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原稿種別: 表紙
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Cover1-
発行日: 2011/03/08
公開日: 2017/09/21
会議録・要旨集
フリー
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原稿種別: 目次
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Toc1-
発行日: 2011/03/08
公開日: 2017/09/21
会議録・要旨集
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久米 拓弥, ルセナ ファウスト, 工藤 博章, 大西 昇
原稿種別: 本文
セッションID: HI2011-29/3DIT2011-1
発行日: 2011/03/08
公開日: 2017/09/21
会議録・要旨集
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心拍変動に含まれる各周波数成分の構成は,自律神経活動を反映する指標として重要である.この時間変化を示すためには,短時間フーリエ変換(STFT)やウェーブレット変換(CWT)がよく用いられる.しかし,これらの手法は,データに依らず決められた基底を用いる手法である.一方,独立成分分析(ICA)は,データをいくつかの基底の線形結合であるとみなし,データの統計的な特徴から基底を学習する手法である.本研究では,異なる提示条件での映像視聴時の,自律神経活動の時間変化を解析することを目標とし,ICAにより心拍変動データから学習した基底が解析に有効かどうかを検討した.異なる3つの提示条件で同一内容の映像を視聴した際の心拍変動の解析に学習した基底を適用した結果,従来のSTFTよりも,映像刺激に対する心拍変動の反応を詳細に捉えるのに有効である可能性を示す結果が得られた.
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土井 泰法, 松本 哲也, 竹内 義則, 工藤 博章, 大西 昇
原稿種別: 本文
セッションID: HI2011-30/3DIT2011-1
発行日: 2011/03/08
公開日: 2017/09/21
会議録・要旨集
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本研究は利用者に商品棚にある商品情報を提示し,選んだ商品へと誘導するシステムを提案する.商品情報はカメラで取得した画像中の商品棚ラベルを認識することで取得する.商品棚ラベル認識には(1)様々な種類のラベル,(2)複雑な背景,(3)ラベルと同色の背景,(4)ラベルの重なり,(5)商品名と価格の関連付けなどの課題がある.本研究ではラベル要素とラベルモデル照合によりこれらの課題に対応する.ラベル要素の識別にはSVMを用いる.商品への誘導は,音声合成による商品棚の商品情報の提示,選んだ商品位置の提示により行う.実店舗で撮影したラベル3種類,65枚を含む画像35枚を用いた実験により,各課題への対応が確認できた.
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大畑 深志, 竹内 義則, 松本 哲也, 工藤 博章, 大西 昇
原稿種別: 本文
セッションID: HI2011-31/3DIT2011-1
発行日: 2011/03/08
公開日: 2017/09/21
会議録・要旨集
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1枚のカラー自然画像を、オブジェクト領域と背景領域とに領域分割する手法を提案する。ユーザーの補助なしに、複数色からなる不特定のオブジェクトを抽出することを目的とする。最初にk-meansクラスタリングによって画像を多数の小領域に過分割し、それを5つの併合規則に則って徐々に併合していく。併合規則は小領域の位置関係や形状などの幾何的特徴の他、写真撮影時にピントの合っていた領域であるかどうかを表す独自の尺度「フォーカス度」に基づく。実画像を用いた実験では、同様の問題設定をとる従来法と比べ、領域境界線がその真値に対して高い適合率を示した。
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今野 瞳, 青木 輝勝
原稿種別: 本文
セッションID: HI2011-32/3DIT2011-2
発行日: 2011/03/08
公開日: 2017/09/21
会議録・要旨集
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近年では、3次元コンピュータグラフィックスによる動作生成において、骨格構造を持つモデルが主流となっている。本研究では、ガウス球を用いた関節位置推定手法を提案する。提案方式を用いることにより、骨格生成の作業を自動化することができ、モデリングと動作生成の間の作業を簡易化することが可能となる。
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塩見 友樹, 堀 弘樹, 上本 啓太, 杉山 阿聖, 宮尾 克
原稿種別: 本文
セッションID: HI2011-33/3DIT2011-2
発行日: 2011/03/08
公開日: 2017/09/21
会議録・要旨集
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現在,立体映像技術において,よく問題視されるのは立体視による疲労や立体酔い等の悪影響である.その原因に水晶体調節反応と輻輳運動の乖離がよく挙げられるが,我々は先行研究で,乖離は確認されないと述べてきた.しかし同時に計測できず,その立証が不十分であった.今回我々は調節と輻輳を同時計測する方法を開発し,実物体を見ている際の計測により計測方法の妥当性について,2D,3D映像注視時では乖離について検討した.その結果,実物体における計測では調節,輻輳ともに焦点距離は良く実物体までの距離と一致しており,この計測方法で正確に計測できることが分かった.また2D,3D映像注視時の計測では乖離が起きていないことが分かった.
