日本消化器外科学会雑誌
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22 巻, 10 号
選択された号の論文の47件中1~47を表示しています
  • 佐藤 尚文
    1989 年 22 巻 10 号 p. 2325-2332
    発行日: 1989年
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    食道静脈瘤の血行動態的特徴を解明し, また内視鏡的硬化療法など治療実験に応用する目的で, イヌで食道静脈瘤モデルを作成した. 脾摘後, 脾動静脈吻合, 門脈本幹に狭窄環装着を行った3頭のうち1頭と, 門脈下大静脈吻合, 下大静脈結紮, 門脈本幹に狭窄環を装着した6頭のうち3頭に, 食道静脈瘤内視鏡所見記載基準によるF1LmCwRC (-) の静脈瘤の発生をみた. 本術式, 特に後老は高率に静脈瘤が発生し, 食道静脈瘤モデルとして有用であると思われる.
  • 池口 正英, 米川 正夫, 太田 道雄, 角 賢一, 牧野 正人, 木村 修, 西土井 英昭, 貝原 信明, 古賀 成昌
    1989 年 22 巻 10 号 p. 2333-2337
    発行日: 1989年
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    sm胃癌160例 (166病変) を対象とし, 粘膜下層への癌深達と粘膜筋板の厚さとの関係を検討した. 癌の粘膜下層深達程度の指標として, 水平方向への広がりの程度を粘膜下癌巣の応がり (sm面積) と粘膜内癌巣の広がり (m面積) の比 (sm/m) で表わし, 垂直方向への深達程度を表層型 (sm1), 中間型 (sm2), 深部深達型 (sm3) の3群にわけて区別した. 癌巣周囲の粘膜筋板の厚さが, 120.1μm以上ではsm/mは平均0.12, 60.1~120μmでは0.30に対し60μm以下では0.56と有意に高値であった. 粘膜筋板が60μm以下ではsm3が70%, 120.1μm以上ではsm1が50%を占めた. 幽門腺領域の分化型癌に限った検討でも同様の結果であった. 以上のことから, 癌の壁深達に粘膜筋板が何らかの障害となっている可能性が示唆された.
  • 曽和 融生, 加藤 保之, 西村 昌憲, 久保 俊彰, 前川 仁, 梅山 馨
    1989 年 22 巻 10 号 p. 2338-2343
    発行日: 1989年
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    胃底腺領域内に存在する早期胃癌15例, 早期癌類似進行癌 (類進癌) 8例を対象として検討した. 若年者, 女性に多く, IIc型病変が多かった. 胃体上部後壁に多く (74%), 未分化型癌が87%をしめた. 内視鏡像では類進例にひだの集中, ふとまり, 融合像が多く, 早期癌に陥凹部の発赤, 凹凸の変化が有意に多かった. sm早期癌および類進癌の腫瘍間質部のalcian blue (AB), toluidine blue (TB) 染色陽性率は80.0%, 46, 7%とAB染色陽性の粘液が多く, 酵素消化試験では両染色ともtesticular hyaluronidase (THase) 消化率が高く, ヒアルロン酸の存在が示唆され, またTB染色陽性例のneuraminase (Nase) 消化率が高く, シアル酸の存在が認められた. かかる結果から, この部の陥凹型のあるものはlinitis plastica型胃癌に進展する可能性が示唆された.
  • 江端 俊彰, 浅石 和昭, 佐藤 卓, 一条 正彦, 阿部 俊英, 高島 健, 中野 昌志, 早坂 滉
    1989 年 22 巻 10 号 p. 2344-2347
    発行日: 1989年
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    Borrmann 4型胃癌84例を対象として, 臨床病理学的特徴より, 手術成績と予後との関係につき検討した. Borrmann 4型胃癌の治癒切除率は52.4%であり, 胃全摘術, 臓器合併切除が72.9%と高率であった. 肉眼的腹膜播種性転移 (P因子) 陽性例が44.4%と高率で, 組織型では低分化型腺癌が85%を占めた. Borrmann 4型胃癌の亜型分類では, びらん型, すうへき型の深達度が深く, リンパ管侵襲の強い傾向があった. Borrmann 4型胃癌の5年生存率は8.6%, 治癒切除例の5年生存率は18.8%であった. 亜型分類による5年生存率は, びらん型8.3%, すうへき型20.0%, 表層IIc型60.0%, 狭窄型70.0%とBorrmann 4型胃癌の亜型により著しい差が認められた.
