日本消化器外科学会雑誌
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16 巻, 7 号
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  • とくにm・sm癌と進行癌の対比
    新井 裕二
    1983 年 16 巻 7 号 p. 1291-1301
    発行日: 1983年
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    食道m・sm癌として著者らの行った全国集計例366例 (教室例7例を含む) と進行癌として教室例88例を対象として, 種々の因子別に遠隔成績を分析検討した.結果はm・sm癌, 進行癌のいずれにおいても, 遠隔成績を左右する最も有力な共通予後因子として, 1) 性別, 2) 血管侵襲が考えられ, 女性で血管侵襲の無いものが優れていた.次に遠隔成績に影響を及ぼす共通因子として, 1) X線型, 2) 内視鏡型, 3) 癌腫の長径, 4) 癌腫の長径と横径の差, 5) 深達度, 6) リンパ管侵襲が考えられ, 表在型で, 長径が短く, 深達度が浅く, リンパ管侵襲の無いものが優れていた.
  • 野村 秀洋, 西 満正, 川路 高衛, 金子 洋一, 高尾 尊身, 面高 俊一郎
    1983 年 16 巻 7 号 p. 1302-1306
    発行日: 1983年
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    生後4ヵ月の雑犬4頭と生後6ヵ月のビーグル犬4頭の計8頭に150μg/mlのENNGを栗原法にて1日1回8ヵ月間連続投与した.その結果1,105日目と1,245日目に屠殺した雑犬2頭に次のごとき硬性癌を作成し得た.
    1.硬性癌の肉眼型はBorrmann3型 (se) 1病変, IIc型進行癌 (pm) 1病変, IIc型早期癌 (sm) 3病変であった.
    2.硬性癌の組織型は低分化型腺癌4病変, 印環細胞癌1病変であった.
    3.硬性癌の発生部位は胃下部4病変, 胃中部1病変で, 胃上部には認めなかった.腺領域別では幽門腺粘膜領域に4病変, 境界領域に1病変が認められ, 胃底腺粘膜領域には認められなかった.
  • 栗山 洋, 宮本 徳廣, 藤本 直樹, 前浦 義市, 小川 道雄, 藤本 二郎, 東 弘, 神前 五郎
    1983 年 16 巻 7 号 p. 1307-1312
    発行日: 1983年
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    当科における17年間 (1963年~1979年) の胃粘膜下腫瘍38例について, 年齢・性, 診断, 部位, 治療, 予後について検討した.内訳は悪性腫瘍23例 (リンパ肉腫8例, 細網細胞肉腫8例, 平滑筋肉腫7例) と良性腫瘍15例 (平滑筋腫7例, 嚢胞2例, 反応性リンパ性増殖症, 神経鞘腫, 脂肪腫, 線維腫, 結核腫, 異所膵各1例) である.悪性リンパ腫は診断困難で, 胃全体を占める大きい腫瘍例が約1/3あり, リンパ節転移陽性は60%で, その郭清により予後は期待出来る.平滑筋肉腫の半数以上は体上部にあり, 43%が肝転移陽性で予後は不良だが, 化学療法が奏効する症例もみられた.平滑筋腫はおおむね予後良好であるが詳細なfoilow upが必要である.
  • 津村 秀憲
    1983 年 16 巻 7 号 p. 1313-1323
    発行日: 1983年
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    水浸拘束ストレスラットを用いて胃内外分泌機能を生理学的, 形態学的に検討した.胃外分泌細胞の壁細胞, 主細胞はストレス負荷後早期より分泌亢進状態を示した.胃体部上皮細胞はストレス負荷後粘液顆粒層が増加し4時間目以降より上皮細胞の破壊像が観察された.内分泌細胞のG細胞はストレス負荷後6時間目ではΩ型の開口分泌像が観察され, 血中ガストリンは188.92±37.63pg/mlとストレス負荷前値より有意 (p<0.01) の増加を示した.また血中ガストリン値と胃液酸度との間には有意 (p<0.01) の逆相関関係を示した.EC細胞は生理学的反応と形態学的反応像との間には一定の傾向が観察されなかった.