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長谷川 良平
原稿種別: 本文
セッションID: HI2011-34/3DIT2011-2
発行日: 2011/03/08
公開日: 2017/09/21
会議録・要旨集
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近年,脳と外部機器を直結する「ブレイン-マシンインターフェース(BMI)」に着目したハイテク福祉機器に関する研究が国内外で進んでいる.本講演では産総研において独自開発した脳波による意思伝達装置「ニューロコミュニケーター」を中心とした認知型BMI技術の開発に関して紹介する.
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山下 輝彦, 小濱 剛, 神山 斉己
原稿種別: 本文
セッションID: HI2011-35/3DIT2011-2
発行日: 2011/03/08
公開日: 2017/09/21
会議録・要旨集
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本研究ではサッカード眼球運動の発生メカニズムを解明することを目的として,前頭眼野から脳幹網様体に至る神経細胞ネットワークの数理モデル化を行った.神経生理学知見に基づけば,サッカード発生の際には,まず前頭眼野でサッカード計画が生成され,黒質網様部を介して中脳の上丘に達し,サッカード命令に変換される.上丘では,視線の移動量と移動速度に関する信号に符号化して出力され,これが脳幹網様体に伝達されて眼筋の収縮をもたらし,サッカードとして表出する.前頭眼野,上丘,および脳幹には,注視時に持続的に活動する注視細胞や,サッカードの準備段階で活動を開始するビルドアップ細胞,サッカードの直前に活動するバースト細胞などが存在することが知られているが,そのネットワークや統制のメカニズムについては,未だ完全には解明されていない.提案モデルは,解剖学的知見に基づいてサッカードに関与する神経系のネットワークを定式化し,サッカード時の各部の神経応答の再現を可能としたものである.シミュレーション実験の結果,エクスプレスサッカード時の神経応答をよく再現することが示され,アンチサッカード時の上丘中間層細胞の応答をも再現が可能であることが示された.このことから,サッカード生成メカニズムの数学的な表現として,ある程度の妥当性を持つことが示唆された.
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入江 久仁子, 小濱 剛
原稿種別: 本文
セッションID: HI2011-36/3DIT2011-2
発行日: 2011/03/08
公開日: 2017/09/21
会議録・要旨集
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近年,周辺視野に提示された弁別閾下の運動情報が,中心窩に連続して提示される文字の認識を阻害する現象が報告されており(Tsushima et al.2006),知覚できないボトムアップ情報処理が視知覚に及ぼす影響が論じられている.しかしながら,対象の認知に注意の集中を要するような,より強いトップダウン情報処理が課せられた場合にも,同様の影響が生じるかどうかについては確認されていない.本研究では,一定の割合でコヒーレント運動を行うダイナミックランダムドットを背景に,中心窩に提示された2重リングに施した切れ目を数え上げるRSVP課題を実施した.ターゲットリングと妨害リングとのコントラストを調整し,課題の難易度を変化させることで注意の集中度合いを統制し,このときのコヒーレントドットの割合と切れ目の正答率の関係を評価した.また,課題遂行中の固視微動を計測し,弁別閾下の運動情報が不随意性の眼球運動に及ぼす影響についても解析を行った.実験の結果,注意の集中度合いとは無関係に,弁別閾下の協調運動が,切れ目の判断と固視微動中のマイクロサッカードの発生頻度に影響を及ぼす可能性が示された.すなわち,トップダウン情報処理が十分に機能しうる状況下にあっても,ボトムアップの運動情報が,注意や眼球運動の制御に影響を及ぼすことを示唆しているものと思われる.
