日本農芸化学会誌
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53 巻, 1 号
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  • 島田 淳子, 矢沢 悦子, 吉松 藤子, 加藤 博通, 藤巻 正生
    1979 年 53 巻 1 号 p. 5-11
    発行日: 1979年
    公開日: 2008/11/21
    ジャーナル フリー
    手延素麺と機械素麺,およびこれらの厄による物性変化とその原因を探索し,次の結果を得た.
    1. ゆでた手延素麺または麺粉から調製したゲルは,機械素麺からのそれに比し硬い.また,厄を越すことにより硬さは増加する,一方,凝集性は厄により減少する.
    2. 手延素麺から分離したデンプンで作ったゲルは,機械素麺からのものより硬い.しかし,厄による硬さの変化は麺粉ゲルと一致しない.凝集性も厄により変化しない.
    3. グルテンに綿実油を加えて作った麺は,無添加の麺より硬さは大きく,凝集性は小さい.グルテンをインキュベートした後で製麺すると,硬さは増加するが,油脂添加グルテンの方がその傾向は大きい.一方,凝集性はインキュベーションにより減少する.
    4. 試料を水溶性,グリアジン,グルテニン,スラッジおよびデンプン粒の5区分に分画した収量およびタンパク質の分布は,厄の有無により変わらない.
    5. 各区分のSDS電気泳動パターンは,厄2回まで変化しない.
    6. 手延素麺製造に用いられた油脂は,主としてグルテニン区分に,次いで水溶性およびスラッジ区分に分布した.厄前の遊離脂肪酸は,スラッジ区分にのみ存在したが,厄によりグルテニンおよび水溶性区分のそれが増加した.
    7. 厄前後の手延素麺をペプシンで分解し,分解前後の水飽和ブタノール抽出量を比較すると,分解後に抽出される量は少ないが,厄により増加していった.脂質の組成は,分解前に抽出されたものはトリグリセライドが主であったが,分解後のそれは遊離脂肪酸が主であった.
  • 内藤 謙一
    1979 年 53 巻 1 号 p. 13-15
    発行日: 1979年
    公開日: 2008/11/21
    ジャーナル フリー
    A flavonoid was extracted from mulberry leaves with 80% methanol, and the physicochemical properties were as follows: mp. 193_??_6°C, UV λEtOHmax: 267nm (log ε 4.10), 350nm (log ε 3.96), elementary analysis: C, 53.09%; H, 4.42%.
    Kaempferol and glucose were detected by P. P. C using five solvents after hydrolysis, and binding site and number of glucose were decided by UV absorption and P. P. C. A mulberry flavonoid was identified finally as kaempferol-3-glucoside, Astragalin, by comparing with an authentic sample of Astragalin on the basis of IR spectra and the Rf values of P. P. C.
  • 近藤 泰男, 増田 和子, 黒岩 知恵子
    1979 年 53 巻 1 号 p. 17-20
    発行日: 1979年
    公開日: 2008/11/21
    ジャーナル フリー
    黒緑豆を暗所で7日間発芽させ,ステロール配糖体(ASG, SG)の変動を調べた.
    種子の糖脂質クラスの中では大部分を占めたASGは,発芽後経日的に減少し7日目では最も少ない糖脂質クラスであった.
    SGの割合は発芽過程で大きな変動が認められなかった.
    各ステージのASGとSGの講成ステロールはβ-シトステロールとスティグマステロールが主要なもので,経日的にスティグマステロールが増加した.
    各ステージのASGの構成脂肪酸はパルミチン酸が大部分を占めるが,経日的に減少し,リノール酸,リノレン酸が増加した.
    ステロール配糖体の構成糖はいずれのステージともグルコースのみが検出された.
