植物学雑誌
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73 巻 , 864 号
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  • 田崎 忠良
    1960 年 73 巻 864 号 p. 205-211
    発行日: 1960年
    公開日: 2006/12/05
    ジャーナル フリー
    一定の条件下で植物体の一部を切りはなしてから乾燥死にいたる時間として, 乾燥抵抗を数式で表現した。葉面積が簡単に測定できる葉では, 乾燥抵抗の式と摘葉後の比較蒸散量の経過の式によって解析をおこなった. 乾燥抵抗は水分経済に関係したつぎの諸量によって表現した. -蒸散減少の傾向(k'), 最初の比較気孔蒸散量(A'), 最後の比較蒸散量すなわち普通は比較クチクラ蒸散量(C''), 致死飽差(D), 葉面積重(M), 飽差(d)のおよび葉型蒸発計の単位面積•単位時間の蒸発量(E)-。乾燥抵抗(t)は(6)式をグラフによって解くことによって求められる. しかし不等式(8)が満足されるとぎは, より簡単な(7)式により求められ, また抵抗の強い場合には蒸散変化の経過を略することができる(9式). クワの場合は(7)式は正常な葉だけに適用され, (9)式はどの場合にも適用できない. またこの解析によってDとMの積が乾燥抵抗に特に関係があることが明らかにされた. 多肉植物はDM大きいので抵抗はいちばん強く, 針葉樹はMが大きいためまた多汁の草本はDが大きいため抵抗が大きい. ほかの落葉広葉樹や草本ではDMが小さく抵抗が弱いが, DとMの値は種類によって非常にちがう.
    葉面積のはかりにくい場合もふくむ場合の解析では, 比較蒸散量のかわりに一定飽差下の単位乾量あたりの蒸散量をつかって, 前の解析と同じ経過によって解析を行った. しかし解析は特別の解析の場合ほど完全にはゆかない.
  • 信夫 隆治, 川戸 峯子
    1960 年 73 巻 864 号 p. 212-216
    発行日: 1960年
    公開日: 2006/12/05
    ジャーナル フリー
    1958年10月, 長崎市の土から分離した放線菌の一種No. 701は気中菌糸に多くの小型 colony を形成
    する. 本菌を従来記載された species と形態的, 生理的および培養的諸性質を比較した結果, 新種である
    ことがわかったので Streptomyces aerocolonigenes と命名することを提唱する
  • 市村 俊英
    1960 年 73 巻 864 号 p. 217-224
    発行日: 1960年
    公開日: 2006/12/05
    ジャーナル フリー
    晴天における湖沼内のクロロフィル含量は, 表層水中で, 特に日周期的な変動が見られる. 一般に最大値は6時, 最小値はほぼ17時に測定され, 両者の比は夏季約2:1, 冬季はきわめて小さい. 日変化は曇天ではおこらず, また晴天でも深層中ではほとんど見られない. クロロフィルの減少は光合成を阻害するような強光下においてのみ認められる. 日変化の現象は植物プランクトンの垂直移動によるものではない. 光および光合成と密接な関係があり, 生体内のクロロフィル自体の変化とも考えられるがまだ明らかでない. クロロフィル量および光一光合成曲線を用いての基礎生産の解析では, この日変化は富栄養湖では無視できるが貧栄養湖では考慮しなければならない.
  • 井上 浩
    1960 年 73 巻 864 号 p. 225-230
    発行日: 1960年
    公開日: 2006/12/05
    ジャーナル フリー
    ヒメトロイブゴケは埼玉県秩父の雁坂峠産のものによって記載されたが, それ以後今日まで生殖器官および胞子体未知のままであった. 産地も上記以外には報告がなかった. 最近, 本種を長野県国師岳において採集したが, 国師岳産のものにおいて多数の退精器および若い胞子体を観察することができたので,ここで主として退精器の発生過程とともに二三の知見を加えておいた.
    トロイブゴケ属において退精器は Stephani によって記載された以外に Schiffner のかんたんな記載があるのみでその発生過程は明らかではない. ヒメトロイブゴケにおいてみると, 造精器の分布はトロイブゴケとは全く異なり南米の Noteroclada に類似している. 造精器の発生過程も Fossombronia などの近
    似の属においてみられるものとは相当異なった過程を示している. このような退精器の形質ならびにその発生過程から考えると, トロイブゴケ属は Campbell の考えと違って, Fossombronia の一群よりもむしろ Noteroclada などに近似した形質が多いと考えられる.
