日本農芸化学会誌
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39 巻, 1 号
選択された号の論文の7件中1~7を表示しています
  • 森 文平, 蟻川 トモ子
    1965 年 39 巻 1 号 p. 1-4
    発行日: 1965年
    公開日: 2008/11/21
    ジャーナル フリー
  • 木原利 一郎, 三輪 万治
    1965 年 39 巻 1 号 p. 5-9
    発行日: 1965年
    公開日: 2008/11/21
    ジャーナル フリー
    亜硫酸パルプ廃液を原料とする酵母製造に使用されている酵母菌の菌学的研究を行い,次の諸事実を認めた.
    (1)主なる培養菌種はCandida utilisである.
    (2)従来亜硫酸パルプ廃液に最も適した菌種Mycotorula japonica Yamaguchi (1943)は, Lodderの分類(1952年)ではCandida tropicalisに相当し,工業的規模ではその凝集性のため,適当な菌種とはいえない.
    (3)そのほかにCandida mycodermaの存在を認めた.
    (4)菌体収量はCandida utilisが最もよく,ついでCandida tropicalis, Candida mycodermaの順になっている.
    (5)分離したCandida utilisは在来の保存菌株とほとんど差異はないが,適応的性質にかなりの差異を認めた.
  • 金 三純
    1965 年 39 巻 1 号 p. 10-17
    発行日: 1965年
    公開日: 2008/11/21
    ジャーナル フリー
    タカアミラーゼAは紫外線照射または生体色素リボフラビンの光増感作用によって有効な不活性化が惹起される.前者の場合には2 hit的に,後者の場合は1 hit的に不活性化が進行する.リボフラビンによる光増感不活性化反応は色素の3重項状態と基底3重項状態の溶存酸素との複合体の解離によって生じた1重項状態の反応性に富む酸素分子種によるアミラーゼの酸化反応によるものと考えられる. N-ブロムコハク酸の熱的酸化によるアミラーゼの不活性化反応におけるトリプトファン残基の酸化と,不活性化との関連性,光不活性反応におけるトリプトファンの酸化と活性との関連及びトリプトファン残基の蛍光収率の変化から,トリプトファン残基は酵素活性に重要な関係を持つものと考えられる.
    アミラーゼ単独系における光不活性化の作用スペクトルから,紫外線直接照射による不活性化はシスチンによって吸収される光による不活性化の相対量子収率は99.2%で,トリプトファンによって吸収される光によるものは0.8%である.シスチンは励起状態で高能率で-S-S- → -S..S-の開裂反応が起り,またトリプトファン残基は量子収率は小さいが,励起状態で電子放出によりラジカルとなり,溶媒系に放出された電子は水を還元し溶存酸素とHO2を作り,これによりトリプトファンは酸化される.これらのために不活性化が起る.チロシン残基もトリプトファン残基と同様の酸化を受けうるが,作用スペクトルからはこのための不活性の量子収率は小さいものと考えられる.
  • β 1:3-Glucosyl-linkageを含むオリゴ糖の分離
    掘越 弘毅, 有馬 啓
    1965 年 39 巻 1 号 p. 18-21
    発行日: 1965年
    公開日: 2008/11/21
    ジャーナル フリー
    (1) Nossal disintegrator存によって細胞壁を調製し酢酸による加水分解を経て可溶部と不溶部とにわけた.
    (2)酢酸不溶部は電子顕微鏡的観察よりキチン様物質の微結晶であることがわかった.
    (3)酢酸可溶部はグルコース,ガラクトース,ラミナリビオース, RG 0.2のオリゴ糖,多糖類よりなる.
    (4) RG 0.2の糖をペーパークロマトグラフィー法により分離し,酸による加水分解, β 1:3-glucanaseによる分解等からβ 1:3-glucosyl-linkageが含まれているglucanであることがわかった.そしてglucanの重合度は約8~9であった.
    (5)以上得られた結果及びすでに報告された結果を総合して細胞壁の模式図を提示した.
  • 抗生物質のファージ感染抑制作用
    沖 俊一, 松井 俊規, 赤星 恭助, 原田 良造
    1965 年 39 巻 1 号 p. 22-29
    発行日: 1965年
    公開日: 2008/11/21
    ジャーナル フリー
    著しいプラーク形成阻害作用を有したテトラサイクリン及びクロラムフェニコールをファージ感染L-GA発酵へ低濃度(1~2γ/ml)添加することによって,宿主菌の生育,L-GAの生成に影響なく特異的にファージ増殖を抑制し,ファージの被害を防止した.しかしながら,テトラサイクリンのファージ抑制作用はP/B比に左右されるので,工業的には発酵初期のファージ汚染ができるだけ少ない時期に低濃度使用することが有効であることを知った.
    この作用機作は遊離ファージの失活,吸着阻害ではなく,新生ファージの増殖抑制であって,テトラサイクリンの濃度が低い場合には放出価の減少,潜伏期の延長として現われるが,濃度が高くなると菌体内ファージの合成は完全に阻止される.ファージ感染菌のDNA合成は旺盛で,非感染菌の2倍近い増加を示して,ファージ感染のいずれの段階にテトラサイクリンを作用させでも,短時間に合成が抑制された.そして蛋白合成はテトラサイクリン添加によっていずれの場合も急速な減少が起るが,吸着段階までに添加した場合には一時的な減少後,直線的に蛋白増加が認められ溶菌が阻止された.
  • ウイスキー原酒の蒸留におけるフーゼル油の動向について
    中村 秀雄
    1965 年 39 巻 1 号 p. 30-35
    発行日: 1965年
    公開日: 2008/11/21
    ジャーナル フリー
    (1)ウイスキー原酒の蒸留に際して分割蒸留を実施し,その分留液について留出するフーゼル油の動向を検討した.
    (2)バニリン硫酸反応による分析の結果は,初留の方の1~6区ではイソブチルアルコールが多く含有されるため青紫色を呈し,比色分析の結果でも515mμ, 570mμの2か所にピークを認めた. 7~9区では紫色を呈して570mμのピークが極めて減少してショルダーを示し,イソブチルアルコールが非常に少なくなったことを示した. 10~12区ではイソアミルアルコールが主体であって,従って呈色も紫微赤色を示し, 570mμのピークは全く消失して認められない.
    (3)ガスクロマトグラフィーの分析の結果も, 2の結果をうらづけるもので,初留の方ではイソアミルアルコールに対してイソブチルアルコールの量が割合に多いが,中留,後留と進むにつれて,イソブチルアルコールはほぼ直線状に減少するのに対して,イソアミルアルコールの低下は極めて緩慢なことがわかった.イソブチルアルコールに対するイソアミルアルコールの比率は,最初1.38であるが最後には5.60に達する.
    (4)スコッチウイスキーの製品及び原酒のイソブチルアルコールに対するイソアミルアルコールの比率は1~3の間にあり,少なくとも蒸留に関する限り初留はやや多く採取し,そして後留の除去はやや早目にすることがスコッチに近い組成の原酒を得られると考えられる.高級アルコールの組成とその成分の比率は,蒸留酒の場合において,蒸留に際しての中留採取区分の一判定基準として用いられよう.
  • 玉手 六朗, 大高 文男
    1965 年 39 巻 1 号 p. 36-39
    発行日: 1965年
    公開日: 2008/11/21
    ジャーナル フリー
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