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郷地 大紀, 小濱 剛
原稿種別: 本文
セッションID: HI2011-37/3DIT2011-2
発行日: 2011/03/08
公開日: 2017/09/21
会議録・要旨集
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視線移動予測を行う代表的なモデルとしてItti-Kochの顕著性マップモデルがある(Itti&Koch,2000).これは,初期視覚系の生理学的知見に基づき,色や傾きといった基本的な視覚属性の顕著性,すなわち目立ちやすさの分布を計算し,これに基づいて視線の移動先を予測するモデルである.近年では運動情報を扱うものへと拡張がなされているが,基本的な視覚属性の1つである奥行きに関しては十分に考慮されてこなかった.奥行きにもポップアウトが発生することが知られていることからも,奥行きの顕著性が視覚情報の峻別に重要な役割を担うことが示唆される.そこで本研究では,従来モデルの計算過程に奥行き成分の情報処理を加え,視差情報に対する顕著性の算出を行うよう拡張を行った.特定の奥行きを持つ領域のみを選出することにより,オブジェクト単位での情報の切り出しを行い,高い顕著性を有するオブジェクトを走査するよう実装した.異なる奥行きに配置した複数のオブジェクトについての探索過程に対して,マウスカーソルによるポインティング実験結果とモデルシミュレーション結果とを比較したところ,選択されるオブジェクトはある程度類似しており,奥行きの顕著性が,3次元空間における視覚探索に機能している可能性が示唆された.
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杉本 圭佑, 小濱 剛
原稿種別: 本文
セッションID: HI2011-38/3DIT2011-2
発行日: 2011/03/08
公開日: 2017/09/21
会議録・要旨集
フリー
本研究では,注視点移動に関与する視覚的注意の神経機構を解明することを目的として,神経生理学的知見に基づいた視覚的注意機構の数理モデルの構築を行った.色や形といった視覚属性へのトップダウン的な注意は,視覚神経系の活動を修飾することが知られている.こうした現象に対して,Hamkerは,視覚属性への注意の修飾がV4,IT,前頭眼野,前頭前野の情報ネットワークにより生じることをモデルシミュレーションにより示した(Hamker F.H.,2004).しかしながら,Hamkerのモデルは注視の維持を想定したものであるために,視線移動が生じる際の神経機構の振る舞いを再現することができない.そこで本研究では,空間的注意の移動を統制する後頭頂葉のLIP野の神経応答を定式化してHamkerモデルに導入した.さらに,前頭前野におけるFEF(前頭眼野)が視線移動に伴う視覚的注意の固定から解放へのトリガーを担うとともに,直近の注視位置への復帰抑制の中枢になるものと仮定し,モデルの拡張を行った.提案モデルによるシミュレーションの結果,注視点移動を伴う視覚探索が可能となり,ターゲット発見率は72%に達した.また,シミュレーションにより得られたスキャンパスは,サルの視覚探索時の注視点分布と類似することが示された.
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御手洗 紘子, 吉高 淳夫
原稿種別: 本文
セッションID: HI2011-39/3DIT2011-2
発行日: 2011/03/08
公開日: 2017/09/21
会議録・要旨集
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映像メディアを使用することでノンバーバル情報を表現することが可能だが,一定水準のコンテンツを制作するために必要な知識,技能も多様であり,一般ユーザがそれらを踏まえて撮影を行うのは難しい.映像制作のプロフェッショナルは,映画の文法などの撮影技法を使用して効果的に感性情報の表現を行っている.本稿では,一般ユーザの感性情報表現能力を計測する予備実験を踏まえ,撮影中の映像やカメラの傾きなどセンサ情報をリアルタイムに用いて,事前知識のないユーザの感性情報表現を支援する撮影システムの実装とその評価実験を行った.評価実験の結果,システムはユーザに対して一定の有効な支援を行っていることが示された.
