日本農芸化学会誌
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34 巻, 10 号
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  • 牛肉の蛋白波に及ぼすγ線照射の影響
    小原 哲二郎, 小笠原 八十吉
    1960 年 34 巻 10 号 p. 795-800
    発行日: 1960年
    公開日: 2008/11/21
    ジャーナル フリー
    (1) ポリセロで真空包装したγ線照射牛肉の20°貯蔵過程に於ける水及び食塩水抽出液蛋白波に関する実験を行ない,それら蛋白波の波高,波形並びにcrossing pointに及ぼすγ線照射の影響について比較検討した.
    (2) γ線照射直後の照射牛肉の水及び食塩水抽出液蛋白波の波高,波形並びにcrossing pointは,いずれの照射量の場合にも非照射肉のそれらにほぼ近似しており,著るしい変化は認められなかった.
    (3) 20°貯蔵過程に於ける照射牛肉抽出液蛋白波の波形及びcrossing pointは,照射量の相違により,貯蔵の進むにつれて特徴ある変化を示し,第1波の波高よりも第2波のそれが著るしく高くなった.かかる変化の進むにつれて,その際のcrossing pointは認められぬようになった.これらの結果は,水抽出液蛋白質の特性の著るしい変化を示している.
    (4) 20°貯蔵過程に於ける照射牛肉食塩水抽出液蛋白波は,いずれの照射量に於いても,著るしい波形の変化を示さなかった.その際のcrossing pointは常に認められ,その位置は照射量の相違により,貯蔵の進むにつれて特徴ある変化を示した.これらの結果は,食塩水抽出液蛋白質の特性のゆるやかな変化を示している.
  • 大豆油から単離したトコフェロール,カロチノイド,シトステロールの戻色性の検討
    原田 一郎, 更谷 豊, 石川 雅夫
    1960 年 34 巻 10 号 p. 800-807
    発行日: 1960年
    公開日: 2008/11/21
    ジャーナル フリー
    大豆油から単離した粗トコフェロール,粗カロチノイド,シトステロールの各々の戻色性とそれに及ぼす金属類の効果を検討し次の結果を得た.
    (1) シトステロールとカロチノイドは戻色の直接の基質ではない.
    (2) 大豆油トコフェロールの主成分であるγ-トコフェロールは明らかに戻色の基質となり得る.
    (3) トコフェロールに基づく戻色は金属イオンの存在で促進され,その活性の順位はCu¨>Na'>Fe>Fe¨≥Cr>Al>Ni¨>Co¨で,金属の塩化物は硫酸塩よりも活性が大である.
    (4) 戻色最高値はトコフェロール濃度及び鉄星と関係があるが鉄は微量で大きい促進効果を示す.
    (5) 大豆油に添加された重金属イオンは油脂過酸化物とcomplexを作り一部は不溶性となり析出する.
  • 大豆油中における天然トコフェロールよりキノン化合物の生成
    原田 一郎, 更谷 豊, 石川 雅夫
    1960 年 34 巻 10 号 p. 807-811
    発行日: 1960年
    公開日: 2008/11/21
    ジャーナル フリー
    酸化を促進して色度最高に達せしめた大豆脱臭油の可視部吸収スペクトルを検討した結果,通気酸化油では天然トコフェロールに由来するトコフェロール-o-キノンの生成を認め,静置酸化油ではo-キノンは認められなかった.
    また,これら酸化大豆油不鹸化物の紫外部吸収スペクトルを検討して,静置酸化ではトコフェロールの相当量が残存し,通気酸化では大半が破壊されている事を確認した.
    以上の結果から,精製大豆油戻色の本体はトコフェロールの酸化に基づくキノン化合物であると考えられる.
  • 辛味成分の化学構造(その3)辛味成分の水素添加物,臭化物及び分解産物
    小菅 貞良, 稲垣 幸男, 飯野 隆淑
    1960 年 34 巻 10 号 p. 811-814
    発行日: 1960年
    公開日: 2008/11/21
    ジャーナル フリー
    本邦産とうがらし果実より単離した辛味成分Iは融点,元素組成,パラジウムを触媒とする水素吸収量,二臭化物の生成,紫外部及び赤外線吸収スペクトル並びに塩酸分解産物の検索等より, N-(4-hydroxy-3-methoxy-benzy1)-8-methylnon-traps-6-enamideであることを推定した.
    同じくIIの融点,元素組成,展開剤を異にする数種のペーパークロマトグラフィに於けるRF及び赤外線吸収スペクトル等はIの水素添加物のそれらと一致し,又塩酸分解産物の検索等より, IIはIの飽和体即ち, N-(4-hydroxy-3-methoxybenzy1)-8-methylnonanamideであることを推定した.
