土木学会論文集
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2005 巻 , 802 号
V-69
選択された号の論文の18件中1~18を表示しています
[投稿論文]
和文論文
  • 白子 将則, 吉川 弘道
    2005 年 2005 巻 802 号 p. 802_1-802_14
    発行日: 2005年
    公開日: 2006/05/19
    ジャーナル フリー
    本論では単柱形式の鉄筋コンクリート柱部材を対象とし, 繰返し荷重によるせん断劣化やひび割れ角度, 靭性能を実験・解析両面から検討するものである. まず, 従来のせん断耐力式のコンクリート抵抗成分に繰返しの劣化現象を考慮し, さらに修正圧縮場理論により得られたひび割れ角度を帯鉄筋抵抗成分に考慮した. そして変形解析と併記させることで, 曲げ降伏後の変形の進展に伴うせん断耐力の低下, およびひび割れ角度の変化を忠実に追随できる評価手法を提案した. これらの条件をふまえ, パラメトリック数値シミュレーションや実験的検討を行った. その結果, RC単柱の変形性能評価手法の妥当性を検討した.
  • 森川 英典, 鴨谷 知繁, 梶田 宏行
    2005 年 2005 巻 802 号 p. 802_15-802_31
    発行日: 2005年
    公開日: 2006/05/19
    ジャーナル フリー
    本論文は, 劣化したRC構造物に対して有力な曲げ補強工法である連続繊維シート接着工法に着目し, 各要因の相違を考慮したシート補強RCはりのシートはく離特性の評価およびモデル化, 要素試験としての付着試験に基づくシート補強RCはりのシートとコンクリート付着構成則の算出手法の提案および分散ひび割れ型有限要素解析への適用性の検証を目的に検討を行ったものである. その結果, シート補強RCはりのシート有効付着長は曲げの影響で付着試験のそれより長い, シートはく離は載荷点近傍の局所的な鉄筋降伏により発生する, 付着試験に有効付着長の相違を考慮することでシート補強RCはりの付着構成則を算出でき, 分散ひび割れ型の有限要素解析に適用可能であることなどが明らかとなった.
  • 高瀬 和男, 塩永 亮介, 佐久間 隆司, 鈴木 康範, 丸山 久一
    2005 年 2005 巻 802 号 p. 802_33-802_48
    発行日: 2005年
    公開日: 2006/05/19
    ジャーナル フリー
    膨張材の有効性を応力度として解析において推測する場合, 初期材齢の有効ヤング係数は解析精度の上で最も重要な力学的特性値の1つである. 本論文は, 場所打ちPC床版に用いる早強ポルトランドセメントによる膨張コンクリートにおける初期材齢の有効ヤング係数を一軸拘束供試体において拘束鋼材を解放する試験, およびインバー鋼を用いた一軸拘束供試体の試験から得られた結果から推測すると共に, 初期材齢時に生じるクリープによるヤング係数の低減係数について温度応力解析を用いて検討した. その結果, 土木学会コンクリート示方書に示される低減係数と異なり, 材齢初期の温度ピークまでは0.5と小さな値を, また温度ピークから材齢3日目までの早期に低減効果が終了するとしたクリープの低減係数を提案した.
  • 郭 度連, 國府 勝郎, 宇治 公隆
    2005 年 2005 巻 802 号 p. 802_49-802_59
    発行日: 2005年
    公開日: 2006/05/19
    ジャーナル フリー
    高炉スラグ微粉末の置換率による養生期間ごとの細孔径分布を測定するとともに, 水酸化カルシウム量を測定し, 置換率による細孔構造の変化及び反応に関する考察を行った. その特性をベースとして促進中性化試験を行い, 40nm以上の細孔量の評価および炭酸ガスと反応する水酸化カルシウム量の評価を通じ, 高炉スラグ微粉末を用いたモルタルの中性化進行速度を検討した. その結果, 水酸化カルシウム生成量は, 置換率によって直線的に変化しており, 普通ポルトランドセメントを用いたモルタルの水酸化カルシウム生成量からある程度推定出来ることを明らかにした. また水酸化カルシウム量と中性化速度係数は指数関数的な相関関係にあり, 高炉スラグ微粉末を用いたモルタルの中性化進行速度を定量化することができた.
