植物学雑誌
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75 巻 , 888 号
選択された号の論文の6件中1~6を表示しています
  • 滝本 敦, 内藤 佳之
    1962 年 75 巻 888 号 p. 205-211
    発行日: 1962年
    公開日: 2006/12/05
    ジャーナル フリー
    1) 12時間の暗期前に与えた近赤外光(FR)の開花促進作用3)は, FRの強さが弱いほど著しく, またFRの照射時間が長いほど(4時間以内)著しい.
    2) 12時間の暗期前に与えたFRの開花促進作用は, 暗期直前に5分間赤色光を照射することによって消却されることなく, むしろ促進される.
    これらの結果は “暗期反応の初期段階がFR下で進行しうる” というわれわれの仮説3)を支持するものである.
    3) 暗期の最初の30分間FRを照射すると, 暗期(FRの照射時間を含めて)が13時間以上の場合にはFRは開花を抑制し, 暗期が13時間以下の場合にはFRは開花を促進する.
  • 市村 俊英, 西条 八束, 有賀 祐勝
    1962 年 75 巻 888 号 p. 212-220
    発行日: 1962年
    公開日: 2006/12/05
    ジャーナル フリー
    1960•1961両年夏季に本州東方海域で, C14を用いて海洋植物プランクトンの光合成を種々の条件下で測定し, 光合成の特性を明らかにするとともに,その生態学的意義を検討した.
    黒潮•親潮両水域では表層の植物プランクトンと深層の植物プランクトンの間に光合成型の分化が認められた. すなわち, 表層のものは陽生型, 深層のものは陰生型であった. 混合水域の植物プランクトンではこのような分化は認められなかった.
    光合成の強光阻害が明らかに認められた. 強光阻害は表層のものでは少なく, 深層のものほどいちじるしかった. また表層のものでも黒潮水域より親潮水域のものの方が阻害がいちじるしい. しかし, 異なった強光阻害を示す光合成曲線を用いて, 一日当たりの生産量を算出して検討した結果, クロロフィル法で基礎生産を求めるばあい, 快晴の日以外は強光阻害を特に考慮しなくてもよいという結論がえられた.
    水温を変えたばあいの光合成曲線は, 光が強いときには水温が高いほど大きな値を示すが, 光が弱いところでは水温に関係なく同一線上に重なり, また一般に海洋でいちじるしい水温の低下が認められる深度の光は表面の50%以下に弱まっているから, クロロフィル法では弱光下で光合成をあつかうかぎり, 水湿の影響を特に考慮しなくてもよい.
    親潮水域の表層の植物プランクトンの最適照度における単位クロロフィル量あたりの光合成値は黒潮水域のものの3~5倍であった. この違いはクロロフィル法で基礎生産を求めるばあいに考慮する必要がある. 最適照度における光合成値は環境によって違ってくるが, 同一水域内ではかなり広範囲にわたっていちじるしい変化は認められない.
    以上のことから, 海洋の基礎生産の調査にあたっては, 各水域ごとに表層の植物プランクトンについて代表的な光合成曲線をつくり, これと植物プラクトンの現存量および光条件から各水域の基礎生産を求めるのが簡便で, 意義のある値をうる方法である.
  • 大槻 虎男
    1962 年 75 巻 888 号 p. 221-227
    発行日: 1962年
    公開日: 2006/12/05
    ジャーナル フリー
    12, 15, 20, 25, 32, 38°の各温度は 100% から 50% R.H. に至る各湿度で実験した. ガラス菌はNo.1. No.7, No.16の3菌株, 比較としてコウジカビ, クロカビを供試した. 結果は2, 3, 4図にあげた.
    ガラス菌は気体としての水を利用するが, 液体としての水(純)は利用できない. コウジカビなどは液体としての水で最もよく発芽する.
    気中発芽の結果と, さきに報告した培養液における発育試験の結果とを比較考察した. その結果は気中発芽の方がより高い乾燥度にたえて発芽することを示している. ガラス菌がレンズなどによく発育する理由のひとつはここにあると考えられる.
