複数成分の同時計測,定性・定量の可能性を有し,成分間の相互作用の把握が可能な赤外分光法に着目し,イオン解離平衡理論に基づき,代表的な嗜好飲料であるワインおよびコーヒーの赤外吸収スペクトル特性の把握を目的とした。pHおよび温度を変化させた実際のワイン,コーヒーの赤外吸収スペクトルは,各主要成分を混合して調製したワインモデル,コーヒーモデルの赤外吸収スペクトルと同様の挙動を示した。また,計算によってワインモデル,コーヒーモデルの合成スペクトルを求めることにより,コーヒー,ワインの赤外吸収スペクトルの温度およびpH依存性を説明することができた。
抄録全体を表示