情報の科学と技術
Online ISSN : 2189-8278
Print ISSN : 0913-3801
ISSN-L : 0913-3801
70 巻 , 7 号
選択された号の論文の13件中1~13を表示しています
特集:AI時代のインフォプロ
  • パテントドキュメンテーション委員会
    2020 年 70 巻 7 号 p. 335
    発行日: 2020/07/01
    公開日: 2020/07/01
    ジャーナル フリー

    知的財産管理が求められる業務は,事業戦略,情報分析,価値評価,発明・創造支援,ブランド・デザイン,デューデリジェンス,契約,リスクマネジメントなど様々です。こうした業務は,それぞれの専門家が様々に連携し合い,協働しながら進めてきました。

    一方,近年のIT技術の進展は,AI,RPA,IoTなどを駆使したより高度な情報化社会を生み出し,知的財産の分野ではIPランドスケープという言葉も頻繁に聞かれるようになってきました。

    こうしたいわばAI時代において,インフォプロの今後はどうなるのでしょうか。

    本特集号では,「知財活動に従事するインフォプロとしての心構え」,そして近年注目されている「IPランドスケープ」について解説された今年1月の新春セミナー「情報調査・分析およびインフォプロの今後」を軸に,知財情報の調査・分析業務の効率化,ツールとの協働・共創,インフォプロが吸収・成長すべきこと,身に着けたほうが良いスキル・知識・経験など,各国の状況や知財AI活動,学術文献調査の実態も含めて,各分野で最も輝いている専門家に執筆をお願いしました。

    はじめに,野崎篤志氏(株式会社イーパテント)の今年1月の新春セミナー「情報調査・分析およびインフォプロの今後」を,録音とプレゼン資料を基に再現しました。これを受けて,棚橋佳子氏(クラリベイト・アナリティクス・ジャパン株式会社)には,コンテンツ・プロバイダーとしてのお立場から,特許のみではなく学術文献についても含めて,今後のデータベースはAIの発展とともにどのように変化していくのかについて解説いただきました。平尾啓氏(アイ・ピー・ファイン株式会社)には,知財AI活用研究会の研究事例についてご紹介いただき,AIの具体的な知財活動への活用について解説いただきました。酒井美里氏(スマートワークス株式会社)には,「AIとの付き合い方」という視点で,各国のAI活用状況を紹介いただきながら,サーチャ-がAIと向き合うための心構えについて解説頂きました。つづいて桐山勉氏(はやぶさ国際特許事務所)に,IPランドスケープと各種AIを駆使してC-Suiteを説得できる,将来のインフォプロ像について提言いただきました。最後に,和田玲子,中村栄両氏(旭化成株式会社)に,企業におけるIPランドスケープの取り組みについて,自社の戦略的な知財情報活動を振り返りつつご紹介いただき,インフォプロが吸収すべきこと,身に着けたほうが良いスキル・知識・経験などについて,人材育成の立場からもまとめていただきました。

    今回の特集は,AI情報検索の分類からその活用,インフォプロのAIへの向き合い方,そして未来のインフォプロ像と人材育成までを盛り込みました。是非皆様の知的財産業務にお役立ていただけたらと存じます。

    PD委員会(佐藤秀顕,大島優香,桐山 勉,江口佳人)

    知財担当理事(屋ヶ田和彦)

  • 野崎 篤志
    2020 年 70 巻 7 号 p. 336-343
    発行日: 2020/07/01
    公開日: 2020/07/01
    ジャーナル フリー
  • 棚橋 佳子
    2020 年 70 巻 7 号 p. 344-348
    発行日: 2020/07/01
    公開日: 2020/07/01
    ジャーナル フリー

    機械学習や深層学習等のAI技術を取り入れて,データベース提供サービスを充実させることは,コンテンツ業界において,スタンダードになりつつある。本稿ではAI技術が高品質のコンテンツと融合することで見られる変化を,コンテンツ・プロバイダーの立場から考察する。ユーザの関わりや観点からAI技術とコンテンツの融合がもたらすインパクトを3つのパターンに分けた:1)製品やサービスの中にAI技術を組み込むことによる“製品+AI技術組み込み型”,2)コンテンツの製作過程にAI技術を組み込む“AI技術間接享受型”,3)ユーザとコンテンツ・プロバイダーが協働でAI技術を駆使し業務改善を実現する“AI駆動・個別構築型”。本稿では,これらの事例を概観する。

