本研究では, 持続的注意の視野特性について, 二重課題法を用いて検討した.主課題として, 円環状に配列したガボールパッチを40分間継時的に提示し, 被験者にはその中に他とは異なる特徴を持つガボールパッチが含まれているか否か, また含まれていた場合にそれは左上, 右上, 左下, 右下のいずれの視野に出現したかについて反応するように求めた.副課題は音刺激の周波数弁別課題であった.主課題の結果に関して, 左視野に提示された刺激に対する知覚的感受性(A')は右視野と比べて高いが作業時間の経過とともに比較的急峻に低下するのに対して, 右視野におけるA'は左視野と比べて低いながらも作業時間の影響を受けにくいことが示された.これらの結果から, 持続的注意の機能的ラテラリティ特性について議論された.
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