  • 徳重 正弘, 愛甲 孝, 高尾 尊身, 帆北 修一, 島津 久明
    1989 年 22 巻 10 号 p. 2348-2352
    発行日: 1989年
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    教室におけるS2胃癌130例の, 漿膜露出範囲を長径と短径で測定し, その相乗平均値をもとに1cmごとに症例を区分し, 各グループの50%生存期間を求めたところ, 3cm未満の群で有意に良好で, 3cm以上の群との間に明らかな差異が認められた. そこで胃癌取扱規約で定める他の予後因子, P, H, Nの構成を2群間で検討したが, 両群間に有意の差を認めなかった. 組織学的深達度については, 3cm以上の群でse症例の比率が有意に高かったが, se症例においても, 3cmを境にした両群間の生存曲線に有意差が認められた. 以上より, 漿膜露出面の広がりは比較的独立した因子として予後に影響を及ぼしているものと考えられた.
  • 術中洗浄細胞診と病理組織検索からみて
    今田 敏夫, 安部 雅夫, 野口 芳一, 田村 聡, 山本 裕司, 赤池 信, 天野 富薫, 松本 昭彦
    1989 年 22 巻 10 号 p. 2353-2357
    発行日: 1989年
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    肉眼的に播種の認められない胃癌切除症例225例を対象とし, 術中洗浄細胞診および病理組織学的検索により明らかとなった微小播種巣の結果と漿膜浸潤度, 浸潤面積, 組織型, 治療成績とを比較検討した.
    漿膜浸潤陽性例129例のうち36例 (27.9%) が洗浄細胞診陽性で, 25例 (19.4%) に微小播種巣が認められた.
    細胞診陽性例36例の3年生存率は8.3%と陰性例93例の52.7%に比べ著しく不良であった. 微小播種巣陽性例27例のそれは14.8%であったが, 細胞診ともに陽性であった症例15例は, すべて3年以内に死亡した. しかし, 微小播種巣陽性でも, 細胞診陰性であれば, その3年生存率は33.3%であることは, 大網, 小網, 網のうを含めたen-bloc切除により治癒となりうる可能性があることを示していた.
  • 音琴 要一郎, 掛川 暉夫, 山名 秀明, 小野 崇典, 力武 浩, 西田 博, 藤 勇二, 島 一郎, 入江 均, 藤田 博正
    1989 年 22 巻 10 号 p. 2358-2363
    発行日: 1989年
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    Nitroglycerin (GTN) が食道胃静脈瘤出血に対して有効か否かを実験的に検討し, vasopressin, somatostatin (GIF) と比較した. 肝圧縮法による門脈圧亢進犬25頭を用い, vasopressin 20U/hを10分間持続注入群, GIF 250μg/hを10分間持続注入群, GTN 3μg/kg/minの持続投与と50μg/kgのone shot静注群における全身循環動態, 門脈圧と門脈, 上腸間膜動脈, 脾動脈血流量の測定を行った. GTN投与群では, 門脈圧は52%の減少率を示し, vasopressin, GIFではそれぞれ24%, 22%の減少率であった. GTNはvasopressinやGIFに比べて良好な門脈圧降下作用をもち, 全身循環動態への影響も軽微であり, 食道胃静脈瘤出血時の治療として有効と思われた.
  • 笠木 徳三, 田沢 賢次, 山下 巌, 石沢 伸, 増山 喜一, 藤巻 雅夫, 前田 正敏, 本田 昴
    1989 年 22 巻 10 号 p. 2364-2370
    発行日: 1989年
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    消化器悪性腫瘍の肝転移再発に対する予防的な治療を目的としてOK-432を中鎖脂肪でエマルジョン化して経口投与し, その効果を実験的, 臨床的に検討した. 腫瘍細胞AH60Cを用いたラットの肝転移実験において, OK-432中鎖脂肪エマルジョン経口投与群の転移抑制率は57.1%で, 無処置群との間に有意差を認めた. 細胞障害活性試験ではOK-432中鎖脂肪エマルジョン経口投与群は, 腸間膜リンパ節43%, 脾細胞50%, で水溶液投与群より高い傾向にあった. 臨床例ではOK・432中鎖脂肪エマルジョン経口投与によりNK活性の低い担癌患者5例中3例が正常値に復した. またOKT4/OKT8比が上昇した. 以上より, OK・432中鎖脂肪エマルジョン経口投与の有用性が示唆された.
  • 術後胆管炎発症の観点より
    牧野 弘之, 弘中 武, 山岸 久一, 能見 伸八郎, 内藤 和世, 園山 輝久, 鴻巣 寛, 塚本 賢治, 糸井 啓純, 岡 隆宏
    1989 年 22 巻 10 号 p. 2371-2374
    発行日: 1989年
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    肝内結石症に対する外科的治療法選択のために10年間に教室で手術した肝内結石症22例のべ27回の手術症例をもとに, 術後胆管炎の発症さらにその原因として遺残結石, 再発結石, 胆管狭窄の残存について検討した.術後胆管炎はこれらの要因が絡み合って発症し, 肝切除術では総胆管消化管吻合術に比較してその発症は低率であった.肝切除術は肝内胆管に狭窄を有する肝内型および肝内優位型に施行され良好な成績であったが, 総胆管空腸吻合術, 十二指腸乳頭形成術では遺残結石, 術後胆管炎の発症とも多くみられ成績は不良であった.
