4相PSK方式で用いる搬送波再生回路のうち, ベースバンド段で処理を行う判定帰還形, コスタス形の両搬送波再生回路について, 実験的な比較, 検討を行った.搬送波周波数10.7MHz, 符号速度64kS/sの4相PSK実験システムに, 判定帰還形とコスタス形の回路をそれぞれ組み込んで動作させ, 再生搬送波のS/N, ロックレンジ, キャプチャレンジおよび符号誤り率特性を測定した.その結果, 判定帰還形は擬似ロックによりキャプチャレンジを得ることができない欠点があるが, 再生搬送波のS/N, 符号誤り率特性に関しては, コスタス形より特性が優れることを確認した.そこで, 判定帰還形の欠点を補うため, 擬似ロック回避対策の1方式を提案し, この方式で判定帰還形の擬似ロックが回避できることを示した.
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