光ディスクシステムは,現在放送局で広く使用されているVTRに比べて,ランダムアクセス,保存耐久性などの点で大きなメリットをもっており,VTRに取って代わると考えている.そのためには,データ転送レートの高速化が必須である.筆者らは,相変化光ディスクにおける高速高密度記録再生には, RLL(1,7)符号と,PR(1,1,1)ML復号方式の組み合わせが有効であることを示した[1].光ディスク装置を実現するためには,PRMLのハードウェア化が必要である.ハードウェアには,低コスト化が図れるなどのメリットを有するField Programmable Gate Array(FPGA)で構成することが望ましい.しかしながら,高速動作と言う点では課題があった.今回,PR(1,1,1)MLのFPGAによる高速動作を検証するためにハードウェアを試作し,等化用フィルタ部にデマルチプレックス回路を使用し,高速動作時のクリティカルパスとなる加算比較選択回路(ACS)部分にユークリッド距離を表す式の変形により2乗項ではなく28を加算することで,チャンネルクロック150MHzにおいて動作することがわかった.高速光ディスクと組み合わせれば,データ転送レートlOOMbpsの光ディスク装置を実現できる.
抄録全体を表示