  • 沼田 和司, 高安 賢一, 村松 幸男, 森山 紀之, 松江 寛人, 山田 達哉, 長谷川 博, 岡崎 伸生, 広橋 説雄
    1989 年 22 巻 10 号 p. 2375-2382
    発行日: 1989年
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    病理組織学的に診断された肝内末梢型胆管細胞癌13例の臨床病理学的検討を行った. 超音波で発見された例は85%でそのうち55%が無症状であった. 血液検査ではcarbohydrate antigen19-9の異常高値を50%の症例に認めた. 病理組織学的検討では, 11例が管状~ 乳頭状腺癌で他の2例は嚢胞状腺癌であった. 超音波, computed tomography, 血管造影では腺癌を示唆する所見が得られたが, 特に造影CTでは末梢肝内胆管の拡張 (46%) と, 早期の腫瘍辺縁の染まり (80%), 晩期のperipheral low density (50%) が特徴的であった. 以上より肝内胆管細胞癌の早期診断には50歳以上を対象とした超音波によるスクリーニングが不可欠であると考えられた.
  • 山下 隆史, 前田 敬文, 森本 修, 橋本 仁, 永井 裕司, 中河 宏治, 石川 哲郎, 大平 雅一, 朴 利敦, 矢田 克嗣, 吉川 ...
    1989 年 22 巻 10 号 p. 2383-2390
    発行日: 1989年
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    膵移植の成績は他の臓器移植に比べ移植手技, 免疫抑制剤の問題もありなお不良である.
    今回, 近交系ラットを用い十二指腸合併膵移植を行い, Ciclosporin (CsA), FK506 (FK) 投与による移植膵十二指腸の生着延長効果について検討した. CsA 5mg/kg投与群 (8匹) では移植膵, 十二指腸とも2か月後 (5匹) はほぼ正常に近い組織構造が保たれていたが, 4か月 (3匹) ではいずれも拒絶される傾向がみられた. 一方, FK0.48mg/kgからの漸減投与 (6匹) では移植2か月, 4か月 (各3匹) のいずれも膵, 十二指腸とも良好な組織像を示し, 肝, 腎への形態学的変化がほとんどなかったことから, FK漸減投与による十二指腸合併膵移植は今後臨床応用への期待が大きいと思われた.
  • 磯 篤典, 裏川 公章, 山口 俊昌, 中本 光春, 安積 靖友, 出射 秀樹, 田中 宏明, 川北 直人, 西尾 幸夫, 植松 清, 木崎 ...
    1989 年 22 巻 10 号 p. 2391-2397
    発行日: 1989年
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    切除した小腸原発性悪性リンパ腫5例を対象に, 臨床病理学, 免疫組織学的検討を行った. 性別は4: 1, 手術時平均年齢は62.2歳, 病悩期間は平均3.3か月であった. 臨床症状は腹痛を全例に認めたが, 悪性リンパ腫に特異的な症状はなかった. 発生部位は空腸1例, 回腸4例, 肉眼型は潰瘍型3例, 動脈瘤型2例で, 腫瘍径は全例4cm以上 (平均8.0cm) と大きく, 多発症例は2例あった. 免疫組織学的検索では全例B細胞由来リンパ腫で, このうち, 2例に腫瘍細胞質内に免疫グロブリン局在を認め, 1例はIgGλ 型, 1例はIgMλ 型であった. 腫瘍径と予後の関連性は見出せなかったが, 深達度, リンパ節転移, 進行度との関連性は示唆できた.
  • 藤吉 学, 白水 和雄, 梶原 賢一郎, 小畠 敏生, 中川 喜一朗, 君付 博, 平城 守, 磯本 浩晴, 掛川 暉夫
    1989 年 22 巻 10 号 p. 2398-2403
    発行日: 1989年
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    過去10年間に当教室で経験した腫瘤型大腸癌症例47例について臨床病理学的に検討し以下の結果を得た.
    1) 組織型は高分化腺癌が85% (40/47) を占め, 深達度ではpm, ss (a1) 症例が多く, リンパ節転移は少ないことが特徴的であったが, 肝転移率は全大腸癌症例と大差はなかった.
    2) 肉眼形態により4型に分類可能であり, この4型には癌の進行度に差があることが判明し, 小結節扁平隆起型は予後良好, 結節亀裂型はリンパ節転移, 肝転移ともに多く予後不良な傾向がみられた.