  • 平尾 啓
    2020 年 70 巻 7 号 p. 349-354
    発行日: 2020/07/01
    公開日: 2020/07/01
    ジャーナル フリー

    アイ・ピー・ファイン株式会社は2017年に「R&D知財AIシステム Deskbee」を発売したが,知財情報調査の効率化にはAIの性能だけでなく,他ツールとの連携やそれ自体の使い勝手が重要ファクターであると考えられた。そのため,利用者とともに研究する知財AI活用研究会を開催した。本年で2期2年が経過したが,研究会成果からのDeskbee機能改善事例と日本化薬株式会社奥村公人氏の報告(SDI調査のノイズ落とし作業の検証)を利用しての研究事例の紹介をする。

  • 酒井 美里
    2020 年 70 巻 7 号 p. 355-359
    発行日: 2020/07/01
    公開日: 2020/07/01
    ジャーナル フリー

    本稿では,海外代理人の意見やテストコレクション評価の現状,また特許管理業務への導入例などを通して「AI(人工知能)系調査ツールとの付き合い方」を考察する。海外特許庁では,審査引例調査へのAI導入が積極的に検討され始めている。一方,無効資料調査などの場面では「どんな手段で調査をするかは依頼者の責任」という考え方もあり,AIは補助手段に留まる傾向が強い。今後,私たちサーチャーはAI系調査ツールとどのように付き合っていくべきなのだろうか。本稿では導入に対する費用対効果や,海外でのAI系調査ツール評価に関する話題,音楽配信サービス用のレコメンドAIなどの例を通して,AI系調査ツールについて考える「視点」を提案する。

  • 桐山 勉
    2020 年 70 巻 7 号 p. 360-365
    発行日: 2020/07/01
    公開日: 2020/07/01
    ジャーナル フリー

    AI時代のインフォプロには何が求められているのだろうか。経営層であるC-Suiteに直接語ることができる知性を磨くことが求められている。その知性は1日に成らず,それを支えるビジョン・信念と人格と訓練・習慣とスキルが必要となる。一人では自分を育て上げることが難しく,最適な各種の勉強会に属して教えを乞うことも必要である。最近のスキルとしてはIPランドスケープをC-Suiteに語れることが必要と思われる。事例研究として空飛ぶタクシーのeVTOL/Hybrid-eVTOL機の研究を取り上げた。仮説と検証を繰り返すというシンプルな王道に沿って研究を実践した。情報調査と分析をスピーディーに可能性が高い方向に,正しい方向に向かわせるための目利き力と直観力と最大限に具現化するために論理思考などとの融合を検討した。そのプロセス(ex. PSDS法)と空飛ぶタクシー技術の将来断片を論述する。

  • 和田 玲子, 中村 栄
    2020 年 70 巻 7 号 p. 366-372
    発行日: 2020/07/01
    公開日: 2020/07/01
    ジャーナル フリー

    経営層に戦略的IP情報を資するIPランドスケープを遂行する知財アナリストには,調査・解析ツールの機能を使いこなすデータ解析能力と,経営層にインパクトを与える事業課題を浮き彫りにし,その解決手段の候補を導き出す解析シナリオ構築力が特に求められる。AI時代は,データ解析がAIによってレベルアップし,それを用いる解析シナリオに広がりや深みを出せる,アナリストにとって追い風の時代である。本稿では,旭化成における戦略的な知財情報の活動の歴史を振り返りながら,最近のIPランドスケープの活動を紹介し,AI時代のアナリストに求められる解析シナリオ構築力とそのレベルアップについて述べる。

連載:情報を計測し,法則化する~今に活かせる計量情報学の経験則
連載:情報科学技術に関する識別子
書評
協会記事
feedback
Top