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藤川 達也, 縄手 雅彦
原稿種別: 本文
セッションID: HI2011-40/3DIT2011-2
発行日: 2011/03/08
公開日: 2017/09/21
会議録・要旨集
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我々は15インチと4インチの2つの画面を使用して,画面中央に呈示された幾何学図形のオブジェクトの変化と画面端にスクロールして呈示された文章に対する注意が画面サイズに依存するか検討した.15インチと4インチの画面の文章の正解率と図形変化の検出に有意な差はなかった.主観的な評価においては,多くの協力者が15インチの画面が見やすいと回答した.しかし,実際には図形の変化に関しては4インチの画面の方が成績がよい協力者が多かった.この結果は,我々がこれまでに行った研究と一致していた.
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内田 隆文, 岩下 志乃
原稿種別: 本文
セッションID: HI2011-41/3DIT2011-2
発行日: 2011/03/08
公開日: 2017/09/21
会議録・要旨集
フリー
本研究では,Web画像閲覧時のユーザの視線の動きを測定し,1)ユーザの閲覧経験,2)Webページへの興味度,3)レイアウトの違いの3点において視行動特性に違いがあるかどうかを分析する.被験者は用意されたWebページ画像から提示された課題を探索する視覚探索課題を与えられ,その間の注視点計測を行う.被験者がWebページ画像を過去に閲覧したことがあるかどうかと,そのWebページに対する興味度をアンケートで調査し,注視点移動の特徴との関連性を分析する.また,レイアウトの違いによる特徴を確認する.その結果,閲覧有無や興味度により探索率には変化があり探索時間には変化が無いこと,シンプルなレイアウトは探索時間が短くなることが分かった.
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城居 俊希, 岩下 志乃
原稿種別: 本文
セッションID: HI2011-42/3DIT2011-3
発行日: 2011/03/08
公開日: 2017/09/21
会議録・要旨集
フリー
本研究では,名前を覚えるという場面において,異なる媒体を用いた場合の記憶力の特徴について被験者実験により明らかにすることを目的とする.実験で使用する媒体はディスプレイ,名刺,音声の3種類である.被験者に4人の顔写真データと各媒体で示される名前を5秒間ずつ提示してその組み合わせを記憶させ,後から顔写真を見て名前を解答させる実験を行い,その正答率を分析する.顔写真は男性のみ,女性のみ,男女混合の各組み合わせで用意する.実験結果から,単体の媒体による記憶量の差は大きくなかったが,媒体の違いや性別の違いによって間違え方に差があることが確認できた.また,提示順では最初に提示した名前がよく印象に残り,最後に提示した名前が最も正確に覚えられるということが分かった.
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中村 圭佑, 田中 まなみ, 鈴木 香奈江, 江崎 修央, 伊藤 和之
原稿種別: 本文
セッションID: HI2011-43/3DIT2011-3
発行日: 2011/03/08
公開日: 2017/09/21
会議録・要旨集
フリー
我々は国立障害者リハビリテーションセンターにおける電子カルテシステム開発として,診療データ記録システムに関する研究を行っている.本稿では,臨床実習における問診場面を想定し,Webページからの問診データの登録,ペンデバイスによる問診データの登録に関する評価実験を行った.Webページの構成については,被験者のほとんどが適切な箇所に入力を行うことができた.また,ペン操作による問診内容の記録についても,利用者のほとんどは質問内容に対して正しい箇所にデータの入力ができたことから,本システムの有効性が確認された.しかし,システム側の問題により記述した内容が登録されないことや文字認識処理系の問題により,文字が正しく認識されない場合もあったため,改善方法を検討していきたい.
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杉本 真佐樹, 中井 一文, 江崎 修央, 清田 公保
原稿種別: 本文
セッションID: HI2011-44/3DIT2011-3
発行日: 2011/03/08
公開日: 2017/09/21
会議録・要旨集
フリー
本稿ではWiiリモコンを利用した日本語文章入力方法について述べる.Wiiリモコンには3軸の加速度センサが搭載されており,文字を空書することで,その軌跡を文字情報として解析し,認識を行う.認識には,文字の実ストローク部分のみに注目した2つの手法を組み合わせて用いることで,第1位認識率78.9%,累積10位認識率で98.7%を確認することができた.また,文節単位での文字認識処理系としてN-gramモデルによる誤り訂正処理を実装した.この処理系により90%を超える認識率を確認した.