    3) 以上より腫瘤型大腸癌の肉眼分類は, 術中術後の治療および追跡に有用性が高いと考えられた.
  • 奥隅 淳一, 萩原 明於, 清木 孝佑, 高橋 俊雄
    1989 年 22 巻 10 号 p. 2404-2407
    発行日: 1989年
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    大腸癌切除例328例の中で低分化型腺癌8例, 未分化癌5例, 印環細胞癌4例の計17例を低, 未分化型癌として大腸癌取扱規約にのっとり, 臨床病理学的検討を加えた.
    低, 未分化型癌は男女ほぼ同数で, 大腸癌全症例の約5%を占めた. 高・中分化型腺癌と比較してS状結腸には少なく, 右側結腸に多かった. 平均年齢は高・中分化型腺癌に比較して約5歳若かった. 組織学的進行度ではstage I: 0例, stage II: 3例, stage III: 7例, stage IV: 6例, stage V: 1例で, 早期癌は1例もなく, 進行例が多かったが肝転移は1例もなかった.
  • 日下 尚志, 成澤 富雄, 小棚木 均, 高橋 政弘, 丹羽 誠, 小山 裕文, 山崎 好日児, 小山 研二
    1989 年 22 巻 10 号 p. 2408-2413
    発行日: 1989年
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    大腸癌31例の癌占居局所静脈血, 末梢静脈血および癌組織のプロスタグランジンE2 (PGE2) を測定し, 血行転移との関係を検討した. 局所血PGE2は対照とした早期胃癌10例の中結腸静脈血PGE2に比べて有意に高値であり (905±179: 82±11pg/ml), 癌腫径, 深達度, 癌組織PGE2と相関した. 末梢血PGE2は対照例のそれより高値であり (45±8: 21±3pg/ml), 局所血PGE2と相関した. 肝あるいは肺転移9例の末梢血PGE2は非転移例に比べて有意に高値であった (96±23: 38±10pg/ml). 癌腫内の多量産生に起因する局所血PGE2高値が血行転移を促進した可能性, また末梢血PGE2高値が血行転移の指標となりうることを示唆していた.
  • 林 賢, 廣田 映五, 板橋 正幸, 北條 慶一, 森谷 宜皓, 沢田 俊夫
    1989 年 22 巻 10 号 p. 2414-2420
    発行日: 1989年
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    過去25年間に切除された肛門管癌55例を組織型および占居部位 (歯状線を境界に上部群, 下部群に分類) を中心に臨床病理学的に検討した. 腺癌24例では75%が上部群で扁平上皮癌14例, 粘液癌13例ではそれぞれ64%, 69%が下部群であった. リンパ節転移は44%, 鼡径リンパ節転移は24%であり, 粘液癌はリンパ節転移23%と低率で, 下部群は鼡径リンパ節転移32%と高率であった. 5年生存率は組織型別では粘液癌 (67%) が腺癌 (52%) 扁平上皮癌 (42%) より良好であり, 占居部位別では上部群 (66%) が下部群 (33%) より有意に良好であった. 遠隔成績, 鼡径リンパ節転移状況からみて肛門管癌を上部群と下部群に分類することは予後を判断する上に有用であると考えられた.
  • 児島 高寛, 矢島 靖巳, 岩谷 周一, 長谷川 忠, 長町 幸雄
    1989 年 22 巻 10 号 p. 2421-2424
    発行日: 1989年
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
  • 中島 公博, 武岡 哲良, 高橋 透, 田辺 達三
    1989 年 22 巻 10 号 p. 2425-2428
    発行日: 1989年
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
  • 安永 昭, 松原 敏樹, 牧 篤彦, 木下 巌, 西 満正, 梶谷 鎧, 加藤 洋
    1989 年 22 巻 10 号 p. 2429-2432
    発行日: 1989年
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
  • 村上 義昭, 布袋 裕士, 津村 裕昭, 河毛 伸夫, 中井 志郎, 角 重信, 増田 哲彦
    1989 年 22 巻 10 号 p. 2433-2436
    発行日: 1989年
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
  • 井上 慎吾, 関川 敬義, 松木 啓, 野口 明宏, 在原 文夫, 前田 宜包, 菅原 克彦, 小山 敏夫
    1989 年 22 巻 10 号 p. 2437-2440
    発行日: 1989年
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
  • 梅原 靖彦, 宮原 透, 吉田 雅行, 大場 範行, 後藤 秀樹, 原田 幸雄
    1989 年 22 巻 10 号 p. 2441-2444
    発行日: 1989年
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
  • 廣橋 喜美, 原田 貞美, 佐藤 清治, 副島 真一郎, 樋高 克彦, 久次 武晴
    1989 年 22 巻 10 号 p. 2445-2448
    発行日: 1989年
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
  • 築野 和男, 渋沢 三喜, 小池 正, 佐藤 任宏, 佐藤 行彦, 中島 聰總
    1989 年 22 巻 10 号 p. 2449-2452
