栽培型パンジーの一系統スイスジャイアントの花色変異には, 6種類のアントチアニンが関係している。これをペーパークロマトグラフ法で分離して, 比較的純粋なアントチアニンを得た。これらについて, それぞれ〓化, 完全および部分的加水分解を行ない, クロマトグラム上で規準標本と比較して同定を試みた。その結果, 赤色花の主要色素はkeracyanin であり, 青色花のそれはdelphinidin-3:5-
p-coumarylglucorhamnosideであつて, violanin (delphinidin-3-
p-coumarylglucorhamnoside) ではないようである。比較的少量含まれている色素の一つは tulipanin で, 他はcyanidin-3:5-glucoglucorhamnoside と推定された。他の2つはcyaniding および delphinidin の誘導体である。
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