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渡邊 栄治, 尾関 孝史, 小濱 剛
原稿種別: 本文
セッションID: HI2011-45/3DIT2011-3
発行日: 2011/03/08
公開日: 2017/09/21
会議録・要旨集
フリー
手書きメモにおいては,記載される情報だけでなく,関連する情報を想起するためにメモを作成する際のプロセスが重要な役割を果たす場合がある.本報告では,メモの作成プロセスを時系列データして保持することを目的として,手書きメモを作成する過程をサングラス型カメラにより記録することにより,メモ内容に時間タグを埋め込むための画像処理手法などについて述べる.
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野田 将明, 田野 俊一, 市野 順子, 橋山 智訓, 江崎 朋人
原稿種別: 本文
セッションID: HI2011-46/3DIT2011-3
発行日: 2011/03/08
公開日: 2017/09/21
会議録・要旨集
フリー
本研究ではホイールを用いてデジタル機器を汎用的に操作出来る入力方法を提案した.まずデジタル機器を汎用的に操作するために,既存の家電の汎用的データ操作UIを分析し,多数から1つを選択するものと,少数から1つを選択するUIとに分類した.その際扱うデータがアナログデータなのか,デジタルデータなのかも考慮した.また,この分類に基づきホイールで家電を操作する場合のUI設計に必要なパラメータの調査実験を行った.実験結果から各家電を操作する時に適した力覚フィードバックが返るアーキテクチャを提案し,仮想家電UIを実装した.試用実験より操作性に関してユーザから良好な結果を得ることができ,提案したアーキテクチャが概ね良好であることを確認した.
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服部 恭臣, 福田 一帆, 内川 惠二
原稿種別: 本文
セッションID: HI2011-47/3DIT2011-3
発行日: 2011/03/08
公開日: 2017/09/21
会議録・要旨集
フリー
本研究では顔表情に随伴する色残効の有無を調べた.我々の過去の研究では,刺激としてグレースケール顔表情画像を赤緑方向へ一様に色度変化させたものを用いた実験において随伴色残効が生起しなかったことを報告したが,今回は色度変化方法の変更により随伴色残効が生起したことを報告する.今回の刺激では,高彩度部分ほど大きな色度変化を与えた顔表情画像を用いることで,顔色の変化のような色度変化を施した.実験の順応フェーズでは,被験者は緑色の喜び表情,赤色の怒り表情という顔表情と色の組み合わせに順応する.順応前フェーズと順応後フェーズで2つの表情の顔刺激の色の見えを比較し,顔表情に随伴した色残効の有無を調べた.その結果,順応前後の色の見えに有意な差が見られた.これは喜び・怒り顔表情に対して随伴色残効が生起したことを示し,顔表情知覚メカニズムの色覚への関わりを示唆する.
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沼田 藍, 福田 一帆, 内川 惠二
原稿種別: 本文
セッションID: HI2011-48/3DIT2011-3
発行日: 2011/03/08
公開日: 2017/09/21
会議録・要旨集
フリー
色の見えには主に表面色モードと開口色モードがある.人間の視覚系が表面として知覚するための色光の限界輝度が自然風景中に存在する表面色の輝度分布とどの程度関係しているかを調べるため,重なりあう円のランダムパターンの周辺刺激に自然物表面の輝度色度分布を用いて,テスト色光が表面色モードから開口色モードに移行する限界輝度値を測定した.その結果,表面色モード限界輝度は自然物表面の上限輝度分布に類似し,また,照明光のシフトに応じて同一方向にシフトすることが明らかとなった.