    発行日: 1989年
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
  • 飯原 啓介, 三嶋 秀行, 三好 康雄, 長岡 浩人, 黒川 英司, 明石 英男, 水本 正剛, 青木 行俊
    1989 年 22 巻 10 号 p. 2453-2456
    発行日: 1989年
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
  • 相沢 誠, 平田 公一, 桂巻 正, 唐沢 学洋, 白松 幸爾, 早坂 滉
    1989 年 22 巻 10 号 p. 2457-2460
    発行日: 1989年
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
  • 草野 敏臣, 古川 正人, 中田 俊則, 林 誰欽, 田代 和則, 渡部 誠一郎, 角田 司, 土屋 凉一
    1989 年 22 巻 10 号 p. 2461-2464
    発行日: 1989年
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
  • 福田 禎治, 轟 健, 宮本 寛, 野末 睦, 渡辺 宗章, 飯塚 育士, 折居 和雄, 岩崎 洋治
    1989 年 22 巻 10 号 p. 2465-2468
    発行日: 1989年
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
  • 伊藤 隆康, 吉田 順一, 岸川 英樹
    1989 年 22 巻 10 号 p. 2469-2472
    発行日: 1989年
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
  • 福田 宏嗣, 荻野 信夫, 大口 善郎, 有嶋 拓郎, 松宮 護郎, 大植 孝治, 水野 均, 渡辺 浩年, 仲原 正明, 越智 昭博, 大 ...
    1989 年 22 巻 10 号 p. 2473-2476
    発行日: 1989年
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
  • 太田 恵一朗, 西 満正, 中島 聰總, 梶谷 鐶
    1989 年 22 巻 10 号 p. 2477-2481
    発行日: 1989年
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    胃上部癌に対する進行程度に応じた適正な膵脾合併切除の適応を検討した. 1960年から1984年までに胃全摘や噴門側切除に膵脾合併切除の施行された胃上部癌根治切除例 (絶対非治癒切除除く) 513例を対象とし, 臨床病理学的ならびに予後の検討から次のような結果を得た. 脾門リンパ節の転移率は20.7%, 脾動脈幹リンパ節の転移率は23.8%であった. 表在癌や長径4cm未満の小さな胃上部癌では, 脾門・脾動脈幹リンパ節転移が極めてまれであり, 膵脾合併切除の適応は少ない. また, S2以上の症例や脾門・脾動脈幹リンパ節に明らかな転移を認める症例では, 積極的に膵脾合併切除を施行すべきである.
  • 本田 一郎, 藤田 昌宏, 渡辺 一男, 竜 崇正, 渡辺 敏, 坂本 薫, 川上 義弘, 大森 幸夫
    1989 年 22 巻 10 号 p. 2482-2485
    発行日: 1989年
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    進行上部胃癌に対する膵体尾部温存術の適応の有無を検討した. 対象は治癒切除のなされた143例である.(11) 番リンパ節の郭清はS2といえども脾動脈幹切除により残った膵体尾部の半連続切片による検索でもリンパ節が見られず, また転移リンパ節からの膵実質浸潤もないので可能である.S2例の潜在性膵実質浸潤は7.3%にすぎない. したがってS2例の大半は膵体尾部温存術の適応がある.S3 (膵), および明らかな (11) 番転移を有する例, また, 潜在性の腹膜再発の危険のあるものには膵脾合併切除術では不十分で, 治癒切除が望めるのなら左上腹部臓器全摘術を行うべきと考える. いずれにしろS2に対する処置が重要である.
  • 山田 眞一, 岡島 邦雄, 磯崎 博司, 中島 立博, 中田 英二, 原 章倫, 西村 淳幸, 吉岡 卓治, 一ノ名 正
    1989 年 22 巻 10 号 p. 2486-2489
    発行日: 1989年
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    胃下部進行癌の手術術式の決定に関する検討を行う目的で, 胃下部進行癌279例を臨床病理学的に検討し, さらにBrdU標識リンパ球を用い胃下部のリンパ流の検索を行った. また左腎静脈周囲リンパ節の郭清を施行した胃下部進行癌21例につきその転移率, 転移部位も併せて検討した. その結果, 胃下部進行癌のリンパ節転移の特徴は, リンパ節転移率とくに第3群リンパ節転移率 (16.2%) が有意に高率である. またリンパ流としては第2群リンパ節を介さず, 第1群リンパ節から第3群リンパ節転移に直接流入する経路が存在し, 十二指腸進展が10mm以上を越えると第3群リンパ節転移率 (46.2%) が有意に高率となる. 以上の特徴から胃下部進行胃癌の術式としては, 郭清の範囲はR2に加え重点的R3郭清, すなわち第3群リンパ節の重点的郭清目標としては, No.12, 13a, 14Vが重要である. また腹部大動脈周囲リンパ節の郭清は, No.9またはN3 (+) 例でその範囲は左腎静脈周囲リンパ節が重要と考えられる.さらに膵頭十二指腸切除術の適応は, S3 (膵) 例, N3 (+) (No.13a, 14V, 8p) 例, 十二指腸進展胃癌 (10mm以上) 例と考えられた.