  • 半井 健一郎, 石田 哲也, 岸 利治, 前川 宏一
    2005 年 2005 巻 802 号 p. 802_61-802_78
    発行日: 2005年
    公開日: 2006/05/19
    ジャーナル フリー
    温度履歴によるセメント水和生成物の物理的性状変化を, 熱力学連成解析における材料パラメータを変化させることで考慮し, 断熱試験および常温封緘試験における水和特性, 細孔空隙構造, 内部相対湿度変化に与える温度履歴の影響について, 系統的な感度解析を行った. その結果, 高温環境下では, 水和生成物がセメント粒子近傍に密に析出すること, および水和物析出可能空間が微細空隙へ拡大することの両者を共に考慮することで, 様々な養生温度履歴と広範囲の水セメント比配合に対して, セメントの水和反応と硬化体形成の過程を高精度に予測できることを示した. 特に, 高温度履歴を受ける場合と低水セメント比配合のコンクリートに対し, 従来解析モデルの高精度化が図られた.
  • 半井 健一郎, 石田 哲也, 前川 宏一, 中根 理史
    2005 年 2005 巻 802 号 p. 802_79-802_96
    発行日: 2005年
    公開日: 2006/05/19
    ジャーナル フリー
    本研究は, セメント硬化体からのカルシウム溶脱による長期的な変質劣化を, 時空間で追跡可能な数値解析システムの確立を目指したものである. 温度, 水和進行, 細孔組織形成, 細孔内塩化物イオン濃度の各状態量とカルシウムの固液相平衡を強相関関係に結び, 時々刻々と変化する水和生成物量・空隙構造・水分および塩化物イオンの移動を統括する熱力学連成解析システムと統合した. これにより, カルシウム溶脱解析の適用範囲を拡張することが可能になった. 浸漬試験結果との比較によりモデルの適用性を定量的に検討するとともに, 温度変動, 塩化物イオン侵入, 混和材料の混入に伴う溶脱特性の変化, 溶脱と再水和の連成について分析を行い, 各種要因を考慮したカルシウム溶脱解析が可能であることを示した.
  • 松尾 幸久, 溝部 有人, 清宮 理
    2005 年 2005 巻 802 号 p. 802_97-802_108
    発行日: 2005年
    公開日: 2006/05/19
    ジャーナル フリー
    鋼・コンクリートによる合成部材が沈埋トンネル構造部材に採用されているが, 鋼板が道路内側に位置していることからトンネル内の車両火災対策が必要である. 今回セラミック系の耐火板を合成構造模型の表面にボルトで取り付け, 想定された車両火災による温度履歴に対して構造部材の温度上昇の状況を加熱炉による試験により調べた. この結果耐火板で被覆された合成部材内の温度上昇は, 設計許容温度内に設定できるものの, 鋼板の浮き上がり現象, 目地部での温度上昇などが見られた. またコンクリート中の水分の存在や鋼板とコンクリートの剥離を考慮した有限要素法による熱伝導解析は, 今回の実験での現象を比較的良く再現できることが判明した.
  • 田中 泰司, 岸 利治, 前川 宏一
    2005 年 2005 巻 802 号 p. 802_109-802_122
    発行日: 2005年
    公開日: 2006/05/19
    ジャーナル フリー
    先行ひび割れや人工亀裂を有する部材は, 処女載荷を受ける部材と耐荷挙動が異なる場合があり, これはRC部材のひび割れ経路依存性が耐荷機構に与える効果の一種として解される. その効果は正負どちらにも発現しえるが, 特に人工亀裂については, 亀裂の方向が大きく関っていることが, 実験的に実証されている. 本研究では, 水平方向に人工亀裂が配置された梁部材の曲げせん断試験を行い, 人工亀裂を有する部材がタイドアーチ的な効果を増進させることで部材のせん断耐荷能力が向上することを示し, 集中荷重条件下では支点―載荷点を結ぶ直線上に亀裂端部が交差しないように配置される場合に耐力増進効果が最適化されることを実験的に示した. また耐力増進作用が発現する条件について, 特に定着部での応力場に着目し, 検討を行った.
  • 河野 克哉, 二羽 淳一郎, 岡本 享久
    2005 年 2005 巻 802 号 p. 802_123-802_136
    発行日: 2005年
    公開日: 2006/05/19
    ジャーナル フリー
    内部に独立空隙を有する低吸水性の高品質な軽量骨材が開発・実用化されており, 高性能AE減水剤などと組み合わせて水セメント比を低減することで軽量骨材コンクリートの高強度化が可能になっている. 本研究では, このような高品質軽量骨材を用いた低水セメント比コンクリートにおいて, 配合条件ならびに養生条件が体積変化に与える影響を検討した. その結果, 高品質軽量骨材に含まれる水分が少ないほど乾燥収縮は低減するものの, 自己収縮が増大すること, また, 骨材中の水分は養生水として機能するために硬化セメントの細孔構造を変化させ, 収縮機構に影響を与えることが明らかになり, さらに, 普通骨材を用いた高強度コンクリートと同様に全収縮に占める自己収縮の割合が大きいこともわかった.
