知識科学における教育分野の応用成果であるITS (Intelligent Tutoring System ; 知的教授システム)では,学習者の理解状況に応じて適切な教授行為を行うことができる。この鍵を握るのが,ITS内の学習者モデル構築システムである.従来の学習者モデル構築システムの多くは,学習者の解答や過去の学習状況をもとに理解状況を把握しようとしている.学習者は,しばしば自己の解答に確信がないまま答えているので,教師がその過程に着目して指導を行うことは,非常に効果的である.しかし,現在のシステムでは,学習者が確信をもって解答したかを判断することは難しい.本研究では,この問題点を克服するために取り組んできた認知情報を利用した知的教育システムのための学習者モデル構築手法について述べる.
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