  • 駒嶺 穆
    1962 年 75 巻 888 号 p. 228-236
    発行日: 1962年
    公開日: 2006/12/05
    ジャーナル フリー
    ハッショウマメ (Stizolobium hassjoo) に多量にふくまれ, その黒化現象の原因物質となっている3,4-ジオキシフェニルアラニン(ドーパ)の生理的意義を追求するため, マメ科植物におけるドーパの分布,ハッショウマメ, ソラマメのいろいろの組織におけるドーパの含有量の比較, ハッショウマメの発芽にともなうドーパおよびその関連物質の変化, ドーパの生合成経路などをしらべたところ, 次のことがわかっ
    た.
    1) ドーパは Stizolobium, Mucuna, Vicia, Cytisus 属に見いだされ, そのマメ科植物間での分布はあまり広いものではない.
    2) ドーパの乾燥量あたりの含有量は, 若い組織ほど大きく, ひとつの器官の全含有量をくらべると,古いものの方が大きい. まためばえでは上胚軸の生長と平行的にドーパはふえる. これらの事実から, ドーパは若い組織で急速につくられ, 組織に堆積すると考えられる.
    3) ドーパの生合成経路については, 培養および infiltration の実験, 放射能をもつチロシンをもちいた実験, 酸素欠乏状態においためばえにおけるチロシン, ドーパの変化などからチロシンからドーパに至る径路が確認された.
  • 竹中 要
    1962 年 75 巻 888 号 p. 237-241
    発行日: 1962年
    公開日: 2006/12/05
    ジャーナル フリー
    The reduction division in PMC's was studied in 6 interspecific hybrids: N. tabacum× N. otophora, N. tabacum×N. longiflora, N. paniculata×N. tabacum, N. knightiana×N. tabacum, N. gossei×N. tabacum and N. megalosiphon×N. tabacum.
    1) F1of N. tabacum (n=24)×N. otophora(n=12) At MI in PMC's of F1 of N. tabacum×N. otophora, the number of bivalents and trivalents per cell was 12 in total. It then seems that the genome of N. otophora is the same as one of the genomes of N. tabacum. This finding is generally in agreement with Good-speed's data (1954) on hybrids between N. otophora and two varieties of N. tabacum.
    2) F1 of N. tabacum (n=24)×N. longiflora(n=10) At MI in PMC's of F1 of N. tabacum×N. longiflora, 0-4 chromosome pairs were found, with the mode at 0-1. The frequency of PMC's with 2 bivalents followed that of PMC's with 1 bivalent. PMC's with 3 bivalents were occasionally found and those with 4 bivalents were very rare. Considering such number of bivalents it is difficult to determine whether the few chromosomll affinities are allosyndetic between the genomes of the parents or autosyndetic. between the 2 genomes of N. tabacum. However, Kostoff (1943) found usually 5 to 7 bivalents and rarely 8 or 9 bivalents in this hybrid combination. The cause of the difference between Kostoff's and my own results is unknown.
    3) F1 of N. paniculata (n=12)×N. tabacum(n=24) At MI in PMC's of this hybrid, 0-4 bivalents were found, with the mode at 1. PMC's without bivalents and with 2 bivalents were very frequently observed, but those with 3 and 4 pairs very rarely.
  • 平 宏和
    1962 年 75 巻 888 号 p. 242-243
    発行日: 1962年
    公開日: 2006/12/05
    ジャーナル フリー
    The comparison of contents of the eighteen amino acids of the seeds are presented in this report. The seeds of thirty one species belonging to Gramineae covering Pharoideae, Pooideae, Eragrostoideae and Panicoindeae were investigated with respect to their amino acid contents. Complete hydrolysates of seed powder were subjected to the microbiological assay using lactic acid bacteria. The results obtained were discussed from the point of view of their taxonomic relationships.
    It was indicated that the conspicuous relationship existed between the amino acid pattern of the seed and the plant species. The subfamily Panicoideae showed an amino acid pattern characterized by high alanine and leucine levels, in marked contrast to those observed in other subfamilies. The seed of Panicoideae also showed lower lysine and arginine levels as well as those of Eragrostoideae when compared with other two subfamilies. Among the species belonging to Pooideae, differences in amino acid pattern being considered to characterize the tribes were also observed. Pharoideae and Pooideae gave similar pattern with exceptions of lower glutamic acid and proline level, and of higher aspartic acid level in the former.
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