  • 今野 喜郎, 亀山 仁一, Iwao SASAKI, 宮川 英喜, 内藤 広郎, 土屋 誉, 成井 英夫, 佐藤 寿雄
    1983 年 16 巻 7 号 p. 1324-1327
    発行日: 1983年
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    教室で経験した十二指腸球後部潰瘍の6例を対象として, 外科治療上の問題点について検討した.手術術式としては選 (幹) 迷切兼幽門形成術3例, 選迷切兼胃半切除術1例, 広範囲胃切除術2例を行なった.高頻度にみられた十二指腸狭窄に対処するため幽門形成術ではFinney法またはJaboulay法を, 胃切除術後の再建術式としてBillroth II法を施行し良好な成績がえられた.以上のような成績から十二指腸球後部潰瘍に対して現在, 著者らが考えている手術術式の選択の方針について述べた.
  • 三好 敦生, 植木 敏幸, 間野 正衛, 桑原 義明, 浦口 憲一郎, 西田 博之, 内藤 寿則, 中山 陽城, 中山 和道, 古賀 道弘
    1983 年 16 巻 7 号 p. 1328-1333
    発行日: 1983年
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    109例のPTPを行い, そのうちの67例の門脈圧亢進症の副血行路について.形態, 血行動態, 臨床的意義に検討を加えた.形態学的には求肝性 (12例), 遠肝性 (56例) に分けられ, 前者は膵頭・体部疾患による限局性門脈圧亢進症, 後者は食道静脈瘤を伴った肝硬変, 肝線維症に起因していた.遠肝性では上行性, 下行性と種々の形態の副行路をみた.門脈系腎静脈系短路6例, Cruveilhier-Baumgarten症候群2例, 十二指腸間膜静脈と結腸間膜静脈が下大静脈へぬける短路の各1例をPTPにて証明しえた.また門脈圧と食道静脈瘤の形態の関係は圧の上昇につれて静脈の拡張, 蛇行がつよくなり色々の形態を示す傾向を示し, 付随する上, 下行性の小さな短絡の出現頻度が高くなっていた.出血例では, 奇静脈は小さく造影剤の停滞時間が長かった.PTOは12例に行い, 大きな短絡の存在に注意しながら行った.
  • 持永 瑞恵
    1983 年 16 巻 7 号 p. 1334-1344
    発行日: 1983年
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    胆嚢癌の外科治療成績の向上を目的として自験93例をもとに進展様式に関する臨床病理学的検討と術後生存率を検討した.胆嚢壁での脈管侵襲18例では全例ly3であったがうち9例ではv0かv1であった.隣接臓器への進展では肝への進展が59.1%で多く, 直接浸潤と浸潤をともなう右葉転移であった.肝浸潤巣辺縁および周辺肝のグ鞘では門脈侵襲なくリンパ管侵襲のみを認め転移経路としてはリンパ行性経路の優勢なことが示唆された.リンパ節転移は第1群についで第2群に多かったが第3群にもかなりの率でみられた.S因子が術後生存率との相関が高くさらにStage決定因子でもあった.進展様式と切除例の予後からStage Iには肝床切除とR2, Stage IIには肝区域切除とR2, Stage III以上には肝区域切除兼膵十二指腸切除が合目的である.
  • 奥山 和明, 磯野 可一, 佐藤 裕俊, 小野田 昌一, 落合 武徳, 山本 義一, 竜 崇正, 花岡 明宏, 木村 正幸, 原 壮, 小出 ...