  • 平塚 正弘, 古河 洋, 岩永 剛, 甲 利幸, 今岡 真義, 福田 一郎, 石川 治, 佐々木 洋, 亀山 雅男, 大東 弘明, 柴田 高 ...
    1989 年 22 巻 10 号 p. 2490-2493
    発行日: 1989年
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    進行胃癌根治手術例の5年生存率を占居部位別にみると, 胃中部癌は65.2%で, 最も良好であった. 胃中部癌の再発形式は, リンパ節再発が少く (4%), 腹膜再発が高率 (54%) であった. M, MA, MCでは, 第3群以上リンパ節への転移は2%以下と低率で, R2郭清により, リンパ節再発を抑制できる症例が多いと考えられた. 一方, 遠隔成績が極めて不良であるBorrmann4型胃癌は, 胃中部を中心とする例が最も多く, これに対する左上腹内臓全摘術+Appleby手術の3年生存率はstage II+IIIで71%であり, 従来の胃全摘術の51%に比べて生存率を向上させることができた. 播種型腹膜再発を防止する目的で, mitomycin C腹腔内大量投与を行っている.
  • 石本 喜和男, 谷村 弘, 田伏 洋治, 永井 祐吾, 田伏 克惇, 谷口 勝俊, 青木 洋三
    1989 年 22 巻 10 号 p. 2494-2497
    発行日: 1989年
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    進行胃癌のうち, R2以上のリンパ節郭清を施行しえたA領域癌150例, M領域癌178例およびC領域癌100例を対象に, 組織学的リンパ節転移率を検討し, 手術時のリンパ節郭清の差が遠隔成績に及ぼす影響を, R1と比較して検討した. リンパ節郭清の意義が5年生存率に最もよく反映されるのはA, M領域のstage IIとM領域のstage III症例であることが判明した. C, CMにMCを含めた進行癌に対する胃全摘時の脾摘または膵脾合併切除の是非については, 5生率からは差は得られなかったが, 膵脾合併切除例で10, 11番リンパ節転移率が高率なこと, stage IVの全摘の5年生存例4例全例が膵合併切除例であったことより, 積極的な合併切除によるリンパ節郭清が重要であるといえる.
  • 米村 豊, 藤村 隆, 鎌田 徹, 杉山 和夫, 長谷川 啓, 大山 繁和, 小坂 健夫, 山口 明夫, 三輪 晃一, 宮崎 逸夫
    1989 年 22 巻 10 号 p. 2498-2502
    発行日: 1989年
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    われわれの行ってきた拡大根治術の適応と根拠について進行胃癌治癒切除例384例の手術成績をもとに考察し以下の成績をえた. 1) 大動脈周囲リンパ節 (No.16) 郭清術 (R4) により生存率がR2, R3より改善した, R4の適応はN2, N3症例で, C領域癌ではNo.16.a2, b1.lateralをより徹底し, M, A領城ではNo.16.a2, b1両側の郭清が必要である. 2) 胃下部癌では膵頭十二指腸切除術によりps (+) でn3, 十二指腸浸潤例, si症例で膵頭部温存術式より生存率が有意に改善した. 3) 温熱化学療法は腹膜再発の予防, 腹膜播種の治療に有効であった.
  • 山村 義孝, 紀藤 毅, 平井 孝, 坂本 純一, 安井 健三, 加藤 知行, 安江 満悟, 宮石 成一, 中里 博昭
    1989 年 22 巻 10 号 p. 2503-2506
    発行日: 1989年
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    胃癌の同時性肝転移241例について術後生存期間からみた各種治療法の有用性を検討した. H1, H2では他因子併存の有無にかかわらず胃切除例の生存期間が長く, H1の5生率はR2 13.6%, R1 17.6%, R0 0%, 非切除0%であった. H1では胃切除のみの症例の5生率10.6%に対して肝転移合併摘除例は20.0%であり, また化学療法 (-) 例の5生率0%に対して全身化学療法例15.0%, 肝動注例23.1%であった. 最近における長期肝動注の成績 (異時性肝転移17例を含む20例の生存期間が407日) も考慮すると, 肝転移が著明でない場合はR1以上の郭清を伴う胃切除と肝転移巣の摘除および肝動注をおこない, 肝転移が著明な場合には肝動注を中心とする治療を選択すべきと思われる.
