1. 体重60~70gの白鼠に黒斑病甘藷精油を1日0.01g宛11日間与えた後, 0.02g宛9日間継続経口投与しても成長に著しい悪影響を与えなかつたが,それ以上0.02~0.03gを与えた時は著しく成長を限害した.
2. 体重120~150gの白鼠に精油0.1~02gを1騒経口投与した結果,何れも27~42時間で死んだ.
3. 体重20g前後の廿日鼠に精油0.0075~0.010gを腹腔注射した結果,多くは24~48時間で死んだ.
4. 本精油投与に依つて死んだ鼠を解剖して病理学的に観察した結果,肝臓の脂肪変成,肺臓の出血,心臓の退行変成等の著変を認め,その他小腸,腎臓,胃にも害作用のあることを認めた.
5. 鶏に対しては体重1kg当0.1gでは害作用は現れないが0.2g以上になると食慾が少くなつた.この際駆虫の効果が認められた.
6. 成人では1日0.3gまでは何ら毒作用を認めなかつた.
7. 体重2kg余の2頭の家兎を正常飼料で飼育した場合と,精油を与えた場含の尿成分を比較した結果,クレアチニンは約30%増加し,クレアチンは投与後2~3日は著しく増加し,その後徐々に減ることを認めた.アセトン体は1.5~3倍に増加し,グリクロン酸は僅かに増加した.尿素には殆んど変化がなかつた.蛋白質及びインヂカンは排泄されなかつた.
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