    1983 年 16 巻 7 号 p. 1345-1351
    発行日: 1983年
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    大腸癌肝転移例に対する集学的治療につき検討した.検索対象は千葉大第2外科で22年間に手術した大腸癌肝転移例63例である.Po, H (+) 例で原発巣切除例 (原切) 22例と原発巣非切除例 (原非切) 21例の予後をKaplan Meier法の生存率で比較すると原切群は有意 (p<0.01) に原非切群より予後良好であった.術後の肝転移巣に対しての治療はLentinanを5 FuとMMCに併用するFML持続動注療法で有効な治療効果と延命効果を認めた.肝切除は同時性肝転移3例 (H11例, H22例), 異時性肝転移はH14例に肝部分切除を含めた肝葉切除を行い7例中6例が現在生存中である.特に最近ではH2でも肝切除+持続動注療法を行い現在検討中である.
  • 武田 義次, 信田 卓男
    1983 年 16 巻 7 号 p. 1352-1357
    発行日: 1983年
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    試作した超低流量拍動流ポンプによる腸管灌流装置は, 最高30.0±0.18, 最低2.63±0.05ml/minの流量が得られ, 拍出量のばらつきは少なかった.本装置を用いたイヌ小腸分節の血管灌流群と自己灌流群を比較すると, 前者は灌流圧84~87mmHg, 末梢血管抵抗3.52~3.79mmHg/ml/min/100gで, 後者は灌流圧117~121mmHg, 末梢血管抵抗4.95~5.75mmHg/ml/min/100gであった.D-glucose-14Cと3H-tritium waterの吸収能では両群に差は認められなかった.以上の結果より本装置の有用性を検討した.
  • とくに二期的手術について
    武藤 徹一郎, 上谷 潤二郎, 沢田 俊夫, 小西 文雄, 杉原 健一, 森岡 恭彦
    1983 年 16 巻 7 号 p. 1358-1362
    発行日: 1983年
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    潰瘍性大腸炎にする手術例28症例について分析を行った.最近の5年間には12例に全結腸切除兼回腸直腸吻合術 (IRA) が行われ, 11例に成功した.ステロイド長期使用例が増加しているため, IRAが二期的に行われる例が増加していた.一期的にIRAの行われた9例の予後は良好で, 直腸切除の行われた例はなかった.二期的IRAとして種々の術式を試みたが, 一期手術として全結腸切除+回腸直腸吻合+ループ回腸瘻造設, 二期手術として回腸瘻閉鎖を行うのが最も妥当と考えられ, 現在までに6例に行い, 良い結果が得られた.潰瘍性大腸炎に対する全結腸切除兼回腸直腸吻合術は適当な術式と考えられた.
  • 久保 章, 杉田 昭, 仲野 明, 川本 勝, 石黒 直樹, 福島 恒男, 竹村 浩, 土屋 周二
    1983 年 16 巻 7 号 p. 1363-1368
    発行日: 1983年
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    潰瘍性大腸炎症40例について, 罹患範囲, 病期, 術前・術後などにわけて便中細菌叢を検索した.健常対照群と比較し, 本症例では総菌数10.5±0.5, Bacteroidaceae10.6±0.6, Eubacterium9.4±0.7, Peptococcaceae9.1±0.7と有意に減少していた.また, 活動期と緩解期を比較すると, 同一罹患範囲群の中でも, 総菌数.嫌気性菌数の有意差が認められるものもあった.術前・術後を比較すると, 総菌数は術前10.5±0.5, 術後9.3±0.5と有意に減少していた.本症では, 大腸の炎症性変化により, 粘膜の恒常性が保たれず腸管内環境の変化がおこるために便中細菌叢の変化が惹起されると考えられた.
  • 井斉 偉矢, 川村 明夫, 佐藤 和広, 葛西 洋一
    1983 年 16 巻 7 号 p. 1369-1373
    発行日: 1983年
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    近年Autosuture EEAは各種の消化管吻合に応用されているが, 胃腸吻合に関する検討は少ない.われわれは胃切除後のBillroth型再建法にEEAを使用し, 従来の手縫い吻合法との比較検討を行った.EEA群はBillroth I法17例 (潰瘍5例, 胃癌12例), Billroth II法9例 (潰瘍6例, 胃癌3例) であり, 手縫い群はBillroth I法46例 (潰瘍17例, 胃癌29例), Billroth II法9例 (潰瘍7例, 胃癌2例) であつた.術後経過の検討は, 手術手技以外の要因が比較的少ない潰瘍症例についてのみ行なった.
