ,さらに同系列のα-ジケト化合物の存在が推定される.アセチルブチリルはジアセチルと全く異る食品香料としての効果を示し,醤油,合成酒その他に対する添加適量は原液1に対し10-6~10-8程度である.
    (4) 醤油の酸溜分を分劃しα-ケトらく酸の存在を確認し,さらにそれはC7H12O5を添加した醤油を加熱するとその分解で増加することを認めた.しかし醤油中のα-ケトらく酸の成因についてはC7H12O5物質の分解の他に多くの経路が考えられる.
    (5) 4C~8Cのα-ジケトン類とグリオキザール類を合成し,それらの食品添加香料としての価値, 2, 4-DNPの融点,紫外吸収,赤外吸収,呈色反応等を検討した.
    (6) アセチルブチリルは従来醤油成分としてケトンアルデヒド化合物と推定された多くのCnH2n-2O2或いはCnH2n-4O2なる分子式を有する物質に近似する点が多い.就中小玉が古く報告し3種の不飽和ケトンアルデヒドの構造式のいずれかであると推定した物質に多くの点で一致し,また中島等が分離しCH3COC(CH3)=CHCHOと推定した物質はアセチルブチリルとアセチルプロピオニルの両者に近似した点を有している.
  • 小町谷 吉興
    1961 年 35 巻 9 号 p. 845-848
    発行日: 1961年
    公開日: 2008/11/21
    ジャーナル フリー
  • 桑葉よりβ-シトステリンの単離
    内藤 謙一, 浜村 保次
    1961 年 35 巻 9 号 p. 848-850
    発行日: 1961年
    公開日: 2008/11/21
    ジャーナル フリー
  • 深見 悌一
    1961 年 35 巻 9 号 p. 850-855
    発行日: 1961年
    公開日: 2008/11/21
    ジャーナル フリー
    (1) Aspergitlus属のピリミジン要求変異株3株についてその要求する物質の種類が調べられたが,これらはいずれも岡様な要求性を示した.
    (2) その内の一株Asp. nidulans P-S-2につきその要求物質である各ピリミジン類に対する生育曲線と濃度対応曲線を求めた.これらを概観すればpyrimidine ribonucleoside及びribonucleotideのuridine, cytidine,uridylic acid, cytidylic acidによる生育が最も良好であり,以下deoxycytldine, deoxycytidylic acid, uracil, cytosine, orotic acid, deoxyuridineの順の生育度を示した.
    (3) Asp. nidulans P-S-2のこれら各物質による最大生育量と原株Asp. nidulans Pの最大生育量との比較がなされたが,変異株の最大生育量は原株の最大生育量の2/3にとどまった.
    (4) Asp. nidulans P-S-2のピリミジンによる生育が培地中に共存するプリン類や他の種類のピリミジン類によって生育促進或いは阻害を受けることがあることを塩基及びヌクレオシドのレペルで調べ,あわせてこの変異株P-S-2を用いてのピリミジン類の微生物定量の可能性を考察した.
  • L-グルタミン酸発酵からコハク酸発酵への発酵転換の機作について(その1)
    大石 邦夫, 相田 浩, 朝井 勇宣
    1961 年 35 巻 9 号 p. 855-861
    発行日: 1961年
    公開日: 2008/11/21
    ジャーナル フリー
    (1) L-グルタミン酸生産菌Brevibacterium divaricatum nov. sp. S-1627は培地中のビオチン濃度を高め,または通気量を減少させることによって, L-グルタミン酸発酵からコハク酸発酵へ発酵転換を行う.
    (2) コハク酸生成条件下では同時に多量の乳酸が生成される.この両者は互いに他のものが生成される際の中間生成物とは考えがたい.
    (3) 本菌は酢酸,乳酸,グルコースをきわめてよく酸化するが,リンゴ酸,フマル酸,コハク酸等のTCAサイクルのC4ジカルボン酸の酸化は弱い.しかしながらビオチン過剰の培地に生育した菌体は,これらのC4ジカルボン酸の酸化能が高まっている.