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王 〓, 佐藤 雅之, 玉田 靖明
原稿種別: 本文
セッションID: HI2011-49/3DIT2011-3
発行日: 2011/03/08
公開日: 2017/09/21
会議録・要旨集
フリー
サッカード直後に視覚刺激を短時間消失させるとサッカード変位抑制の効果が小さくなることが知られている(ブランク効果).これまでの研究により,等輝度の赤-緑のターゲットを用いるとブランク効果がなくなることが明らかにされているが,比較のために用いた灰色背景上の白色のターゲットの見かけのコントラストが赤-緑のターゲットのそれよりも高かったため,色がブランク効果に影響をおよぼす重要な要因であるかどうかは明らかでない.ここでは,ターゲットのコントラストがブランク効果におよぼす影響を検討する.実験結果から,見かけのコントラストが同等である場合には,色刺激よりも輝度刺激に対してブランク効果が顕著に表れることが明らかになった.これはサッカード時の視野安定において輝度信号が色信号よりも重要な役割を果たしていることを示唆している.
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玉田 靖明, 佐藤 雅之
原稿種別: 本文
セッションID: HI2011-50/3DIT2011-3
発行日: 2011/03/08
公開日: 2017/09/21
会議録・要旨集
フリー
両眼網膜像差と運動視差を同時に呈示すると,二重像が生じるような大きな網膜像差領域においても非常に大きな奥行きが知覚される.本研究では,この運動視差による立体視の促進効果の頭部運動方向依存性について検討した.固視点の2.5°上もしくは下に点を1つ呈示し,網膜像差,運動視差,あるいはその両方を与え,知覚された奥行きをマッチングにより定量化した.頭部を左右に動かした場合と前後に動かした場合に知覚される奥行きを比較した.実験1では両方向ともに頭部運動の範囲は13cmで,実験2では刺激の運動範囲が等しくなるように,左右方向では1.8cm,前後方向では50cmの範囲で頭部を動かした.その結果,いずれの実験においても左右方向の運動の場合には促進効果があったが,前後方向の場合にはなかった.これは,立体視の促進効果が刺激の左右方向の運動に固有であることを示唆している.
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齋藤 豪
原稿種別: 本文
セッションID: HI2011-51/3DIT2011-3
発行日: 2011/03/08
公開日: 2017/09/21
会議録・要旨集
フリー
現実の絵具には劣化の問題や、毒性を有する素材の入手・使用制約の問題がある。一方、計算機上での絵具は上記の問題を生じさせず、また近年の出力装置の表示色域の拡大により、現実の絵具以上の鮮やかな色表現が可能となってきている。ただし、多様な技法を反映できるだけの物質性を持った絵具のモデルが必要となる。これに関して現在までに行ってきた研究について述べる。
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小川 昭利, 入來 篤史
原稿種別: 本文
セッションID: HI2011-52/3DIT2011-4
発行日: 2011/03/08
公開日: 2017/09/21
会議録・要旨集
フリー
脳機能画像から知覚や認知の内容を解読すること目指すデコーディング研究では,初期には視覚刺激が対象となっていたが,聴覚刺激,体性感覚刺激,さらには注意のシフトなどのような高次認知にまで対象が広がってきている.本研究は,脳機能画像から被験者が推論を行っていることを識別することを目指した.被験者はベースとなる関係を学習し,MRI内で推論の課題を行った.解析の結果,ベースとなる関係の試行と推論の試行を識別することができた.このことは,推論を行ったかどうかを識別するための情報が符号化された脳部位の存在を示唆する.