  • 高橋 滋, 徳田 一, 松繁 洋, 竹中 温, 泉 浩, 藤井 宏二, 加藤 誠
    1989 年 22 巻 10 号 p. 2507-2510
    発行日: 1989年
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    胃癌に対する超拡大郭清術式の適応と, 超拡大郭清における腹部大動脈周囲リンパ節の郭清方法について述べる.
    1) 術前診断でps (+) が疑われる場合, 上腹部山型横切開もしくは斜め胴ぎりで開腹する.
    2) 上部胃癌あるいは肉眼的に漿膜浸潤が疑われる症例は超拡大郭清の適応と考えられる.
    3) 腹部大動脈周囲リンパ節の郭清は胃癌の占居部位によらず, まず左右両側の後腹膜腔からapproachをおこない, No.(16) a-2, b-1およびb-2の一部を郭清する. 症例により横隔膜脚とともにa-1も郭清する.
    4) 超拡大郭清により, 約30個のn4リンパ節が郭清される.
  • 永川 宅和, 上野 桂一, 太田 哲生, 上田 順彦, 前田 基一, 小林 弘信, 中村 隆, 中野 泰治, 角谷 直孝, 宮崎 逸夫
    1989 年 22 巻 10 号 p. 2511-2515
    発行日: 1989年
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    膵頭部領域癌の治療成績について検討したところ, 膵頭部癌や膵内胆管癌ではかなりの率に局所の非治癒切除をみ, リンパ節転移に対するリンパ節郭清の効果が十分でなかった.膵頭部癌では (16) リンパ節郭清を下大静脈または左腎静脈切離によって行い, 門脈合併切除, smaの合併切除が必要である.膵内胆管癌では (16) リンパ節郭清を行うが, 下部胆管上部の癌腫では門脈合併切除が必要で, sma周囲神経叢の完全切除は変らないか, リンパ節郭清はさらに徹底しなければならない.乳頭部癌では (16) リンパ節郭清は前面にとどめる程度とし, sma周囲のリンパ節郭清や神経叢切除は膵内胆管癌に準ずる程度とするのが妥当と思われた.
  • 乳頭部癌, 下部胆管癌, 膵頭部癌について
    中山 和道, 津留 昭雄
    1989 年 22 巻 10 号 p. 2516-2520
    発行日: 1989年
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    膵頭十二指腸切除術 (PD) 施行例, 205例中, 乳頭部癌76例, 中下部胆管癌55例, 膵頭部癌39例でこの三者で170例, 82.9%を占めていた. 直接成績では205例中直死例は9例4.4%で, 乳頭部癌3例, 下部胆管癌3例, 膵頭部癌2例, 胆嚢癌1例でいずれも悪性疾患であった. 合併症は膵が正常に近い例, 拡大した手術例にみられた. 遠隔成績では5生率は乳頭部癌54.1%, 中下部胆管癌24.4%, 膵頭部癌19.8%で, 乳頭部癌では十分なリンパ節郭清により著明な成績の向上をみた. 下部胆管癌の再発因子の検討から肝外胆管は全切除が必要である. 長期生存例の術後の病態はほぼ満足すべき結果であり, PD-I, PD-IIも良い消化管再建術式である.
  • 二村 雄次, 早川 直和, 神谷 順一, 前田 正司, 岡本 勝司, 塩野谷 恵彦
    1989 年 22 巻 10 号 p. 2521-2524
    発行日: 1989年
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    1975年10月から1988年8月までに行った149例のPD症例の手術直接成績を検討した. 徹底したリンパ節, 神経叢の郭清を行った拡大PD (36例) よりも通常の郭清を行った通常PD (94例) の方が膵空腸吻合部の縫合不全率が高く, 手術死亡率も高かった. PDに他臓器の合併切除をすると, 通常PDを行った群に縫合不全率が上昇した. 拡大PDは血管を中心とした合併切除を行っても縫合不全率に変化はなかった. 肝膵十二指腸切除 (HPD, 19例) は縫合不全率が高く, 手術死亡の原因はすべて急性肝不全であった. HPD後の4年累積生存率は25.7%と予想外に高かったが, 手術適応, 手術中の肝機能保全対策が今後の課題である.
