日常生活で手話を使用している聴覚障害者(ろう者)が、手話による情報提供・獲得ができる環境実現は重要である.本文は、このような情報環境実現のための方法の確立を目指して、ISDN回線を利用したVoD(Video on Demand)サービスに手話メディアを導入するための手話合成方法を検討している.すなわち、編集合成手話映像をISDN64kb/sテレビ電話機を通して伝送した際の受信映像など5種類の画質を対象とし、編集合成手話映像の画質と知覚との関係を手話学習者(聴者)10名を被験者とした評価実験で検討する.評価実験結果から、内容のわかりやすさ、見やすさは、手話では空間解像度よりも時間解像度に依存するが、非手話については差がないことを明らかにする.また、編集合成映像における映像の見えでは、手話において、特異的に、その内容の理解を難しくすることも示す.