  • 細菌におけるトランスアミナーゼの分布について
    片桐 英郎, 左右田 健次, 栃倉 辰六郎
    1960 年 34 巻 10 号 p. 814-819
    発行日: 1960年
    公開日: 2008/11/21
    ジャーナル フリー
    (1) 円形濾紙クロマトグラフィーと銅イオン添加のニンヒドリン呈色を利用した迅速簡便なアミノ酸定量法を設定し15種の細菌の休止細胞を用いてトランスアミナーゼ活性の分布を調べた.
    (2) いずれの菌株においても, α-ケトグルタール酸とのトランスアミネーションについては,アスパラギン酸とフェニールアラニンをアミノ基供与体とする系が強い活性を示している.
    (3) Flavobacterium fuscum, Flavobacterium flavescens, Achromobacter liquidum, Xanthomonas citriにおいては,ロイシン,イソロイシン,パリン,ノルバリンおよびフェニールアラニンとα-ケトグルタール酸との反応が強くリジンとの系も強い.
    (4) Escherichia coli, Alcaligenes faecalisでは, (3)のグループと同様にロイシン,パリン等との反応も存在するが,アスパラギン酸との反応がより強く,リジンとの反応が存在しない点で異っている.
    (5) Achromobacter supevficialisAchromobacter polymorphによるα-ケトグルタール酸とのトランスアミネーションでは,アスパラギン酸のほかにα-アラニン, γ-アミノ酪酸,オルニチンの如きω-アミノ酸をアミノ基供与体とする系が特異的に強い活性をもっている.
    (6) Bacillus roseus, Bacillus natto SN, Proteus vulgarisおよびCorynebacterium sepedonicumにあっては,アスパラギン酸,フェニールアラニン,オルニチンおよびトリプトファンとα-ケトグルタール酸との反応の他に, α-アミノ酪酸もしくはα-アラニンとの反応が極めて強いが,ロイシンまたはバリン等との反応は極めて弱い.
    (7) Pseudomonas fluorescens, Bacillus thiaminolyticusでは, (6)のグループと類似の傾向が示されるが,ロイシンまたはバリンとのトランスアミネーションも強い点で異っている.
    (8) ロイシン,イソロイシン,バリン,ノルバリンおよびα-アミノ酸, α-アラニンはそれぞれα-ケトグルタール酸に対するアミノ基供与体として類似の効果を示した.
    (9) ピルビン酸,フェニールピルビン酸およびオキザロ醋酸をアミノ基受容体とする反応においては,グルタミン酸の関与しない系ではアミノ基供与体の数も少く活性も一般に低いが,二,三の菌株にあっては特異的に活性の高い反応が認められた.
  • 細菌トランスアミナーゼの分画と性質について
    片桐 英郎, 左右田 健次, 栃倉 辰六郎
    1960 年 34 巻 10 号 p. 819-824
    発行日: 1960年
    公開日: 2008/11/21
    ジャーナル フリー
    (1) Flavobactericum fuscumの抽出液を分画してトランスアミナーゼ反応に対する活性の分布と性質を調べた結果, α-ケトグルタール酸とアスパラギン酸,ロイシン,フェニールアラニンおよびリジンの間の反応はそれぞれ別の酵素によって触媒されると思われる.
    (2) Achromobacter superficialisの抽出液の分画の結果, α-ケトグルタール酸とアスパラギン酸, γ-アミノ酪酸, β-アラニン,オルニチン間の反応に関与するトランスアミナーゼが特異的に強く存在し,アスパラギン酸もしくはγ-アミノ酪酸系とオルニチンもしくはβ-アラニン系の二つの系に分離し得た.
    (3) しかしこれらの酵素の諸性質をさらに調べ比較した結果, 4種の反応は各々独立したトランスアミナーゼによって触媒されることが推論された.
  • 合成培地に於ける培養条件の検討
    鮫島 廣年, 奈良 高, 藤田 忠三, 木下 祝郎
    1960 年 34 巻 10 号 p. 824-828
    発行日: 1960年
    公開日: 2008/11/21
    ジャーナル フリー
    合成培地に於けるホモセリン醗酵の培養条件を検討し,次の結果を得た.
    (1) グルコース10%, (NH4)2SO4 2%, CaCO3 2%, K2HPO4 0.1%, MgSO4・7aq 0.03%の基礎培地にビオチンとL-スレオニンを種々の濃度で添加し,ホモセリン及びリジンの生産を検討した結果,ビオチン5γ/l以上, L-スレオニン400~500γ/mlに於て13~15mg/mlのホモセリン生産を見た.この際リジンの生産量は9mg/ml内外であった.又スレオニン量が300γ/ml以上になると,リジン醗酵からホモセリン醗酵への転換が起る事,ピオチン量が5γ/l以下になるとグルタミン酸の生産が起る事が認められた.
