日本農芸化学会誌
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53 巻, 2 号
選択された号の論文の8件中1~8を表示しています
  • 井上 恒則, 末光 力作
    1979 年 53 巻 2 号 p. 45-50
    発行日: 1979年
    公開日: 2008/11/21
    ジャーナル フリー
    著者らは常呂川流域にあるイトムカ沼の底質より水銀化合物を抽出し,さらにゲル濾過をくりかえして分離精製した,得られた物質(MP)についてTLC,濾紙電気泳動で物質の単一性を確認した.つぎにMPについてUVスペクトル, IRスペクトル,元素分析,およびMP中の金属の性質などについて検討した結果, MPは水銀および鉄を含むペプチドであろうと推定された.分子量の測定およびアミノ酸の分析を行った結果, MPは分子量が約10万のペプチドで水銀は錯結合していると思われた.従来,有機水銀化合物としてはメチル水銀化合物が報告されているが,新たに水銀を錯結合したペプチドが抽出されたことは興味ある知見と考える.
    なお,この研究を行うに当たり同志社大学工学部工業化学科の金銅万知,田中進両君のご協力をいただいたことに対し深謝の意を表するしだいである(1975年2月19日,水質汚濁シンポジウムで内容の一部を発表した).
  • 梅原 龍海, 寺尾 純二, 松下 雪郎
    1979 年 53 巻 2 号 p. 51-56
    発行日: 1979年
    公開日: 2008/11/21
    ジャーナル フリー
    (1) 食品衛生法で食品に使用許可されている食用タール色素11種と使用禁止のタール色素14種について,リノール酸メチルの光増感酸化反応を検討した結果, erythrosine, phloxine, rose bengale, eosineに増感作用があることを確認した.
    (2) 食用天然色素製剤20種についても,タール色素と同様に検討した結果, 2種の色素製剤に増感作用があることを確認し,これらはいずれもクロロフィル製剤であった
    (3) クロロフィルの濃度が高くなるに従って,精製サフラワー油の光増感酸化反応が促進され,カロチンの濃度が高くなるに従って抑制が増加した.また,食品衛生法で規定されている範囲のBHTの濃度では抑制の効果は期待できなかった.
  • 亀岡 弘, 貴志 秀人
    1979 年 53 巻 2 号 p. 57-60
    発行日: 1979年
    公開日: 2008/11/21
    ジャーナル フリー
    ヒシ(Traps natans L. var. bispinosa M.)を水蒸気蒸留し,収油率0.003%で精油を得た.得られた精抽は,化学的処理,カラムクロマトグラフィー, GLC分取などを行い各成分を単離し, MS, IR, NMR, GLCなどによって検討し確認した結果,酢酸ヘキシル,酢酸ベンジル,酢酸デシル,酢酸ドデシル,酢酸-β-フェニルエチル,酢酸テトラデシル,シス-3-ヘキセン-1-オール,ドデカノール, C16H34~C27H56の直鎖アルカン,オイゲノール,イソオイゲノール, C10~C18の脂肪酸の存在を認めた.
  • 川端 晶子, 澤山 茂, 鎌田 俊雄
    1979 年 53 巻 2 号 p. 61-67
    発行日: 1979年
    公開日: 2008/11/21
    ジャーナル フリー
    ペクチンのゲル化機構解明の手がかりとして,カルシウムイオンによるアンモニア鹸化法によって調製された低メトキシルペクチンの会合機構を,臨界濃度前後の濃度において光散乱1濃度近似法を用い,分子量および分子の広がりの変化から検討し,以下のような結果を得た.
    (1) 低メトキシルペクチン-0.1M NaCl溶液にCa2+を添加すると,分子内および分子間架橋がおこり,分子量や分子の広がりの変化がおこる.また,時間の経過とともに分子内および分子間の架橋は進行する.
    (2) 分子内および分子間架橋による分子量や分子の広がりの変化は,ペクチン濃度や添加Ca2+濃度に依存し,ペクチン分子が溶液中で最密充てんされると考えられる臨界濃度以上と以下では異なった挙動を示す.
    (3) 臨界濃度以上では,ペクチン濃度およびCa2+濃度が高ければ高いほど分子間架橋は進み,分子量は増大し,架橋粒子の広がりは分子内および分子間架橋結合により原試料分子よりも次第に縮小していく.