  • 田代 征記, 平岡 武久, 内野 良仁, 辻 龍也, 宮内 好正
    1989 年 22 巻 10 号 p. 2525-2529
    発行日: 1989年
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    最近, 進行胆嚢癌では, その進展様式からPDの必要性が論じられている. そこで自験例のss以上の癌の進展様式とPDを施行した16例の検索から胆嚢癌におけるPDの意義を検討した. ss以上の癌では上腹部の広い範囲のリンパ節転移 (n2以上), 肝十二指腸間膜浸潤 (Binf), 十二指腸浸潤を来たしやすく, 治癒切除を行うためにはPDの適応となる症例が多い. またBinfを来たした症例では上方下方への胆管に沿う浸潤がみられ, 下方へ乳頭部まで浸潤を来たした症例があった. このような症例はPDをしなければ, 根治術は不可能である. PD施行例の生存成績からss癌が最もよい適応で, se癌のstage IIIまでがよい適応となるものと考えられた.
  • 中尾 昭公, 岸本 若彦, 加藤 秀幸, 野浪 敏明, 原田 明生, 高木 弘
    1989 年 22 巻 10 号 p. 2530-2534
    発行日: 1989年
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    膵頭部癌で癌の体尾部進展を認めない症例には, 根治性向上と膵機能温存を目的とし, アンスロン門脈バイパス法施行下に膵尾部のみ温存する門脈合併膵頭十二指腸切除に加えて膵頭神経叢, 上腸間膜動脈ならびに膜腔動脈周囲神経叢全切除, 大動脈周囲リンパ節郭清, 左右腹腔神経節切除も施行する拡大膵頭十二指腸切除術を施行し, 消化管再建は今永法で施行してきた. 膵頭部領域癌を中心に本術式を28例に施行したが, 直死例は1例で, 他の症例はすべて退院可能であり, 社会復帰状況も比較的満足できるものであった. 本術式は安全に施行可能であり, 癌の根治性と膵機能温存を考慮した術式として評価できる.
  • 白部 多可史, 尾形 佳郎, 高橋 伸, 都築 俊治, 阿部 令彦
    1989 年 22 巻 10 号 p. 2535-2539
    発行日: 1989年
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    膵頭十二指腸切除 (以下PD) 症例182例について消化管再建術式を合併症と胆道-消化管同時シンチグラムより見た消化吸収機能を中心に検討を加えた.
    合併症発生率・手術死亡率に再建術式による差は認められなかった.また胆道-消化管同時シンチグラムによる検討ではBillroth I型方式である今永法はBillroth II型方式であるChild法やChild R-Y法より食物と胆汁の混合状態が良好であった.しかし術後の体重変動を検討すると両術式間に有意差はなかった.それに比し, 幽門輪保存術式は術後の体重増加が良好で, 適応により施行すれば癌に対する根治性も損なわれない優れた再建術式であると考えられた.
  • 小針 雅男, 川口 信哉, 木村 良直, 浅野 晴彦, 網倉 克己, 武田 和憲, 佐々木 巌, 松野 正紀
    1989 年 22 巻 10 号 p. 2540-2543
    発行日: 1989年
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    教室で経験した膵頭十二指腸切除術172例について術後遠隔時における膵内外分泌機能, 栄養状態からみた病態生理を検討した. 術後長期経過例の耐糖能は境界型が58.8%, 正常型が32.4%で術前の耐糖能を維持した. PABA排出試験も再発のない例では術後早期の値を維持した.血清アルブミン値は比較的高値を示し, 体重は5年以上経過例では10%の増加を示した. 術後早期に剖検した膵管空腸吻合口閉塞例では膵実質の線維化が高度であった. 以上により, 膵頭十二指腸切除術後においては術後早期には膵内外分泌機能の低下がみられるものの, 長期経過例では残膵機能は比較的よく保たれるものと考えられた.
  • 内視鏡ならびに剖検による検討
    鋤柄 稔, 竹内 昌, 安西 春幸, 星野 高伸, 山崎 達雄, 小山 勇, 尾本 良三, 渡辺 宏志, 勝 建一
    1989 年 22 巻 10 号 p. 2544-2547
    発行日: 1989年
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    胃膵吻合が施行された16例について膵断端の形態学的変化を内視鏡によって分析した. 術後は時の経過とともに, 膵断端の胃内への突出が減じ, 術後1年を越えた場合, 膵断端は, 周囲胃粘膜と同一レベルになった. そのうえ, こうした症例の約半数は, 膵断端が胃粘膜によって完全に被覆されていた. 手術から1年7か月後に剖検しえた1例では, 主膵管はその開口部近くで閉塞していた. しかし, PABA排泄率, 7590・GTT, ならびに臨床症状などからは膵の内・外分泌機能は比較的良好に保たれているように思われた. 胃膵吻合の合理性を結論づけるには, さらに長期にわたる追跡, 分析が必要と思われた.
  • 李 光春, 木下 博明, 広橋 一裕, 街 保敏, 久保 正二, 岩佐 隆太郎, 藤尾 長久
    1989 年 22 巻 10 号 p. 2548
    発行日: 1989年
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
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