日本農芸化学会誌
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55 巻, 5 号
選択された号の論文の7件中1~7を表示しています
  • 熊谷 知栄子, 布川 弥太郎, 秋山 裕一
    1981 年55 巻5 号 p. 391-398
    発行日: 1981年
    公開日: 2008/11/21
    ジャーナル フリー
    (1) Oerskovia sp. CK株は2種のmannanase M-1, M-2を生産した.
    (2) M-1は清酒酵母マンナンを側鎖末端からマンノース単位で分解し,分解率は72%に達した.主鎖部(α(1→6))を分解しないα-mannosidaseと考えられる.
    (3) M-2は清酒酵母マンナンを基質とした場合,反応初期に側鎖の分岐点を分解して生じたと考えられるマンノース,マンノビオース,マンノトリオースおよび最長側鎖由来のマンノテトラオースを生成した.またこのことからendo-typeの酵素と推測された.パン酵母マンナンを基質とした場合は,マンノビオース,マンノトリオース(最長側鎖由来)を生成し,マンノテトラオースは生成されなかった.
    (4) CK株の生産するmannanase M-1およびproteaseを単独あるいは併用で,気泡付着性を有してflotabilityの高い清酒酵母K-7,および気泡付着性を有しない泡なし酵母Bu 9-5に作用させると, K-7のflotabilityはproteaseによって低下し, Bu 9-5はmannanaseによってflotabilityが上昇し気泡付着性になった.この状態のBu 9-5に, proteaseを作用させるとflotabilityは著しく低下し気泡付着性を失った.
    (5) 以上の現象から気泡付着性と酵母の表層構造の関係について考察しK-7株およびBu 9-5株の表層構造を推定した.
  • 伊東 哲雄, 築地 邦晃, 小田切 敏
    1981 年55 巻5 号 p. 399-405
    発行日: 1981年
    公開日: 2008/11/21
    ジャーナル フリー
    ウド(Aralia cordata Thunb.)を溶媒で抽出し,さらに水蒸気蒸留して淡黄色の精油を得た.精油は化学的方法,カラムクロマトグラフィー, GC分取などによって分離し, GC (tR)および各種スペクトルデータにより各成分の検索を行った.その結果,全精油の63.3%を占めるα-pineneが主成分であり,ウドのトップノート成分であることが確認された.その他,炭化水素多数のうち30個の構造を明らかにした.アルミナカラムのエーテル画分はおだやかな芳香を呈するが,この画分中に最大の成分としてM+166の未同定硫黄化合物があり構造を検討中である.その他カルボニル化合物が10個,メタノール画分には18個のアルコールまたはフェノールが検出された.
    終りにスペクトルデータを詳細に検討していただいた食品化学研究所納谷洋子氏,キャピラリーGC-MSを測定していただいた長谷川香料株式会社,また試料の採集,調製などに協力いただいた研究室の学生諸君に深く感謝します.
    本報告の一部は昭和53年度日本農芸化学会大会(東京)で発表した.
  • 岡田 憲幸, 太田 輝夫, 海老根 英雄
    1981 年55 巻5 号 p. 407-414
    発行日: 1981年
    公開日: 2008/11/21
    ジャーナル フリー
    微生物を接種していない30°Cの好気振盪系で,グルコース-グリシン系の非透析性メラノイジンを処理し,そのゲルクロマトグラムパターンの変化を調べた.
    (1) 培地中でメラノイジンを振盪すると低分子側へ移行した.
    (2) 培地に用いた無機塩類はメラノイジンを低分子側へ移行させる作用をもたなかったが,培地のpHは大きな作用を示した.
    (3) 本メラノイジンの等電沈殿点およびpK値はそれぞれPH 2.5および3.5にあった.
    (4) pH 3.5付近を境界として,それより低いpHで振盪するとゲルクロマトグラムのピークは高分子側へ移行し,それより高いpHで振盪すると低分子側へ移行した.
    (5) 培地中でメラノィジンを振盪するとゲルクロマトグラムパターンの変化は振盪日数に対して緩やかに現れ, 2カ月間にわたって追跡した結果,低分子側への移行は進行し続けた.
    (6) 供試メラノイジンの会合の可能性は, 8M尿素および界面活性剤処理により検討した結果,見出せなかった.
    (7) 酸素の影響は,脱気した場合と比較し, pH 3.5付近を境界としてそれより低いpHではより高分子化を,それより高いpHではより低分子化させた.
    以上から,メラノイジンのpKが3.5と低いため,培地(pH>3.5)は塩基の作用をする結果,振盪系においてはメラノイジンは塩基触媒による酸化的分解を受け低分子化すると推察した.
  • 太田 義雄, 前梶 健治
    1981 年55 巻5 号 p. 415-419
    発行日: 1981年
    公開日: 2008/11/21
    ジャーナル フリー
    KMゲルのレオロジー的性状を明らかにする目的で,ゲル性状のKM濃度および温度への依存性を検討した.ゲルの性状は,オートグラフを使用して,円柱状の試料ゲルに15%の圧縮歪みを加えたときの応力緩和を測定し,その結果をマックスウェル模型(6要素)で解析して求めた.
    (1) KM濃度を1.64~3.29%としたとき,緩和時間(τi)は,濃度にほとんど依存しなかったが,弾性率(Ei)は,濃度の2乗に比例し,いわゆる2乗則が成立した.
    (2) ゲルの温度を10~50°Cとしたとき瞬間弾性率(E0)は高温ほど大きかったが,応力の緩和曲線(Eγ(t)=〓Eiexp(-ti))は測定の途中(歪み負荷後30~50分後)で交差し, KMゲルの応力緩和は高温ほど著しいことを示した.
    (3) 弾性率のなかで, E0, E2およびE3は温度上昇に伴って増大したが,E1は逆に減少した.低温では, E1, E2, E3の絶対値およびE0に対する寄与率は, E1>E2>E3であったが,高温ではE3>E2>E1となった.緩和時間では, τ1の値は40°C付近まで漸減し,それから急激に上昇した. τ2は温度上昇に伴い,わずかに減少したが, τ3はほとんど変化しなかった.
    (4) 最長緩和時間(τ1)の低温領域(10~40°C)での温度依存性から,見かけの活性化エネルギー(ΔH)を求めると, 1.94%ゲルで3.5kcal/mol, 2.72%ゲルで2.8kcal/molであった.これを,ゲル中に存在する水の流動活性化ニネルギーに相当すると考えた.
  • その作用特異性と利用
    安藤 忠彦
    1981 年55 巻5 号 p. 421-429
    発行日: 1981年
    公開日: 2008/11/21
    ジャーナル フリー
  • 斎藤 健
    1981 年55 巻5 号 p. 453-458
    発行日: 1981年
    公開日: 2008/11/21
    ジャーナル フリー
  • N. Y.
    1981 年55 巻5 号 p. 459-461
    発行日: 1981年
    公開日: 2008/11/21
    ジャーナル フリー
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