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益田 達朗, 酒井 宏
原稿種別: 本文
セッションID: HI2011-53/3DIT2011-4
発行日: 2011/03/08
公開日: 2017/09/21
会議録・要旨集
フリー
本研究は、V4が行っている符号化方式がSparse Codingであるという仮説を提示し、これを検討することにより、V4における神経細胞の受容野特性の本質的理解を目的とする。仮説検討のため、V4にコネクションを持つ視覚野の受容野特性を考慮した画像patchを、Sparse Codingモデルへの入力としてシミュレーション実験を行った。V2の受容野特性を考慮した実験では、V4受容野特性に類似した特定の曲率を持った曲線に反応を示す構造を持つ基底が生成された。この結果より、V4が行っている符号化方式がSparse Codingであり、その受容野特性が特定の曲率を持つ曲線への選択的反応であることが示唆される。また、この受容野特性の形成にはV2からのフィードフォワード接続が重要な役割を果たしていることが示唆される。
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渡部 修, 山田 晃
原稿種別: 本文
セッションID: HI2011-54/3DIT2011-4
発行日: 2011/03/08
公開日: 2017/09/21
会議録・要旨集
フリー
人の視覚系では,初期領野で線分方位などの局所的な特徴抽出を行い,高次領野でこれらを統合し複雑なパターン認識を実現するという,階層的な情報処理が行われている.一方,脳内には,このようなボトムアップの経路だけではなく,高次領野から初期領野へ向かうトップダウンの結合も存在する.このような双方向結合の機能的役割を説明するため様々なモデルが提案されているが,その多くはトップダウン結合によりパターンの予測・照合を行っていることを示唆している.本研究では,断続的にマスク刺激が呈示される視覚探索課題を用いて,人のパターン認識特性を検証した.その結果,マスク刺激の存在やその種類によって反応時間が変化することが明らかになった.この特性は,予測・照合によるパターン認識プロセスの存在を示唆する.
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吹抜 敬彦
原稿種別: 本文
セッションID: HI2011-55/3DIT2011-4
発行日: 2011/03/08
公開日: 2017/09/21
会議録・要旨集
フリー
多くの視知覚現象を視知覚信号処理工学の立場から時空間周波数領域で解明するのと逆の過程で,付加された補助情報(動き誘発信号)によって追従視が誘発されて「現れる動きパタン」(ATF)や,「消えるパタン」(VTF)を見出した.これらは,追従視を伴う視覚特性(変形◇特性)など,視知覚信号処理工学における解明手法の実証/確認ともなる.
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松原 和也, 松宮 一道, 塩入 諭, 高橋 修一, 兵動 靖英, 大橋 功
原稿種別: 本文
セッションID: HI2011-56/3DIT2011-4
発行日: 2011/03/08
公開日: 2017/09/21
会議録・要旨集
フリー
輝度コントラストが主観的な奥行き量に与える影響が時空間周波数によってどのように変化するかについて,心理物理実験によって定量的に検討した.輝度コントラスト,時間周波数,空間周波数の異なる刺激に対して,その主観的奥行き量を参照刺激の両眼視差で評価した.その結果,コントラストが高いほど手前に知覚される効果が時空間周波数によらず確認された.また,この現象が単一のメカニズムによるものか,複数のメカニズムが介在するものかを検討するために,モデルを作成した.モデルの予測よりコントラストによる主観的奥行き変調は単一のメカニズムで処理されていることが示唆された.
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真下 浩平, 松宮 一道, 栗木 一郎, 塩入 諭
原稿種別: 本文
セッションID: HI2011-57/3DIT2011-4
発行日: 2011/03/08
公開日: 2017/09/21
会議録・要旨集
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視覚的注意のモデル化は多方面での応用が期待されており,現在多くのモデルが提案されている.それらのモデルの一つに,人物など特定の対象の探索を行っている場合の視線移動(顕在的な注意)を予測するために,トップダウン注意を組み込んだものがある.しかし,そのようなモデルは入力される画像の情景全体を2次元平面として捉えており,情景に含まれる3次元的な奥行き手がかりを考慮していない.本研究では,情景の3次元的な空間構造の知覚に基づいてトップダウン注意の位置を考えることで,より人間の処理に近い視覚的注意モデルの構築を目的とする.
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尾石 和弥, 村上 紀子, 菊池 眞之
原稿種別: 本文
セッションID: HI2011-58/3DIT2011-4
発行日: 2011/03/08
公開日: 2017/09/21
会議録・要旨集
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本研究では,描画活動である写生を行っている場合の視線について注視点計器を用いて調べた.モチーフは,柄の無い白色の紙コップ画像,柄付きの紙コップ画像,閉曲線図形画像の3通りで,いずれも3分間で描画を行い,その時の視線を計測した.実験の結果,若年者に比べ高齢者はサッケード距離が短い傾向があった.また,モチーフが複雑になるほど,美術訓練を受けていない人はモチーフを見る時間が長くなり,美術訓練を受けている若年者はモチーフを見る時間があまり長くならないことが明らかになった.