  • 半井 健一郎, 石田 哲也, 前川 宏一
    2005 年 2005 巻 802 号 p. 802_137-802_154
    発行日: 2005年
    公開日: 2006/05/19
    ジャーナル フリー
    本研究は, これまでナノ~マイクロスケールのセメント硬化体の微細空隙構造を対象として開発したモデルを, マイクロ~ミリスケールの土粒子間の空隙構造へと拡張し, 個々の空隙中の物質平衡状態を熱力学モデルで統一して記述する多相物理化学モデルを構築するものである. セメント改良砂の水和発熱, 空隙内の相対湿度変化, セメント硬化体から地下水へのカルシウム溶出現象などに関する実験結果から, 提案する手法の妥当性を確認した. カルシウム溶出劣化についての解析検討から, 粗大な空隙を有するセメント改良砂は地下水の移流の影響を受けて劣化が促進しやすいこと, 周辺地盤の存在が劣化の進行を低減させることなどを示し, マルチスケール解析の重要性を確認した.
  • 睦好 宏史, 牧 剛史, Govinda Raj PANDEY, 杉田 清隆
    2005 年 2005 巻 802 号 p. 802_155-802_169
    発行日: 2005年
    公開日: 2006/05/19
    ジャーナル フリー
    兵庫県南部地震以降, 道路および鉄道用鉄筋コンクリート (以下RC) 構造物の耐震設計基準が大幅に改訂され, 設計地震荷重が大きく引き上げられた. これに伴い, 地震力を受けるRC構造物のせん断耐力や靭性がこれまで以上に要求されるようになった. その結果, 多量のせん断補強筋および軸方向鉄筋を配置するために, 施工性や経済性などの新たな問題が生じている. 本研究は, 軸方向鉄筋とコンクリートとの付着を制御することにより, せん断補強筋の量を増やすことなく, RC柱部材のせん断耐力および靭性を著しく向上できる画期的手法を実験により明らかにするとともに, 付着の制御によってRC柱の耐荷機構が変化する現象を解析的に明らかにした.
  • 佐川 康貴, 川端 雄一郎, 松下 博通, 三宅 淳一, 開 進一
    2005 年 2005 巻 802 号 p. 802_171-802_180
    発行日: 2005年
    公開日: 2006/05/19
    ジャーナル フリー
    本研究では, 一般廃棄物から生成される都市ごみ溶融スラグのコンクリート用骨材としての適用性を検討するために, 異なる過程により生成された4種類のスラグを用いて化学成分及び物理的性質に関する試験, モルタルによる各種試験を行うとともに, 粒子の硬さや形状の改善を目的とした磨砕加工の効果について検討した. その結果, スラグの化学組成はほぼ同様の成分比であったが, 物理的性質には差が生じること, 普通骨材と比較してモルタルのブリーディング及び空気量が増加すること, 磨砕加工により物理的性質及びコンシステンシーの改善が可能であるが, 圧縮強度が低下することを示した. また, 圧縮強度低下の原因として, スラグ表面の平滑さに起因する付着の低下について考察した.
  • 鳥取 誠一, 宮川 豊章
    2005 年 2005 巻 802 号 p. 802_181-802_196
    発行日: 2005年
    公開日: 2006/05/19
    ジャーナル フリー
    中性化と初期塩化物イオンの複合的影響を受ける場合の鉄筋腐食速度を把握するため, 初期塩化物イオンを含み, 促進中性化を施した格子状に配筋した供試体の屋外暴露試験を実施するとともに, 実構造物の調査結果を分析した. 暴露試験から, 供試体の下端筋は暴露初期においてマクロセルの影響により, 腐食速度が大きくなるが, 経年とともに腐食速度が低下し, ほぼ桝田式による腐食深さに達することが把握された. また, 実構造物から推定される腐食速度も桝田式に近いことが確認された. 以上の結果を基に, 構造物の劣化予測法を示した.
  • 本松 資朗, 神谷 恵三, 松本 大二郎, 山田 優
    2005 年 2005 巻 802 号 p. 802_197-802_208
    発行日: 2005年
    公開日: 2006/05/19
    ジャーナル フリー
    ハイブリッド舗装混合物は1回の舗設で, どのようにして上層部が高空隙率で下層部が密実な構造を形成できるのかなど, 配合設計に関わる技術的課題について検討した. その結果, ハイブリッド舗装の構造形成には鉄輪主体の転圧が寄与していることやアスファルトのダレにはアスファルトの高温動粘度と細骨材の粒度が影響していることなどを見出し, ダレ評価手法として静的・動的ダレ試験を開発しダレ評価基準を示した. また, 上層の高空隙部を規定するために真空パックかさ密度を, 下層の密実部を規定するために見掛け密度を適用して配合設計基準を示すとともに, 配合設計方法のマニュアル化を検討した.
