電子出版はいつでもどこでも本が入手でき読める環境を提供できる,出版市場拡大の切り札として,また読者層の拡大,新たな価値の創造や日本文化の継承などの観点でも大きな期待をされている。日本でも立ち上がった電子出版であるが,本当の意味での電子出版世界の実現には,まだまだ多くの課題が制作,流通面で存在し,電子出版の特徴とその可能性を活かしきれていないのが現状である。技術面では,ハードウェアとソフトウェアの両面からの解決が不可欠であり,ビジネス面では,多くの関連ビジネスの可能性を追求するとともに,電子出版そのものの価値を高めるだけでなく,印刷出版とのハイブリッドでより多くの価値を生み出すことが重要である。
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