    手術時間は潰瘍症例の場合EEA群で1時間59分, 手縫い群で2時間28分 (p<0.02), 胃癌症例の場合EEA群で2時間23分, 手縫い群で2時間56分 (p<0.01) とともにEEA群が短時間であった.術後全粥食摂取に要する日数はEEA群で9.3日, 手縫い群で14.6日 (p<0.01) であった.血清アルブミン値はEEA群では術前, 術後で変化がないが, 手縫い群では術後2週で有意に低下した.(p<0.05) 合併症は吻合部出血1例のみで, 縫合不全, 狭窄はなかった.以上の結果を反映し, 術後入院日数は, EEA群で23.9日, 手縫い群で31.8日であった.(p<0.01)
    Billroth I, II法に対するEEAの使用は, 手術時間, 合併症の面ばかりでなく, 術後経過の面でも多くの利点がみとめられた.
  • 花上 仁, 野本 信之助, 吉崎 聰
    1983 年 16 巻 7 号 p. 1374-1379
    発行日: 1983年
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    免疫療法において予後の判定に有用な指標を定めることを本研究の目的とした.溶連菌製剤OK-432の免疫療法を行った進行消化器癌51例を対象とし, 測定した末梢血白血球数, 末梢血リンパ球数とT細胞比, PPD, PHA, Su-PS皮内反応, 溶連菌菌体凝集抗体価の値と生存期間を統計学的に検討した.1) T細胞比を除く他の免疫学的パラメーターにおいて, 正常値を示した症例は異常値を示した症例に比較し有意に長い生存期間を得た.2) 末梢血白血球数, T細胞比を除く他の免疫学的パラメーターは生存期間と有意の相関を示した.以上より, T細胞比を除く他の免疫学的パラメーターは予後推定上信頼できる指標と考えられる.
  • 長谷川 洋, 二村 雄次, 早川 直和, 神谷 順一, 前田 正司, 弥政 洋太郎
    1983 年 16 巻 7 号 p. 1380-1383
    発行日: 1983年
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
  • 桑原 義明, 三好 敦生, 植木 敏幸, 間野 正衛, 浦口 憲一郎, 西田 博之, 内藤 寿則, 下河辺 智久, 中山 陽城, 大曲 邦博 ...
    1983 年 16 巻 7 号 p. 1384-1388
    発行日: 1983年
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
  • 本邦報告例の検討
    冨岡 勉, 宮城 直泰, 中田 剛弘, 宮田 昭海, 天野 実, 森 英昭, 林田 政義, 佐伯 壮六, 松尾 武
    1983 年 16 巻 7 号 p. 1389-1394
    発行日: 1983年
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
  • 田畑 峯雄, 迫田 晃郎, 中村 雅晴, 平 明
    1983 年 16 巻 7 号 p. 1395-1398
    発行日: 1983年
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
  • 大沢 二郎, 小菅 貴彦, 白石 隆祐, 矢田貝 凱, 篠田 正昭
    1983 年 16 巻 7 号 p. 1399-1403
    発行日: 1983年
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
  • 東郷 庸史, 宮本 幸男, 池谷 俊郎, 須藤 英仁, 荒井 剛, 六本木 隆, 小堀 哲雄, 大和田 進, 水口 滋之, 神尾 政志, 川 ...
    1983 年 16 巻 7 号 p. 1404-1407
    発行日: 1983年
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
  • 久保 敦, 阪本 一次, 由井 三郎, 長山 正義, 奥野 匡宥, 梅山 馨, 井上 隆智, 水口 和夫
    1983 年 16 巻 7 号 p. 1408-1412
    発行日: 1983年
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
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