磁気記録媒体の熱磁気緩和を示す磁化の減衰曲線は, 長時間(24時間)測定すると対数時間軸に対して非線形な挙動を示す.本論文では, これら媒体の磁化減磁曲線の対数時間軸に対する傾斜曲線, すなわち, 磁気粘性係数の時間変化を関数近似して, メタルテープとBaフェライトテープについての測定データを基に, 熱磁気緩和時定数の推定を行なった.その結果, 顕著な非線形磁化減衰が得られているBaフェライトテープに対して, 一様分布関数では, τ_1=50 sec, τ_2=10^5 sec(27.8時間)程度, 対数正規分布で平均値τ_m=5000 sec(1.4時間), 標準偏差τ_8=200 sec程度となった.
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