フロントヨーク積層型TMRヘッドは, TMR素子の面積を増大させることにより,ヘッドの低ノイズ化を図ることができる.また,TMR素子から見てヘッド構造が対称であるため,従来のヨーク型ヘッドで見られた波形歪も生じない.さらに,垂直磁気記録媒体からの信号を再生すると,単峰性の波形が得られるので従来の信号処理回路を用いることができる。しかし,本ヘッドでは,磁束がヨークで減衰することにより出力が低下する,トラック幅方向にヨークを広げた構造をしているために隣接トラックからのクロストークが生じるなどについて対策をする必要がある.今回,3次元磁場解析手法を用いて再生特性シミュレーションを行いヘッド構造を検討した結果,出力を増大させることができる構造と隣接トラックからのクロストークを大幅に改善できる方法を見出したので報告する.
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