    (4) 本菌は一般に各種有機酸から好気的にはα-ケトグルタル酸を生成し,コハク酸を生成しない,また嫌気的にはコハク酸を生成し, α-ケトグルタル酸を生成しない.しかしながらフマル酸,リンゴ酸からは好気的,嫌気的の区別なくコハク酸が生成される.
    (5) トレーサー実験の結果では嫌気的にはほぼ1:1,好気的にもそれに近い割合で炭酸ガスがコハク酸に固定される.
    (6) 以上の結果から本菌によるコハク酸生成の主経路はフマル酸の還元による経路であると認められる.
  • Corynebacterium gelatinosum No. 7183におけるDL-アラニンの発酵機作
    北井 淳夫, 刀根 弘, 佐々木 浩, 宮地 昇, 山野井 昭雄
    1961 年 35 巻 9 号 p. 862-867
    発行日: 1961年
    公開日: 2008/11/21
    ジャーナル フリー
    (1) Corynebacterium gelatinosum No. 7183菌のDL-アラニン生成機構について研究を行い,発酵初期のピルビン酸, α-ケトグルタール酸の蓄積とともに,本菌の強力なトランスアミナーゼとL-グルタミン酸脱水素酵素の共範的作用により多量のL-アラニンを生成することを明らかにした.
    (2) 生成したL-アラニンはアラニンラセマーゼにより直ちにD-型に変換され,平衡に至りラセミアラニンとなる.トランスアミナーゼはDL-変換には無関係である.
    (3) アラニンラセマーゼはcofactorとしてPALPを要求し,至適pH 8.0,耐熱性は70°, 30分で100%失活する.またアラニンに特異的であると考えられる.
    (4) アラニンラセマーゼは構成酵素である.
    (5) 本菌のDL-アラニン蓄積はL-グルタミン酸,ピルピン酸, DL-アラニンの4者の相互関係について論ずべきことを考察した.
  • 野口 正雄, 小籠 孝子, 玉置 英之助
    1961 年 35 巻 9 号 p. 868-870
    発行日: 1961年
    公開日: 2008/11/21
    ジャーナル フリー
    鉄管乾燥黄色種葉たばこを80%メタノールで抽出して得た有機酸をイオン交換クロマドグラフィーで分別し400gの葉たばこから約10mgのシキミ酸と約700mgのキナ酸を結晶として分離確認した.
  • 菌の分離と分解能
    堀内 信生
    1961 年 35 巻 9 号 p. 870-873
    発行日: 1961年
    公開日: 2008/11/21
    ジャーナル フリー
  • クロム処理コラーゲンに対する植物タンニンの結合機構
    岡村 浩
    1961 年 35 巻 9 号 p. 874-877
    発行日: 1961年
    公開日: 2008/11/21
    ジャーナル フリー
  • 吸着カルボニル化合物の酸による溶出反応
    並木 和子, 江本 栄
    1961 年 35 巻 9 号 p. 878-882
    発行日: 1961年
    公開日: 2008/11/21
    ジャーナル フリー
    C. P.樹脂はカルボニル化合物を吸着してヒドラゾーン型となっているものと考えられるが,これを加水分解することによってまた元のカルボニル化合物を容易に溶出することができる.このカルボニル溶出反応の速度及び加水分解量に及ぼすいくつかの条件について検討を行った結果について簡単に要約する.
    (1) 酸の種類の影響は少く,塩酸,硫酸,燐酸を用いての反応の結果では,塩酸が僅かによく,硫酸,燐酸では反応速度に差異がみられなかった.
