文化財としての価値の高い貴重書からデジタル画像を得る際には,資料の安全を最も重視して使用機器や方法を検討すべきである。デジタルファクシミリ用画像の入力では,ページ面への機器の接触を伴わない,カメラを用いたワンショット撮影で画像を得る方法が望ましく,1冊で数百ページ分に及ぶ作業の効率の面でも有利である。今回は,ワンショット撮影による2つの方法,すなわち,フィルムを用いた間接的な方法とデジタルカメラによる直接的な方法を,比較しながら概説する。また,貴重書のデジタル画像入力のために開発された専用装置の例を紹介する。
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