  • 亀井 鑠, 竹内 典子, 国枝 靖子, 利部 光四郎
    1979 年 53 巻 1 号 p. 21-26
    発行日: 1979年
    公開日: 2008/11/21
    ジャーナル フリー
    ガラスビーズを担体とし,大腸菌29M産生抗原多糖をリガンドとする免疫吸着体を調製した.その免疫吸着体を用いてウサギ抗血清から大腸菌29M産生抗原多糖に対する抗体の分離を試み,純度の高い抗体を得ることができた.この精製抗体と抗原多糖を用いて抗原-抗体反応を行い,当量域において得られた反応複合物の分析から抗原多糖の反復単位2.5個に対し1分子の抗体が結合していることが認められた.さらには大腸菌29M産生抗原多糖のように,その構成分にウロン酸やピルビン酸のような有機酸を含む場合,それらの酸のカルボキシル基が抗原-抗体反応複合物の形成に関して大きな影響力をもっていることが推定された.
  • 栗本 靖彦, 加藤 良樹, 内田 一生, 吉野 宏
    1979 年 53 巻 1 号 p. 27-34
    発行日: 1979年
    公開日: 2008/11/21
    ジャーナル フリー
    各種培養条件下におけるAspergillus oryzae var No. 13菌体内cAMP, cGMPレベルを検討した結果,次のようにA. oryzaeの菌体内cAMP, cGMPレベルは培養方法により大きく影響されることが見いだされた.
    1. 固体培養菌体のcAMPレベルは液体培養菌体レベルの6~20倍高かった.同じ固体培養でも水分含量を高くするとcAMPレベルが低くなり,液体培養菌体レベルに近づいた.
    2. 20°Cから40°Cの範囲では,培養温度が高いほど菌体内cAMPレベルおよびcAMP/cGMPは高い傾向が観察された.
    3. cAMPレベルは培養初期に高く,中期に低くなり,後期に再び高くなるパターンがみられた.
    4. cGMPレベルはいずれの培養条件においても生育とともに減少した.
  • 野間 義明
    1979 年 53 巻 1 号 p. 35-39
    発行日: 1979年
    公開日: 2008/11/21
    ジャーナル フリー
    Carvoneの微生物転換に関する研究の一環として本報ではNocardia lurida A-0141およびStreptosporangium roseum IFO 3776による(-)-carvoneの転換反応について検討した.その結果を次に要約する.
    (1) Nocardia lurida A-0141およびStrepto-sporangium roseum IFO 3776の両菌株は(-)-carvoneから転換主生産物として(+)-neoisodihydrocarveol (I-F)を生成した.この結果より, I-Fの生成経路として,エピメル化反応を含むと考えられる(-)-carvone→I-A→I-B→I-Fの経路(経路1)と(-)-carvone→I-B→I-Fの経路(経路2)が推察された.
    (2) 経路1の存在の有無を検討すべく,両菌株による(+)-dihydrocarvoneと(+)-isodihydrocarvoneの混合物(92:8)や(+)-neodihydrocarveolの転換反応を行ったが, (+)-dihydrocarvoneと(+)-isodihydrocarvoneとの間にエピメル化反応過程が存在することを確認することはできなかった.
    それらの結果よりNocardia lurida A-0141およびStreptosporangium roseum IFO 3776による(-)-carvoneからのI-Fの生成は経路2を経て生成されるものと推察した.
    これらの結果,微生物によるcarvoneの転換反応様式は多様であると考えられる.
  • 久山 宏, 古川 俊夫, 碇 弘毅, 露木 宏, 北本 六良, 二木 雅子
    1979 年 53 巻 1 号 p. 41-43
    発行日: 1979年
    公開日: 2008/11/21
    ジャーナル フリー
    Both disappearance rates of copper terephthalate by soil-microorganisms and terephthalic acid in the presence of cupric ion by soil-microorganisms were investigated by a spectrophotometric technique.
    When soil-microorganisms were incubated with 1000 ppm terephthalate in culture medium containing 50 ppm cupric ion and mineral, a large amount of terephthalate disappeared within 2 weeks' culture period.
  • I. 背景と目的
    ヒピ サトシ
    1979 年 53 巻 1 号 p. L1-L6
    発行日: 1979年
    公開日: 2008/11/21
    ジャーナル フリー
  • N. Y.
    1979 年 53 巻 1 号 p. N1-N2
    発行日: 1979年
    公開日: 2008/11/21
    ジャーナル フリー
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