【目的】企業内DBの運用状態を経済的観点より,定量的に把握する為に情報の利用回転率なる概念を定義し,当該システムの運用評価を行った。【内容】企業の全蓄積量=X件,全検索回数=Z回,全利用件数=Y件とすると,Z=αX^n (1)なる関係が成立する.又1回の検索で平均ω件の文書が利用されたとすると,Y=ωαX^n となる.1件あたりのバージンコストをτ_0円/件として,全投下費用(τ_0X)はX/(X+Y)に希釈されると考え,経時的単価を回転コストτ円/件とすると,τ=τ_0X/(X+Y)=τ_0/(1+ωαX^<n-1>)(2)となり,利用回転率(λ=Y/X=ωαX^<n-1>)と式(2)より,τ=τ_0/(1+λ)(3)となる.【結論】式(3)より情報の単価を下げるには,利用回転率λの増大速度を高めることが必要である.又式(1)の次数nと式(3)よりシステムの運用状態を次のように評価できる.(a)n<1.0の時:τは増大しτ_0に漸近する.故に運用は中止するか,再構築を要す.(b)n≒1.5の時:効率は低く,改善を要す.(c)n≒2.0の時:効果が出る迄尚時間がかかる.(d)n≧2.5の時:極めて好調に運営されている.
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