2003年から開始される地上デジタル放送は,従来のアナログ放送と比較して,伝送方式,誤り訂正符号等の適用により移動体での受信に優れている特徴がある。しかし,ビル影,高架下を走行する場合,あるいは電界強度が非常に弱い地域にて移動受信する場合には,電波を受信できないために瞬断が発生してしまう。特にストリーミング放送にて音声の途切れは耳障りであり,デジタル放送にて高品質サービスを提供するために,この問題を解決する必要がある。そこで本報告では,まず移動体向けの地上デジタル音声放送サービスを対象として,前記に示した瞬断の回避を行う補完型のストリーミング放送方式についての提案を行う。次にその方式を用いた移動体実験の結果について報告する。提案方式を用いて移動体実験を行った結果,走行中の瞬断が2〜3割程度低減する結果が得られた。
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