植物学雑誌
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73 巻 , 867 号
選択された号の論文の8件中1~8を表示しています
  • 土井田 幸郎
    1960 年 73 巻 867 号 p. 337-340
    発行日: 1960年
    公開日: 2006/12/05
    ジャーナル フリー
    タデ属植物における種の系統関係を論ずるために, タデ科のタデ属および近縁属植物の染色体数を調べた.
    その結果, 根端細胞で24の染色体数をもつ3種の植物を見出した. これら3種の基本染色体数は12と考えられる. タデ科植物においては, これまで基本染色体数は8, 10, 11 および17が報告されているが9, 10) 12という報告は本報が始めてである. (国立遺伝学研究所)
  • 滝本 敦, 池田 勝彦
    1960 年 73 巻 867 号 p. 341-347
    発行日: 1960年
    公開日: 2006/12/05
    ジャーナル フリー
    1) 暗期の長さに関係なく, 赤色光による光中断は暗期開始後8~12時間目においてのみ有効である.光中断として2分間赤色光 (1500erg/cm.2/sec.) を与えた直後に5分間近赤外光(15kiloerg/cm.2/sec.)を照射しても, 前者による花芽形成抑制効果は消却されない.
    2) 暗期の長さに関係なく近赤外光による光中断は暗期開始後 0~12 時間目においてのみ有効であり,8時間目で最もいちじるしい花芽形成抑制効果を示す. 5分間の近赤外光照射に続いて2分間赤色光を与えると, 暗期の初期 0~4 時間目においては, 前者による花芽形成抑制効果が完全に消却されるが, 暗期の他の時期においては,ほとんどその影響が見られない.
    3) 16時間暗期の中央で1分間の赤色光と10秒間の近赤外光を交互に数回与えると, 最後の照射光が赤色光の場合よりも, 近赤外光の場合の方が高い開花反応を示す. これに反して, 2分間の近赤外光と20秒間の赤色光を交互に与えた場合には, 最後に与えた光が近赤外光の場合よりも赤色光の場合の方が高い開花反応を示す.
    赤色光と近赤外光の拮抗作用はあるが, 各々が異なった機構で花芽形成を抑制するため, 拮抗作用がないように見える場合が多いものと考えられる.
    4) 赤色光, 近赤外光共に強い光を短時間照射するよりも, 弱い光を長時間照射する方が強い花芽形成抑制作用を示す.
  • 福本 日陽
    1960 年 73 巻 867 号 p. 348-354
    発行日: 1960年
    公開日: 2006/12/05
    ジャーナル フリー
    強度の肥培と摘芽などによって栄養過剰の状態におかれたトマトの葉の葉軸上に多くの不定芽が生じ,それらのうちのあるものは開花結実するにいたった. 不定芽は中部の葉の小葉の腋部にかぎって生じ, 一枚の葉に数個ずつみられた.
    不定芽のできはじめは, 小葉の腋部の表皮下柔細胞の分裂による胚的細胞の小群としてみられる. のちにその部分が上方に隆起して, まわりに葉原基, 中央に生長内錐を形成する.
    芽の下方の柔細胞も分裂をはじめ, それによってつくられた原維管束が葉軸の管束の方に向かってのびてゆく. 通導組織ははじめ葉原基内にできるが, 次第に下部の方にもつくられ, ついに葉軸のそれと結合するにいたる. 不定芽のできる原因についてはくわしいことはしらべられていない.
  • 古谷 庫造
    1960 年 73 巻 867 号 p. 355-359
    発行日: 1960年
    公開日: 2006/12/05
    ジャーナル フリー
    石灰藻類の炭酸石灰沈着の機構を明らかにする目的の第一歩として, 紅藻石灰藻サンゴモ科8種, ガラガラ科3種の主な無機成分の分析および, 二, 三のサンゴモ科の顕微鏡観察を行なった結果を報告する.
    紅藻石灰藻はカルシウムを多量に含有し, 胞子発芽直後から細胞膜間に, 炭酸石灰として, 活發に沈着し, フサカニノテでは, 二細胞時代にすでに炭酸石灰の沈着が見られる. 藻体の炭酸石灰量は乾量に対して, サンゴモ科 65~70%, ガラガラ科 21~60% である. サンゴモ科ではマグネシウム量が他の紅藻より一般に多量である. 硫酸もマグネシウムと同様に, 他の紅藻よりかなり多量に存在する. 灰分中の硫酸は藻体の酸加水分解によって得た全硫酸の約半量である. このことから石灰藻には, 他の紅藻と同様, モノエステル型の硫酸が存在しているものと思われる. 遊離型の硫酸塩はほとんど存在しない. 燐酸含有量は少なく, サンゴモ科には他の紅藻にくらべて特に多い事実は認められなかった.