    (2) このカルボニル溶出反応は酸接触加水分解反応であって,使用する酸の濃度および反応温度には著しく影響されるが,一定濃度であれば酸の液量は加水分解後の溶液中のカルボニルが20mg/ml以上にならないときは影響がないが,非常に酸の液量が少くて加水分解液中のカルボニル濃度が高まると加水分解量の減少がみられた.
    (3) C. P.樹脂に吸着されたアセトンおよびグルコースの酸接触加水分解による溶出の速度はほぼ一次反応式を満足することが認められた.
    (4) 予め吸着しているカルボニル化合物の種類による加水分解速度の違いは,分子容の異るグルコースとアセトンとの比較において吸着反応の際よりは少いがやはり低分子量のアセトンがわずかに有利であった.
    (5) 供試樹脂の多孔性はカルボニル溶出速度を早めることが認められた.
  • β-オキシアミノ酸とホルムアルデヒドの誘導体
    江本 栄, 安藤 誠
    1961 年 35 巻 9 号 p. 882-887
    発行日: 1961年
    公開日: 2008/11/21
    ジャーナル フリー
  • 津郷 友吉, 山内 邦男, 吉野 梅夫
    1961 年 35 巻 9 号 p. 888-892
    発行日: 1961年
    公開日: 2008/11/21
    ジャーナル フリー
    リシン-乳糖混合溶液,カゼイン-乳糖混合溶液及び脱脂乳について各種加熱条件によるリシンの不活性化を測定した.その結果リシンの不活性化は80°, 10分以下の加熱では殆んど認められないが, 100°, 30分以上では10~20%の不活性化が認められた. 120°, 30分以上では純粋のカゼイン溶液及び透析乳でもかなりリシン不活性化が起るが,いずれの温度でも乳糖が共存すると不活性化が顕著であった.
    次に酵素消化試験法及びDNP法により各種練粉乳中のリシン有効比を比較した.調製粉乳のリシン有効比は未加熱乳を100とすると両法ともに80~100の範囲であった.また貯蔵中におけるその変化は認められなかった. DNP法による有効性リシン含量は市乳,全脂及び加粉乳では未加熱乳よりやや高い値を示し,無糖練乳ではやや低い値を示した.
  • シリカゲルクロマトグラフィーによるクエン酸サイクル中の有機酸の定量
    藤江 奏
    1961 年 35 巻 9 号 p. 892-895
    発行日: 1961年
    公開日: 2008/11/21
    ジャーナル フリー
    (1) 弗素とクエン酸サイクル中の酵素系との関連を解明するに先立ち組織中の有機酸の定量法を確立するためシリカゲルクロマトグラフィーによる検討を行なった.
    (2) 展開剤としてイソアミルアルコール・クロロホルム混液を用いてクロマトグラフィーを行なった結果,酢酸,ピルビン酸,フマール酸,乳酸,コハク酸,蓚酸,リンゴ酸,クエン酸の分離定量が可能であり,回收率は88.7~107.7%の範囲で良好な結果が得られた.
    (3) 本法を用いてシロネズミ,家兎の組織中有機酸の分離定量を行なった結果,回収率88.7~117.5%の範囲でほぼ満足な結果が得られた.
    (4) シロネズミ,家兎の肝臓,腎臓,脳髄,筋肉の中では脳髄に最も多量の有機酸が存在していた.また全体を通じて乳酸含量が最も多く,フマール酸がこれにつぎ多かった.筋肉には極めて微量であった.
  • ビスコース繊維の強度に対するビスコースの流動性の重要性について (1)
    高橋 昭之介, 藤岡 靖雄, 福田 祐作
    1961 年 35 巻 9 号 p. 896-901
    発行日: 1961年
    公開日: 2008/11/21
    ジャーナル フリー
  • ビスコース繊維の強度に対するビスコースの流動性の重要性について (2)
    高橋 昭之介, 藤岡 靖雄, 福田 祐作
    1961 年 35 巻 9 号 p. 901-904
    発行日: 1961年
    公開日: 2008/11/21
    ジャーナル フリー
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