    (2) 上記合成培地に於て,糖源,無機窒素源,微量金属イオン,ビタミン,有機酸等の影響を検討し,ホモセリン生産の方がリジン生産に比し比較的不安定なる事を見出した.
  • ホモセリン醗酵に於けるD, L-メチオニンとL-スレオニンの影響
    鮫島 廣年, 奈良 高, 藤田 忠三, 木下 祝郎
    1960 年 34 巻 10 号 p. 828-832
    発行日: 1960年
    公開日: 2008/11/21
    ジャーナル フリー
  • No. 483株によるL-アラニン醗酵
    鮫島 廣年, 奈良 高, 藤田 忠三, 木下 祝郎
    1960 年 34 巻 10 号 p. 832-838
    発行日: 1960年
    公開日: 2008/11/21
    ジャーナル フリー
    (1) アラニン醗酵研究の材料として,新らしく分離されたNo. 483株を選んだ.本株はグラム陰性,運動性を有する短桿菌であり,胞子の生成は認められず,培養液中に著量のアラニンを生産し,副成アミノ酸の少ない事が特徴である.
    (2) 本菌はグルコース10%,硫安2%,ペプトン0.2%,酵母エキス0.5%, K2HPO4 0.1%, MgSO4・7H2O 0.03%及びCaCO3 2.0%を含む培地中で17.5mg/mlのアラニンを蓄積した.
    (3) 上述の培地で,培養経過中に尿素又は硫安の単独添加を行ったが,アラニン生成量の増加は認められなかった.
    (4) アラニン生成の前駆物質と見られるピルビン酸を単独又は窒素源と共に添加することにより,アラニン生成量の増加が認められた.
    (5) 乳酸アンモニウムの添加は,著るしくアラニンの生成量を増加させた.この際アラニンの生成量は35mg/mlに達した.又この現象は乳酸アンモニウム添加後,振盪並びに静置培養に拘らず略々同一結果を得ることから,本歯にはアラニン脱水素酵素と乳酸脱水素酵素との共範反応の存在が考えられる.
    (6) 本菌は何等かの栄養要求株であり,特に酵母エキス中の或る種成分が菌の生育並びにアラニンの生産に不可欠のものであることが判った.
    (7) 本菌の生産するアラニンは単離,精製の結果L-アラニンであることが判明した.
  • No. 483株によるL-アラニン醗酵の酵素学的知見
    鮫島 廣年, 藤田 忠三, 奈良 高, 木下 祝郎
    1960 年 34 巻 10 号 p. 838-844
    発行日: 1960年
    公開日: 2008/11/21
    ジャーナル フリー
    (1) No. 483株はDPNを補酵素とするアラニン脱水素酵素の活性を有し,又その活性の最適pHは9.8であった.
    (2) 本菌のアラニン脱水素酵素の活性は基質であるアラニンの濃度が高まると,却って阻害を受ける現象を見出した.
    (3) DPN-specificな乳酸脱水素酵素の猛性は用いた実験条件下では認められず,前報で示唆したDPNを共通補酵素とする乳酸脱水素酵素とアラニン脱水素酵素との共軛反応が存在する可能性は少ない.
    (4) Transaminationによるアラニンの生成は殆んど認められず,本菌に於けるアラニン生成の主反応はアラニン脱水素酵素によるピルピン酸のreductive aminationによるものと思う.
    (5) α-ケげルタール酸とアラニンとのtransarninationによるグルタミン酸の生成は微弱である.しかしα-ケトグルタール酸とアスパラギン酸及びフェニルアラニンとのtransaminationは強力に行われ,又バリン,イソロイシン及びロイシンとのtransamination反応は中等度に起った.
    (6) 本菌によるアラニン醗酸に対し, 2, 4-Dは低濃度(10-6M)では顕著な阻害効果を与えたが, 10-5乃至10-3Mの濃度では却ってアラニンの生成速度を促進する効果が見られた.
    (7) 以上の諸結果からNo. 483株に於けるアラニン生成蓄積の機作を考察した.
  • Cercospora属菌によるReichstein's Substance Sの酸化について
    近藤 栄二, 森原 和之, 野崎 義雄, 増尾 栄太郎
    1960 年 34 巻 10 号 p. 844-847
    発行日: 1960年
    公開日: 2008/11/21
    ジャーナル フリー
    (1) 34株のCercospora属菌についてReichstein's substance Sの酸化能を検討したが,かなり多数の菌に酸化力をみとめることが出来た.