    (4) 臨界濃度以下では,分子間架橋による分子量の増加がわずかにおこり,時間の経過とともに分子間架橋が進行して分子は次第に棒状に伸び広がっていく.臨界濃度の1/5ぐらいの希薄溶液になると,分子間架橋による分子量の増加はほとんどみられず,分子内架橋によって分子は縮小する.
  • 高橋 智子, 星野 弘美, 大屋 正尚
    1979 年 53 巻 2 号 p. 69-72
    発行日: 1979年
    公開日: 2008/11/21
    ジャーナル フリー
    Cyclodipeptides, diketopiperazine, consisting different amino acids were synthesized by the reac-tion of α-amino acid benzylester p-toluenesulfonates with N-carboxy-α-amino acid anhydrides, except glycine N-carboxy anhydride, where both compounds were stirred, or allowed to stand, at room temperature or at low temperature for about one week or longer. This method was applicable to synthesis of cyclodipeptides with functional side chains.
  • 宮沢 三雄, 池田 開, 亀岡 弘
    1979 年 53 巻 2 号 p. 73-76
    発行日: 1979年
    公開日: 2008/11/21
    ジャーナル フリー
    The constituents of the essential oils of Oenothera grandiflora L'HÉR. ex AIT. and O.erythrosepala BORBAS have been studied. The essential oils were obtained by steam distillation of the herb parts.
    Each essential oil as separated into individual components by a combination of chemical method and elution chromatography or preparative gas chromatography. These components were identified from their infrared spectrum, mass spectrum, nuclear magnetic resonance spectrum.
    As a result, seventy-nine compounds were identified as the constituents of these oils: α pinene, camphene, β-pinene, β-myrcene, limonene, iso-amyl alcohol, n-amyl alcohol, n-hexanol, cis-3-hexen-1-ol, n-nonyl aldehyde, 1-octen-3-ol, n-heptanol, trans-linalool oxide, furfural, cis-linalool oxide, benzaldehyde, furfuryl acetate, linalool, n-octanol, linalyl acetate, furfuryl alcohol, β-caryophyllene, α-terpineol, benzyl acetate, α-terpinyl acetate, γ-muurollene, benzyl alcohol, δ-cadinene, γ-cadinene, calamenene, β-phenyl ethyl alcohol, n-C10_??_C38 aliphatic hydrocarbons, n-C4_??_C18 aliphatic fatty acids, 2-furan carboxylic acid, benzoic acid, oleic acid, linoleic acid, phenol, o-cresol, p-cresol, thymol, eugenol.
    The major component of each essential oil was furan derivative.
  • II. アウトライン,標題, Authorshib, 抄録および序論
    ヒビ サトシ
    1979 年 53 巻 2 号 p. L7-L13
    発行日: 1979年
    公開日: 2008/11/21
    ジャーナル フリー
    抄録は,論文標題と直接関連してえられた知見の要点について述べるべきである.抄録というものは, Biological AbstractsあるいはChemical Abstractsのような抄録を記載する定期刊行誌で読まれることが多い.それゆえ,抄録を読めば,本文を読まなくても内容がわかる程度に要領よく,理解しやすい文章にしなければならない. Agric. Biol. Chem.の抄録はinformative type(情報を伝えるもの)で, descriptive type(情報を伝るというよりも,むしろ単に記述的なもの)のものでないほうがよい.抄録の中では研究目的を含んでいなければならない,もし,研究目的が明瞭でないような内容である場合には,その研究に用いられた特有の方法・質的および量的の実験結果およびそれらのもつ意義を述べるべきである.また,情報に乏しいあいまいな記述的記載は省くべきである.たとえば“The findings are discussed”とか“Further research is necessary”としうような記述は省いた方がよい.
    その外にも避けたほうがよいことがある.他の研究者によってなされた類似の研究について述べる必要はない.最初の行で標題をくりかえすべきではない.というのは,抄録は常に標題と一緒に読まれるものだからである.表や図は用いない.抄録を掲載する定期刊行誌は表や図は印刷してくれない.引用文献,脚註や説明のない略字などもいれてはならない.抄録の内容は本文を如実に反映しているものでなければならないし,本文で述べられていないことがらを記述してはならないし,また,本文中でのspeculation(観察ないし実験事実に基づいた独自の推論)が抄録で結論として述べられてはならない.総括は本文を読み終ってから読まれるのが普通であるからこの部分では,本文や図式上の実験結果あるいは文献に言及してもよい.
  • N. Y.
    1979 年 53 巻 2 号 p. N13-N15
    発行日: 1979年
    公開日: 2008/11/21
    ジャーナル フリー
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