情報の科学と技術
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68 巻 , 6 号
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特集:図書館と企業の連携
  • 長屋 俊
    2018 年 68 巻 6 号 p. 267
    発行日: 2018/06/01
    公開日: 2018/06/01
    ジャーナル フリー

    昨今の図書館をめぐる情報環境の変化の流れは速く変化を捉え続けること,その上で状況を把握し実践に移すことの必要性が高くなってきています。ITに限らずものづくり技術やサービス開発力を持つ企業との連携は現在の変化の流れの中をいわば航海し続けていくために必要といえるでしょう。こうした連携事例は他の図書館/企業に対して新しいサービス展開の視点/技術提供の可能性を示してくれるはずです。本特集「図書館と企業の連携」はこのような意図で企画いたしました。

    各論1では十文字学園女子大学の石川敬史氏,日本事務器株式会社の渡辺哲成氏に人間型ロボットPepperを利用した新サービスの開発やガイダンス動画作成などについて司書課程の学生と企業との連携・協力により学びあいながら図書館活動を創造する実践事例を執筆いただきました。

    各論2では株式会社カーリルのふじたまさえ氏に様々な図書館と連携した同社サービスの事例やサービス設計時に考慮している点について,特に技術的レベルやコミュニケーションにおけるコストに関する課題の解決策について執筆いただきました。

    各論3では平賀研也氏に県立長野図書館におけるネーミングライツ制度導入による株式会社内田洋行との戦略的提携「知識情報ラボ『UCDL(ウチデル)』」の目的や取組み,効果,制度導入時の留意点について執筆いただきました。

    各論4では図書館づくりと子どもの本の研究所の平湯文夫氏に家具づくりと部屋づくりによって図書館の利用を促すよう演出する「平湯モデル」の開発及び事業展開を通じて得た知見,今後の同モデルの展開可能性について執筆いただきました。

    各論5では国文学研究資料館の松原恵氏,小宮山史氏,山本和明氏に歴史的典籍NW事業の江戸料理事業を通じた人文学オープンデータ共同利用センターやクックパッド株式会社とコラボしていく中で見えてきた可能性と課題について執筆いただきました。

    各図書館の規模の大小に関わらず網目としての結びつきの一部分であればネットワークの構成要素としての他館から受けられる恩恵によって自館のサービス可能性を拡大させることができます。図書館はこうした図書館同士の結びつきのネットワークを拡大・活用し資料・情報提供の質及び量を担保しサービス展開してきましたが,本号で取り扱ったように図書館同士だけではない図書館と企業というもう一つ別のレイヤーも眼前に広がっています。

    本特集が読者諸賢にとって日々の活動における一助となれば幸いです。

    (会誌編集担当委員:長屋俊(主査),小山信弥,松本侑子,水野翔彦,南山泰之)

  • 石川 敬史, 渡辺 哲成
    2018 年 68 巻 6 号 p. 268-271
    発行日: 2018/06/01
    公開日: 2018/06/01
    ジャーナル フリー

    十文字学園女子大学司書課程と日本事務器株式会社は,2013年より産学連携による教育実践を積み重ねてきた。これらの実践の目的は,学生と企業社員らが図書館システムを通して図書館の可能性をともに創造することであり,両者がとともに学びあうプロセスを重視している。本稿ではこうした実践のうち,①Pepperと図書館システムとの連携づくり(2016年度),②手話・字幕つきOPACガイダンス動画の制作(2017年度)を中心に,「学生傍聴」による図書館システムリプレイス(2017年度)についても報告する。産学連携による学びあいは,多くの学生や企業社員らを巻き込みながら広がっていく。

  • ふじた まさえ
    2018 年 68 巻 6 号 p. 272-275
    発行日: 2018/06/01
    公開日: 2018/06/01
    ジャーナル フリー

    2010年からサービスを開始した図書館検索サイト「カーリル」は2012年から株式会社カーリルが運営している。「図書館をもっと楽しく。」を掲げ,エンジニアの技術とデザイナーのパワーによって図書館の利用者に役立つサービスを展開している。最近では,図書館と連携してサービスを提供する機会も増えてきた。公共図書館の現場を経験した司書としての視点からカーリルの動向をまとめる。

  • 平賀 研也
    2018 年 68 巻 6 号 p. 276-280
    発行日: 2018/06/01
    公開日: 2018/06/01
    ジャーナル フリー

    県立長野図書館は,2015年から5カ年間の事業改革の視点として情報・空間・人の改革を掲げ,知識情報社会における情報基盤というポジショニングを模索している。本稿では,長野県の提案型ネーミングライツ制度を用いた株式会社内田洋行との戦略的提携により目指す「共知・共創の場としての図書館」の取組みを紹介する。

  • 平湯 文夫
    2018 年 68 巻 6 号 p. 281-284
    発行日: 2018/06/01
    公開日: 2018/06/01
    ジャーナル フリー

    日本の図書館も,ひと頃前までの,ごく一部の人たちの利用から,全市民に利用を広げようとして革命がおきて半世紀になるが,まだまだである。まだ利用を求めることを知らない多くの市民にまで広げていくにはどうしたらよいか。筆者は,公立図書館や学校図書館で,優しく機能的な家具づくりと部屋づくりの開発と実践につとめてきて,それなりの成果をえてきた。今回は,その経験とノウハウを,大学図書館や専門図書館にも広げていけないかを考えてみた。あわせて,IT化が進む中で,閉架から資料の公開を広げて,資料の原物を五感でとらえられる図書館にしたら,図書館利用を深め,広げていけるはずだと考察してみた。

  • 松原 恵, 小宮山 史, 山本 和明
    2018 年 68 巻 6 号 p. 285-290
    発行日: 2018/06/01
    公開日: 2018/06/01
    ジャーナル フリー

    国文学研究資料館(国文研)が進める歴史的典籍NW事業では,画像公開している古典籍をもっと自由に活用してもらう活動にも取り組んでいる。そのなかでも特に反響の大きかったのが「江戸料理」に関する事業で,人文学オープンデータ共同利用センター(CODH)などの研究機関や企業等とのコラボレーションに進展し,多くのメディアにも取り上げられた。そのあらましを述べたうえで,企業と連携していくなかで見えてきた可能性と,課題について考える。

3i研究会報告
連載:オープンサイエンスのいま
事例報告
  • 平井 克之, 林 貴宏
    2018 年 68 巻 6 号 p. 298-302
    発行日: 2018/06/01
    公開日: 2018/06/01
    ジャーナル フリー

    URAのプレアワード業務として,学内の研究者に対する研究資金公募情報のメール配信は,広く実践されている。一方で,研究者自身の研究分野と関係のある公募情報だけを知りたいという声も多い。そこで,公募のテーマに合致する研究者を抽出する推薦システムGaletteを開発した。研究者データとして,KAKENデータベースから取得した研究課題を使用し,自然言語処理により特徴ベクトルを作成した。検索クエリとしての公募文書も同様に特徴ベクトルを作成し,コサイン類似度でランク付けして結果を出力するシステムを実装した。全国の有志のURAの協力により推薦結果を評価したところ,良好な結果を得た。URAにとって,より有用なシステムの開発を目指している。

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