  • 鈴木 静夫, 二村 坦孝
    1960 年 73 巻 867 号 p. 360-364
    発行日: 1960年
    公開日: 2006/12/05
    ジャーナル フリー
    裏磐梯の五色沼および赤沼湖群において, 水棲不完全菌類の分布と湖水の水質との関係を観察した. 湖水が中性の調和湖には水棲不完全菌類の種類が豊富であるが, 多量の無機塩類を含有し強酸性を呈する酸栄養湖にはTricladium gracile var. oxyphilum が優占的で, その他の Anguillospora longissimaLemonniera aquatica が少数見られるにすぎない.
    純粋に培養した水棲不完全菌類をこれら湖群から採水した湖水中で培養したところ, 上記の種は酸栄養型の湖水中でも分生子が形成されるが, 調和湖だけに分布している Tetrachaetum elegans, Articulospora tetracladia, Clavariopsis aquatica では非調和性の強い酸栄養湖の湖水中では分生子の形成は見られない. この事実は湖沼型によって分布する水棲不完全菌類の種類が異なることを裏づけるものといえる.
  • 秋山 優, 広瀬 弘幸
    1960 年 73 巻 867 号 p. 365-368
    発行日: 1960年
    公開日: 2006/12/05
    ジャーナル フリー
    本邦新産地上藻の1種である緑藻 Fritschiella tuberosa Iyengar の形態的ならびに生態的な形質について記載した.
    1. 本藻の産状については, 主に水田のあぜ道など比較的湿潤な土壌表面に, 1~5mm 程度のひろがりをもつ不規則な円型または不整型のコロニーを形成し, しばしば, 他の地上藻は Oedocladium, Zygogoniumや蘚類の原糸体などと混生する.
    2. 形態的には, 1次, 2次の直立糸, および細胞塊ならびに仮根より成るほふく糸より構成されている.
    3. 生育環境とくに水分条件により, 2次直立糸の成長状態が異なり, 一般的に湿潤な場所に生育するものでは, 2次直立糸がいちじるしく発達している.
    4. 本藻の分布については, これまでに, 山陰地方一帯ならびに北海道 (札幌) からの産出が認められているが, 本邦各地に, かなり広範に分布するものと推察する.
  • 塙 順
    1960 年 73 巻 867 号 p. 369-376
    発行日: 1960年
    公開日: 2006/12/05
    ジャーナル フリー
    1) Late embryogeny and histogenesis in Sesamum indicum L. were described.
    2) The protoderm of the embryo is established early by the periclinal division of the cells of the 8-celled embryo-globe: the cells of the surface layer produced by this division are divided only anticlinally thereafter, except for a few cells participating in the root-cap formation.
    3) The tissue differentiation in the embryo starts with the appearance of cells with decreased stainability. The first such cells appear in the outer ground meristem, which makes the embryonic cortex, then follows the appearance of such cells in the inner ground meristem, which makes the pith in the hypocotyl. In consequence of the appearance of these less-staining regions, tissues whose cells are dark-staining and appear unaltered are blocked out as a procambial core and a presumptive region of cotyledons and plumule. The procambial core differentiates into the embryonic stele.
    4) The presumptive region of cotyledons and plumule is regarded as an incipient, juvenile shoot apex. The shoot apex develops from the juvenile to the advanced structure through embryogeny. Even in the full-grown embryo, however, the apical meristem remains incompletely developed. No periclinal division occurs in the 2nd or 3rd cell layer at the leaf position prior to the formation of the first foliage leaves. This makes a contrast with the initiation of later leaves, which is preceded by periclinal divisions in the 2nd and 3rd layers. The apical meristem is connected with the procambium of the hypocotyl by two meristematic strands at opposite sides of the procambial cylinder in the intercotyledonary plane before the first leaf primordia are initiated.
    5) The apical meristem of the radicle is organized at about the same stage with the cotyledons, earlier than the formation of the plumule. Initials of the root cortex and those of the epidermis and root-cap are distinguished from other cells, from the time of their very origin. The undermost cells of the procambial core, which are contiguous with the cortex initials, function as the initials of the root stele.
    6) The embryonic stele is differentiated as a structure having the transitional pattern of vascular system between the cotyledons and the root: its fundamental tissue pattern is already determined when the first protoxylem and protophloem poles appear.
  • 滝本 敦, 田島 良男, 今村 駿一郎
    1960 年 73 巻 867 号 p. 377
    発行日: 1960年
    公開日: 2006/12/05
    ジャーナル フリー
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