    (2) 基質substance Sのllα位に水酸基を導入する性質はかなり広く分布されており,とくにC. melongenaeを使用すると極めて収率よく11-epihydrocortisoneが生成されることが明らかになった.
    (3) C. zinniaeはsubstance Sのllα位と共にl1β位にも水酸基を導入するが,両者の生成割合は種々の条件により変動することがみとめられた.
  • A環への二重結合の導入(その1)
    近藤 栄二, 増尾 栄太郎
    1960 年 34 巻 10 号 p. 847-852
    発行日: 1960年
    公開日: 2008/11/21
    ジャーナル フリー
    不完全菌類に属するGloeosporium olivarum, Helminthosporium zizaniae, Helminthosporium gramineum, Gvaphiola cylindricaの4菌株について,種々のステロイド(progesterone, substance S, cortisone, hydrocortisone)に対する酸化能を検討した結果, A環1, 2位間の脱水素反応をみとめることが出来たが顕著な基質特異性も観察された.
    (1) Gloeosporium olivarumでは上記いずれのステロイドを基質にしたときにもΔ1-誘導体の生成がみられるが, progesterone, substance Sに対しては最も強い酸化力を示し,収率よくΔ1-progesterone, Δ1-substance Sを生成する. cortisoneを基質にしたときはprednisoneの他にsubstance U並びにΔ1-substance Uの生成がみとめられ, 20-ketoneを還元する性質の存在することが判明した.
    (2) Helminthosporium sp.はsubstance Sに対しては最も収率よく二重結合を導入するが, hydrocortisoneに対しては酸化力をみとめることが出来なかった. progesteroneからはΔ1-progesteroneの生成はみられなかったが,恐らく側鎖の分解をともなっているものと考えられる.
    (3) Graphiola cylindricaはhydrocortisoneに対して最も強い酸化力を示し, prednisoloneを蓄積することが明らかにされた.
  • 細菌によるグルタミン酸のラセミ化
    田中 正生, 加藤 洋, 木下 祝郎
    1960 年 34 巻 10 号 p. 852-856
    発行日: 1960年
    公開日: 2008/11/21
    ジャーナル フリー
    (1) Bacillus属菌株79株についてD-グルタミン酸のみを窒素源とする培地で検索を行った結果, B. subtilis 6株をはじめ28菌株がこの培地に生育した.
    (2) この生育菌株の一部のアセトン乾燥菌体を使用してD-グルタミン酸よりL-グルタミン酸の生成を試験した所,二三菌株でその能力を認めたが,その内B. licheniformisの一菌株が他に比して強かったので,この酵素反応をアセトン乾燥菌体,超音波抽出液について検討した.
    (3) この粗酵素試料によるD-グルタミン酸よりL-グルタミン酸への転換はピルビン酸の存在により増加しその傾向は透析酵素試料において甚しい.
    α-ケトグルタール酸とD, LいずれのアラニンよりもD-グルタミン酸のみを生成し, L-グルタミン酸は殆んど生じないし,又L-グルタミン酸よりD-グルタミン酸の生成も殆んど起らない.ピルビン酸とグルタミン酸とのアミノ基転移に関する実験からはL-グルタミン酸を基質とする場合のアラニン生成量の約5~6倍のアラニンがD-グルタミン酸を基質として使用する時生成する.
    これ等の事実より本菌は強いアラニンラセマーゼを有しD-グルタミン酸よりL-グルタミン酸の生成はB. subtilisB. anthracisにおいて報告されていると同様,アラニンラセマーゼとD-及びL-アミノ酸トランスアミナーゼの共同作用によって起るものと考えられる.尚この菌では,特にL-トランスアミナーゼに比べてD-トランスアミナーゼ活性がアラニンラセマーゼと共に強いため, α-ケトグルタール酸とアラニンよりD-グルタミン酸のみを生成し,又L-グルタミン酸よりはD-グルタミン酸の生成が起り難いと考えられる.
    このB. licheniformis以外のBacillus属菌株においても,同様な反応でD-グルタミン酸よりL-グルタミン酸の生成が行なわれるものと考えられ, Bacillus属菌株にはアラニンラセマーゼは存在するが,グルタミン酸ラセマーゼは存在しないと思われる.
