本年度で20回目となる,記念すべきINFOPRO2023にご参加,ご登壇いただいた皆様,誠にありがとうございました。ご協力,ご協賛いただいた皆様にも厚く御礼申し上げます。さて,今回はCOVID-19後初めて対面での開催を行いました。ただし,最初はオンラインを中心として,会場にパブリックビューイングのような形で観られるようにするという,どちらかというと保守的なスタイルで準備しました。そして,初日の運営状況や参加者の反応を踏まえて,2日目はより会場での交わりが増える形,いわゆるハイブリッド開催に踏み切った格好となりました。2日連続で参加された方はこの変化にお気づきだったかと思います。この試行錯誤の経験から多くのことを学びました。
また,今回INFOPROのサイトをリニューアル(独立)して用意し,広報,事務手続きをなるべくデジタル化,あるいはwebやスマホファーストにすることを心がけました。この結果,約400名の過去最大級の参加者をいただき,過半が会員外の参加でした。さらに協賛も新規5つ,復活2つを含む12社に協賛いただきました。このように新しいマーケットの取り込みがある程度できました。さらに,今回は情報交流会(懇親会)を開催できたのも大きな成果でした。手弁当で準備した簡素なものではありましたが,むしろ,用意したものが余るくらいに皆さんが活発に交流され,我々の想像以上に会場が熱気に包まれました。これまでのアンケートでも懇親会開催の要望が高かったわけですが,やはり対面での交流の重要性を再認識した次第です。
前回からご縁をいただいた,URAの活動につきましても,ご縁をつなぐ形でいくつか発表をいただくことができました。さらに,トーク&トークでは,インフォプロとURAの連携につながる本質的な議論がなされ,スピンオフ企画が開始しております。すなわち,サーチャー,URA,図書館関係者といった多様な職種の方に,話題提供として各人の業務を紹介してもらうセミナーがこの10月より始まりました。
例年通り,本号の他の記事にて特別講演を始め,INFOPROの開催の様子を紹介しております。今回も実行委員,事務局他のみなさまのチームワークで,開催から記事執筆までこぎつけました。この場を借りて関係の皆様に今回も“熱く”御礼申し上げます。
最後に,2022年度に引き続き本協会副会長を拝命しており,INFOPROの改善のみならずINFOSTAおよび事務局のDXを念頭に改革に清田会長と共に着手しております。そして,実行委員長を兼任しているINFOPROを改革の一つの“試行の場”として取り組んでおります。もちろん,これまでの活動の本質は引き継ぎながらどう進化させるかを折に触れて考え,そして,ベストエフォートとして実践してみることを繰り返すことになります。次回のINFOPROに向けて,引き続きみなさまのご支援ご協力を賜りますよう,どうぞよろしくお願い申し上げます。
(INFOPRO2023 実行委員会委員長 林 和弘)
INFOPRO2023 実行委員会 委員長:林 和弘(科学技術・学術政策研究所),副委員長:川越康司(ジー・サーチ),委員:川本敦子(東芝),北川道成(三菱ケミカルリサーチ),木村光宏(㈱アドスリー),寺脇一寿(医学中央雑誌),長谷川幸代(跡見学園女子大学),平井克之(新潟医療福祉大学),松原友紀子(筑波大学),宮田和彦(クラリベイト),光森奈美子(海洋研究開発機構),矢口 学(科学技術振興機構),担当理事:増田 豊(ユサコ),清水美都子,岡 紀子
発明通信社は創業以来70余年にわたり企業や特許事務所へ,特許情報やデータベース,特許調査など様々なサービスを提供している。その中のうち,特許検索データベースのHYPAT-i2は検索・表示・出力などの機能以外に検索結果の分析や検索用のキーワードを提案する機能を備えている。これらの機能は検索結果を集計して検索集合の傾向がどのようなものかを表示するだけではなく,利用者がこれから行う検索の方向性を確認するツールとしても有効である。本稿では簡単ではあるが実例を用いてこれらの分析機能の使い方の説明と本年4月にリリースしたHYPAT-DUのAI解析を利用したAI-SDIの紹介をする。