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河野 佳明, 菊池 眞之
原稿種別: 本文
セッションID: HI2011-59/3DIT2011-4
発行日: 2011/03/08
公開日: 2017/09/21
会議録・要旨集
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3次元における凹凸輪郭が別々の神経細胞によってエンコードされる手がかりをpath-paradigmによる心理物理実験で調べた.刺激要素は視差勾配を有した2つの正三角形が一辺を共有したもので,正三角形内部にも視差勾配を有したドットを配置している.これらは3次元での折れ曲がった面構造である凹/凸構造を表現している.実験1ではpathの種類は凹構造のみ,凸構造のみ,凹/凸構造交互の3種類で,path以外の刺激要素の凹/凸構造はランダムである場合でのpath-paradigm実験を行った.その結果,凹凸交互は凹構造のみ,凸構造のみより検出率が低かった.実験2ではpathの種類は凹構造のみ,凸構造のみの2種類で,path以外の刺激要素は2次元位置と方位以外,path要素に一致させたpath-paradigm実験を行った.その結果,2種類のpathの検出率に差は無かった.これらの実験の結果より,凹刺激と凸刺激に別々に反応する細胞があることが示唆された.
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山本 直樹, 内海 章, 藤本 清, 安部 伸治, 松尾 典義
原稿種別: 本文
セッションID: HI2011-60/3DIT2011-4
発行日: 2011/03/08
公開日: 2017/09/21
会議録・要旨集
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夜間運転場面における車載モニタの表示輝度と,車外および車載モニタの視認性の関連について検討した.夜間運転映像から標的刺激を検出する標的検出課題,車載モニタを想定した補助画面に提示される刺激の弁別課題を設定し,両課題を並行して遂行した時の課題成績等について,4パターンの補助画面輝度条件間で比較した.その結果,被験者の視線に連動して補助画面非注視時に補助画面輝度を下げることで,標的検出成績低下を抑制できることが確認された.また,目の順応特性に基づき,補助画面注視時の画面輝度を段階的に低下した場合の標的検出課題成績が最も良好であった.これらの結果から,視覚特性に基づいた視線連動輝度制御が車外・車載モニタ両方の視認性を保つために有効であることが示唆された.
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金澤 勝, 西垣 順二, 竹内 和浩, 原田 良三, 今村 崇之
原稿種別: 本文
セッションID: HI2011-61/3DIT2011-4
発行日: 2011/03/08
公開日: 2017/09/21
会議録・要旨集
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ドーム型シアターでの超臨場感映像表示を目指し,スクリーン形状の検討と,画面サイズ・輝度・コントラストの評価実験を行った.スクリーン形状に関しては,観視位置が異なるときの映像表示のひずみを定義し,スクリーンが平面よりドームのように湾曲しているほうがひずみは少ないことを示した.次に,平面ではあるが超高精細大画面スクリーン上に,画面サイズ,輝度,コントラストを変化させた画像を表示して主観評価を行い,輝度やコントラストが低下すると大画面の効果が低下することを示した.
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正岡 顕一郎, 西田 幸博, 菅原 正幸, 中須 英輔
原稿種別: 本文
セッションID: HI2011-62/3DIT2011-5
発行日: 2011/03/08
公開日: 2017/09/21
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実物感を提供するために実物感と画像解像度の関係を求めた.解像度の異なる画像と実物を提示し,実物に近く見える方を選択させる一対比較法を用いた実験を行った。両眼視差はシノプターにより除き,画像の大きさ,パースペクティブ,輝度,色度は実物と同一になるように提示した.その結果,角解像度が30cpd(cycles per degree)を超えても実物感は上昇し,60cpd辺りから緩やかに実物との差が分からなくなる傾向が見られた.
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原稿種別: 付録等
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App1-
発行日: 2011/03/08
公開日: 2017/09/21
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原稿種別: 付録等
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App2-
発行日: 2011/03/08
公開日: 2017/09/21
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原稿種別: 付録等
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App3-
発行日: 2011/03/08
公開日: 2017/09/21
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