日本農芸化学会誌
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39 巻, 7 号
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  • 炭水化物の生成ならびに代謝に関する研究(第22報)
    伊藤 達郎
    1965 年 39 巻 7 号 p. 243-246
    発行日: 1965年
    公開日: 2008/11/21
    ジャーナル フリー
    フォルムアルデヒドのアルドール縮合による糖の生成について検討し,つぎの結果を得た.
    (1)フォルムアルデヒドの濃度を高めるにしたがって反応初期のlag phaseが延長される.その後比較的速やかに還元糖およびケトース量は増加してピークに達し,ついで減少して平衡状態となる.
    (2)反応中間生成物として分離された糖は未確認であるが, TLCの結果からグリセローズ,ジヒドロキシアセトン,アラビノース,フルクトース,ソルボース,グルコース,ガラクトース,サッカロースではない.
    (3)反応の最終生成物としてTLCによって検出された糖はフルクトースのみであり,したがってこれが主なる最終生成糖と考えられる.
  • サッカロ型ブタノール・リッチ生産菌Clostridium saccharoperbutylacetonicumの工業的使用試験
    本江 元吉, 原田 良造, 赤星 恭助, 長田 健, 高橋 節男
    1965 年 39 巻 7 号 p. 247-251
    発行日: 1965年
    公開日: 2008/11/21
    ジャーナル フリー
  • サッカロ型ブタノール・リッチ生産菌Clostridium saccharoperbutylacetonicumの工業的使用での異常発酵
    本江 元吉, 村田 晃, 原田 良造, 赤星 恭助, 長田 健, 高橋 節男
    1965 年 39 巻 7 号 p. 252-256
    発行日: 1965年
    公開日: 2008/11/21
    ジャーナル フリー
  • DL-フェニルアラニン-3-C14注射後,非標識チロシン投与下の白ネズミのフェニルアラニン及びチロシンの比放射能-時間曲線について
    船引 竜平, 神立 誠
    1965 年 39 巻 7 号 p. 257-261
    発行日: 1965年
    公開日: 2008/11/21
    ジャーナル フリー
    (1)白ネズミにDL-フェニルアラニン-3-C14を注射後,ラベルの再利用をおさえる目的で, 10日目より非標識L-チロシンを飼料に添加し,注射後1日目から45日目にかけて5日間隔で後肢筋肉よリアクチンを調製し,そのフェニルアラニンとチロシンの比放射能を測定した.
    (2)アクチンのフェニルアラニンとチロシンの比放射能-時間曲線の形は異なり,チロシンはフェニルアラニンよりおくれてピークに達した.両曲線とも不連続的変化はみられずアクチンがlife spanを持つことを示す積極的結果は得られなかった.
    (3)標識アミノ酸の再利用に関する非標識チロシン投与の効果はみられず,食餌アミノ酸と自由に混ずるアクチンの前駆体アミノ酸プールは存在しないことと推定された.
  • ゲルの物理的性質(触感)を測定する方法について
    青木 宏
    1965 年 39 巻 7 号 p. 262-269
    発行日: 1965年
    公開日: 2008/11/21
    ジャーナル フリー
    比較的高い濃度(15%以上)における大豆蛋白質のゲル形成状態を比較,測定する方法につき検討し,次の結果をえた.
    (1) Penetrometerにより大豆蛋白質ゲルの強度を測定する場合,測定値の標準偏差は平均値の8%以下で,この種の測定値としてはほぼ満足すべき精度を示した.
    (2)大豆蛋白質ゲルの強さに関して, penetrometerによる測定値順位と官能試験による順位との関係を検討した結果,試料群の性質により両者の関係は変化することをみとめた.たとえば,質的に傾向のよく似た試料間においては,前者の測定値は官能試験による評価をよく代表するが,質の異る試料間の比較においては必ずしもこの関係は成立せず,試料の傾向によって種々な関係がみとめられた.
    (3)加圧法により大豆蛋白質ゲルの保水力を測定する場合の条件につき検討した.その結果, 50kg/cm2の圧力で60秒間加圧することが望ましく,その条件の測定精度は標準偏差が平均値の3.5%以下であった.
