植物学雑誌
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76 巻, 896 号
選択された号の論文の6件中1~6を表示しています
  • 豊田 清修
    1963 年 76 巻 896 号 p. 41-47
    発行日: 1963年
    公開日: 2006/12/05
    ジャーナル フリー
    1. アスコルビン酸溶液におけるハスの種子から発生するガスの量は水中におけるより多く, デヒドロアスコルビン酸において明らかに著しい.
    2. 発芽しつつあるハスの種子におけるアスコルビン酸の作用はその呼吸を促進するようである. デヒドロアスコルビン酸はもっと促進する. これはデヒドロアスコルビン酸が還元されることによって基質が 酸化されることによると考えられる.
    3. ハスの幼芽におけるデヒドロアスコルビン酸に対するアスコルビン酸の量比は成熟につれて小さくなり, 発芽につれて大きくなる.
    4. ハスの種子のホモジェネートにおいても遊離されるガスの量はデヒドロアスコルビン酸溶液におい て最大で, ついでアスコルビン酸溶液において大きい.
    5. ハスの幼芽は多量のデヒドロアスコルビン酸とある量のアスコルビン酸を含有している. これらの 特質は水中における発芽と呼吸に対して好つごうであるらしい.
  • 佐々木 喜美子
    1963 年 76 巻 896 号 p. 48-58
    発行日: 1963年
    公開日: 2006/12/05
    ジャーナル フリー
    ベゴニアの種々の器官, 特に葉や花弁には多量のシュウ酸が含まれている. またシュウ酸は種々の器官, 組織によって酸化的に代謝される. 葉におけるシュウ酸酸化の活性は特に葉緑体区分に強くあらわれ, その至適pHは4.5, RQは2.4付近の値を示す. シュウ酸を酸化する酵素は, 葉緑体区分からデオキシコール酸, ジギトニン, あるいはリパーゼ処理などによって部分的に溶出され, また50-71%アセトンあるいは飽和硫酸アンモニウムによって粗酵素液から沈でんせられる. またその活性はフラビン•モノヌクレオタイド添加によって促進され, 安息香酸塩, クロールプロマジン, および硝酸塩によって強く, あるいはアザイドによってわずかに阻害されるが, 青酸塩によって阻害されない.
  • 清水 碩, 服部 静夫
    1963 年 76 巻 896 号 p. 59-66
    発行日: 1963年
    公開日: 2006/12/05
    ジャーナル フリー
    キク科の植物であるタカサブロウ Eclipta alba の液汁が, 空気にふれると, ただちに青変することは古くから知られていた. タカサブロウは wedelolactone を多量に含有しており, これが酵素反応によって空気中の酸素で酸化され, 青色物質に変化するのである. この反応に関係する酵素はフェノール酸化酵素 の性質をもっているが, モノフェノールに対しては活性を示さない. またこの酵素標品にはアスコルビン 酸酸化酵素, およびパーオキシダーゼの活性が含まれていない. この酵素標品により wedelolactone の 酸化発色は, Cu++によって大いに促進されるが, アスコルビン酸では阻害をうける.
  • 木村 和義, 滝本 敦
    1963 年 76 巻 896 号 p. 67-73
    発行日: 1963年
    公開日: 2006/12/05
    ジャーナル フリー
    連続光下でアサガオ; (短日植物) を無菌的に試験管内に培養し, いろいろの定温および種々の温周期処理が花芽の分化におよぼす影響を調べた. 本系統は18°以上では花芽形成に必ず短日を要するが, 低温度条件では連続光下でも花芽を分化することを観察した.
    1. 温度一定の場合, しょ糖を含む培地上では15°がもっとも花芽形成を促し, 30日間の処理で100%花をつけた. 10°-12°で30日間培養した場合には, わずかに花芽をつけ, 5°以下および18°以上では, 花芽を形成しない.
    2. 一日のある時間低温と25°とを与える処理を30日間行なった場合にも花芽を分化する. 1-10°を1日 に12時間以上与えると花芽を形成するが, 1-5°を20時間以上与えると花芽をつけない. 15°と25°の間 の変温処理では20時間以上15°を与えることが必要であり, 20°と25°の間の変温処理ではいかなる時間 の組合せでも花芽をつけない.
    3. しょ糖を加えない培地上では, 低温でも連続光下ではほとんど花芽形成が起こらず, ただ5°(16時間) と25°(8時間) ならびに10°(20時間) と25°(4時間) の混度周期を与えたものでわずかに花芽形成が見られる.
  • 山段 忠
    1963 年 76 巻 896 号 p. 74-78
    発行日: 1963年
    公開日: 2006/12/05
    ジャーナル フリー
    The author previously reported a remarkable transformation of a mature rhizoidal cell of Nitella flexilis into an internodal one as a result of isolation from the rest of the plant and of culture in vitro. This metamorphosed cell was developed to a small plant consisting of 'leaf' cells, internodal cells, nodal cells and rhizoidal cells.
    In the present experiments, the rhizoidal cells cultured with the rest of the plant were also transformed to have the shape of the internodal cell, containing many nuclei and chloroplasts. Furthermore, shoots and rhizoids were newly formed from these metamorphosed cells. The suitable illumination for this metamorphosis was about 500lux with fluorescent light and adequate pH was around 6.6. Some plant growth hormones, vitamins and amino acids, e.g., IAA, NAA, vitamin B2, C, aspartic acid and glutamic acid, promoted this metamorphosis at appropriate concentrations.
  • 鳥山 英雄
    1963 年 76 巻 896 号 p. 79-80
    発行日: 1963年
    公開日: 2006/12/05
    ジャーナル フリー
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