  • 前水解硫酸塩蒸解に於ける広葉樹の特性(3)パントザン除去の機構に就て
    高橋 昭之介, 白石 孝久, 福田 祐作
    1960 年 34 巻 10 号 p. 857-863
    発行日: 1960年
    公開日: 2008/11/21
    ジャーナル フリー
  • グルタミン酸生産菌について
    土井 新次, 金子 安之, 長谷川 安弘, 足立 勇, 古川 寿久
    1960 年 34 巻 10 号 p. 863-866
    発行日: 1960年
    公開日: 2008/11/21
    ジャーナル フリー
    愛知県下の汚水からグラム陽性,無胞子,非運動性の好気性桿菌で糖から多量のL-グルタミン酸を生成するものを分離した.この菌は10%グルコース培地において振盪培養により4日間で対糖40%(培地1ml中40mg)以上のL-グルタミン酸を蓄積する.またその細菌学的性質から従来知られていない新菌と認め, Microbacterium salicinovorum nov. sp.と命名した.
  • 水稲葉の核酸に就いて
    大塚 一止, 玉利 勤治郎, 小笠原 長宏
    1960 年 34 巻 10 号 p. 867-873
    発行日: 1960年
    公開日: 2008/11/21
    ジャーナル フリー
  • 沖増 哲, 大宝 明
    1960 年 34 巻 10 号 p. 873-878
    発行日: 1960年
    公開日: 2008/11/21
    ジャーナル フリー
    (1) 黒麹菌の培養濾液を用いてキチナーゼ作用の存在の有無をしらべ,供試菌の一菌株にキチナーゼ活性の強いものを見出した.
    (2) 粗酵素液はG. Ch.に作用してその溶液粘度を低下させ,還元力を増加するとともに反応液のMorgan Elson反応は陽性となった.またそれは同様に再沈澱キチンおよびアルカリ分散キチンをも分解することを認めた.
    (3) 黒麹菌の培養液中にキチナーゼが産生され,その最適pHは3.6~4.0附近にあり,最適温度は50°附近にあった.
    (4) G. Ch.は従来の種々の基質と比べて,キチナーゼ活性測定の基質として大変優れていた.
  • 卵黄Granulesと卵黄Plasmaの蛋白質組成について
    長谷川 喜代三
    1960 年 34 巻 10 号 p. 879-882
    発行日: 1960年
    公開日: 2008/11/21
    ジャーナル フリー
    鶏卵卵黄を稀釈せずにそのまま超遠心分離(100,000×g, 3時間)することにより上澄(yolk plasma)と沈澱(yolk granules)とに分別した.そのおのおのについて窒素,リンの分画定量ならびに電気泳動分析を行って次の結果を得た.
    (1) 全卵黄の乾物量,全窒素および全リンは, yolk plasmaとyolk granules中にそれぞれ82%と18%, 60%と40%, 69%と31%の割合で含まれている. Yolk plasmaのリンは96%までが1ipid性リンであって,リン蛋白性リンは2%に過ぎない.これに反してyolk granulesのリンのうち69%がリン蛋白性リンであり, lipid性リンおよび酸可溶性リンがそれぞれ17%, 14%を占める.全卵黄のリン蛋白性リンの94%までがyolk granules中に存在する.
    (2) 蛋白質組成は, yolk plasmaにおいてはβ-lipovitellinが主成分であり約70%を占める. Yolk granulesにおいてはα-lipovitellinおよびphosvitinが主成分であり,それぞれ約62%, 26%を占めている. Phosvitinはyolk plasmaには含まれておらず, granules中にのみ存在する.全卵黄蛋白質に対するα-1ipovitellin, β-lipovitellin, phosvitinおよびlivetinの相対濃度はそれぞれ21%, 46%, 9%, 24%である.
  • 卵GranulesよりPhosvitinの単離
    長谷川 喜代三
    1960 年 34 巻 10 号 p. 882-885
    発行日: 1960年
    公開日: 2008/11/21
    ジャーナル フリー
    鶏卵卵黄のyolk granulesを出発材料としてphosvitinの単離を行い,その精制過程を電気泳動的に追跡した.遊離のlipidの除去に当ってエーテルを使用しなかったに拘わらず, phosvitinはyolk granules蛋白質中に約25%の相対濃度において存在し,以下1.25% NaCl濃度における分別沈澱, 0.09M MgSO4による分別沈澱によってphosvitinの相対濃度は41%および80%に増加した.さらに0.4M硫安溶液pH4による抽出後,硫安飽和, 2M NaClに対する透析,水に対する透析を経たのちlyophylized preparationを得た.このもののリン含量10.06%,窒素含量11.1%でN/Pのモル比は2.46であった.
  • 福井 作蔵
    1960 年 34 巻 10 号 p. A69-A85
    発行日: 1960年
    公開日: 2008/11/21
    ジャーナル フリー
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