    (4)大豆蛋白質ゲルの強さに関して,保水力の測定値順位と官能試験による順位との関係を検討した結果,保水力のきわめて高い試料を除いて,大体両者の間に正の相関関係があることをみとめた.
    (5)大豆蛋白質ゲルの強さ,あるいは食品的な意味での物理的性質(触感)を比較するには, 1種類の物理的測定値にのみ頼ることは危険である.少なくとも試料群の性質に応じた2種類以上の物理的測定値を官能試験と組合せることが,広い範囲の試料を客観的に測定,評価する最良の方法である.
  • ゲル形成に影響をおよぼす二,三の基本的因子について
    青木 宏
    1965 年 39 巻 7 号 p. 270-276
    発行日: 1965年
    公開日: 2008/11/21
    ジャーナル フリー
    比較的高濃度(15%以上)における大豆蛋白質のゲル形成に影響を与える二,三の基本的因子について検討し,次の結果を得た.
    (1)大豆蛋白質のゲル形成は,一般に蛋白質を加熱するときの条件,すなわち,加熱温度,加熱速度,加熱時間などにより支配される.また,ゲル形成のために必要な最低加熱温度は,蛋白質ペーストのpHにより変化し, pHの増加に従って低下する.
    (2)大豆蛋白質のゲル形成は,蛋白質濃度により影響され,一般に蛋白質濃度が増加するにつれてゲルの強さは増加する.
    (3)大豆蛋白質のゲル形成は共存する食塩濃度によって影響され, 0.7 N付近の濃度において最もつよいゲル形成がおこる.
    (4)大豆蛋白質のゲル形成は, pHによって影響され, pH約6.5以上でのみ強いゲルが形成される.
    (5)大豆蛋白質のゲル形成は原料脱脂大豆蛋白質の変性度によって影響され, NSI〓50のものの方がNSI〓80のものよりもゲル形成に関して有利な状態にある.
  • アルカリ塩の影響について
    青木 宏
    1965 年 39 巻 7 号 p. 277-285
    発行日: 1965年
    公開日: 2008/11/21
    ジャーナル フリー
    比較的高濃度(15%以上)における大豆蛋白質ペーストやゲルの保水力,ゲル形成状態が各種イオンによって影響される状況を,種々のアルカリ塩を用いて検討した結果,次のことが明かとなった.
    (1)一般にアニオンの方がカチオンよりも大豆蛋白質ペーストおよびゲルの保水力,さらにゲル形成に強い影響を与える.
    (2) アニオンによる大豆蛋白質ペーストおよびゲルの保水力促進効果は, 0.3~2.0 Nの濃度範囲において, Cl- <Br- <NO3-<I-<SCN-の順に大きくなる. 0.05 N以下の濃度でははっきりした傾向を示さない.
    (3)アニオンが大豆蛋白質のゲル形成に与える効果も保水力の場合と同じ傾向を示し, 0.3~2.0 Nの濃度範囲においてCl- < Br- < NO3- <I- < SCN-の順にゲルの強さは増加する.
    (4)カチオンが大豆蛋白質ペーストおよびゲルの保水力,さらにゲルの強さに与える効果は, K+ < Na+ < Li+の順に大きくなる.
    以上のことから,保水力の高い蛋白質ペーストほど,強いゲルを形成する.いいかえれば,ペーストを構成する蛋白粒子の保水力は,ゲルの形成状態を左右する一つの要因であることを考察した.
  • 佐藤 民雄, 神立 誠
    1965 年 39 巻 7 号 p. 286-289
    発行日: 1965年
    公開日: 2008/11/21
    ジャーナル フリー
    (1)窒素出納試験用白鼠代謝籠を試作し,その性能を従来の代謝籠と比較検討した.
    (2)改良した型は糞尿が給飼箱に混入することもなく,また糞尿をより完全に分離採取でき,出納試験の精度を高めることができる.
    (3)代謝籠各部が分離洗滌し易いので迅速に操作できる.
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