  • 荒木 弘祐, 服部 篤史, 宮川 豊章
    2005 年 2005 巻 802 号 p. 802_209-802_222
    発行日: 2005年
    公開日: 2006/05/19
    ジャーナル フリー
    コンクリート中の鉄筋は, 塩害や中性化等の劣化要因により腐食することが広く知られている. 鉄筋の腐食は, 見かけ上の鉄筋の体積膨張を引き起こし, 腐食膨張圧を発生させる. 体積膨張が進むと, かぶりコンクリートの剥離を引き起こし, コンクリート片の落下による第三者損傷の危険性が高まる.
    本論文は, 鉄筋腐食膨張圧をモデル化した実験を行い, 腐食膨張圧や見かけ上の鉄筋半径の増加量を把握するとともに, かぶりや腐食長さが両者に与える影響について検討を行った. その結果, 剥離に至る半径変化量や腐食膨張圧は, かぶりに正比例することや, 腐食長さと指数関数の関係があることが明らかとなった. また, 第三者損傷防止を目的とし, 確率手法を用いて補修計画策定方法を提案した.
  • 亀山 修一, 川端 伸一郎, 豊田 邦男, 川村 彰, 姫野 賢治
    2005 年 2005 巻 802 号 p. 802_223-802_234
    発行日: 2005年
    公開日: 2006/05/19
    ジャーナル フリー
    本研究では, 寒波に見舞われた2000年と2001年の冬季に寒冷地の高速道路で測定した縦断プロファイルを解析し, 凍上によってラフネスが増大した高速道路の縦断プロファイル特性を明らかにすることを目的とした. 冬季におけるIRIの変動を解析した結果, 切土部における冬季IRIの増加速度は凍結速度に依存すること, およびIRIの冬季最大増加量と最大切土高さには相関があることが分かった. また, 切土部では, 凍上によって縦断プロファイルに含まれる波長5.7m以上の長波長成分が増加し, その増加速度は凍結速度に大きく影響されることが分かった. さらに, 凍上によって増加する長波長成分の中でも波長5.7~22.6mの成分の増加が冬季のIRIおよび舗装に作用する動荷重の増加をもたらすことを明らかにした.
和文報告
  • 小島 孝昭, 豊福 俊泰, 小林 一輔
    2005 年 2005 巻 802 号 p. 802_235-802_253
    発行日: 2005年
    公開日: 2006/05/19
    ジャーナル フリー
    屋嘉比橋は, 旧橋が塩害により著しく劣化したため, 架け替え架設したPC橋である. 塩害対策工の新技術を各種検討した結果, コンクリートにPC道路橋としてわが国最初である高炉スラグ微粉末6000を用いたコンクリート, PC鋼線にエポキシ樹脂全塗装PC鋼より線, 鉄筋にエポキシ樹脂塗装鉄筋, シースにプラスチックシースをそれぞれ採用することにより, ミニマムメンテナンスを考慮した高耐久性PC橋の建設を行った.
    本研究は, 建設時に材齢10年までの現地暴露試験を計画し, 暴露5年まで追跡調査した結果を総合的に解析することにより, 塩害に対応した高耐久性PC構造物の建設と防食効果について検討した. その結果, 採用した対策工はいずれも防食性能が優れており, 塩害に対して効果的であることが検証された.
和文ノート
  • 浜田 純夫, 毛 明傑, 田中 宏明, 楊 秋寧
    2005 年 2005 巻 802 号 p. 802_255-802_260
    発行日: 2005年
    公開日: 2006/05/19
    ジャーナル フリー
    海岸地帯に架設された鉄筋コンクリート橋には, 輪荷重走行による損傷破壊だけではなく, 海洋の高温多湿の環境条件下での鋼材腐食による塩害損傷も常時発生する. 塩害による損傷に対する対策の1つとして, かぶりを増加させることが挙げられている. かぶり厚さを増加させるにつれて輪荷重に対する抵抗能力も増大する. しかし, その強度増加が十分に大きいとは限らない. 道路橋示方書では最小床版厚で規定され, 引張側のかぶりが大きい場合も同様に全厚で規定されている. また, ほとんどのせん断強度算定式はかぶり厚さをパラメータとして考えていない. 本研究では引張側かぶり厚さの異なる床版供試体を製作し, RC床版の押抜きせん断強度に対するかぶり厚さの影響を検討した.
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