    またヒメトロィブゴケと T. insignis の関係についても基本的なちがいが多く, これらを同種またはごく近似の種とみなすことはできないのではないかと考えられる.
  • 菅野 延彦, 林 孝三
    1960 年 73 巻 864 号 p. 231-233
    発行日: 1960年
    公開日: 2006/12/05
    ジャーナル フリー
    ヤナギタデ Polygonum hydropiper L. の栽培品で芽生えが特に赤く色づくものをベニタデと呼んで, 古くから料理の「つま」に用いている. この芽生えにおける色素の生成過程をしらべるための前提として, われわれは色素の単離同定を試みた.
    ベニタデの赤色はペーパークロマトグラフ的に単一のアントシアンによるものであり, さらに結晶色素の化学分析によりイデイン(シアニジン-3-ガラクトサイド)と同定された.
    一般に葉などの栄養器官に出現するアントシアンはクリサンテミン(シアニジン-3-グルコサイド)であり, 今回のようにガラクトース配糖体である例は, 今までのところ Fagus sylvatica の紅葉[Robinson, R. and Smith, H., Nature 175: 634 (1955)]以外には知られていない.
    なおイデインとクリサンテミンとではRf値が極めて接近しており, ペーパークロマトグラフィによる識別は不可能に近いが, 今回われわれは硼砂水溶液中での〓紙電気泳動法によって両者の判別が可能なことを見出した.
  • 板橋 美智子
    1960 年 73 巻 864 号 p. 234-238
    発行日: 1960年
    公開日: 2006/12/05
    ジャーナル フリー
    Aspergillales に属するAspergillus niger, Asp. sydowi, Penicillium notatum, P. chrysogenum, Monascus purpureus; Pyrenomycetes に属する Neurospora sitophila; 酵母の一種である Hansenula anomala; 不完全菌類に属する Alternaria tennis, Botrytis cinerea, Fusarium solani, Oospora lactic, Pullularia pullulans, Trichothecium roseum; 藻菌類に属する Rhizopus oryzae S35で 標識された無機硫酸を含む合成培地で培養し, いずれの場合にも菌体内にコリン硫酸エステルの生成を認めた.
    Asp. sydowi に硫黄源として無機硫酸とコリン硫酸エステルとを同時に与えた場合, 後者によって前者の吸収が抑制された.
  • 大橋 裕, 市川 郁雄
    1960 年 73 巻 864 号 p. 239-244
    発行日: 1960年
    公開日: 2006/12/05
    ジャーナル フリー
    アメリカアリタソウの萼につつまれた肥果(一般に種子とよばれ播種にもちいられる)に, その風乾重の100%に相当する水をふくませて, 約25°の温度で24時間催芽後, 約35°, 25°, 15°および5°の温度でそれぞれ5日間春化し, 吸水催芽のみをおこなった胞果を対照として, 1957年4月6日, 同時に播種した.
    1) 35°処理はほとんど発芽しなくなり, 25°処理の発芽率は対照とほぼひとしく, 150処理および5°処理の発芽率は対照より10%以上も増加した. また15°処理の発芽は他の処理,対照より約1日はやまった.
    2) 35°処理および25°処理は約4日, 対照よ り早く花が咲いたが, 15°処理の開花は対照とかわらず, 5°処理の開花は対照より約3日おくれた. よって, アメリカアリタソウは, すくなくとも35°~25°の比較的高温で, その温度発育段階を通過しうるとかんがえられる.
    3) 1株あたりの収果量はかわらないが, 果実中にふくまれている精油含量は春化により大きな影響をうけた. 35°処理および25°処理は対照にたいし数%, 15°処理は対照にたいし10%以上増加したが, 5°処理と対照間には差はみとめられなかった. 精油中のアスカリドール含量においては, 各処理, 対照間には差はみとめられなかった.
    なお, 15°前後の温度で10日間および20日間春化した1955年度の実験によると, 精油含量は10日処理は対照にたいし26%, 20日処理は11%増加した.
    以上の結果より, アメリカアリタソウを15°前後の温度で, とくに10日間春化することは, 精油収量の増加をもたらし, 栽培上有利であると考えられる.
    また,植物の温度発育段階における温度は発育に関係するのみでなく, その成分含量にたいしても直接的な大ぎな影響力を有するらしい.
  • 吉田 吉男
    1960 年 73 巻 864 号 p. 245-251
    発行日: 1960年
    公開日: 2006/12/05
    ジャーナル フリー
    4種の蘚, 2種の羊歯の葉の細胞について硝酸銀還元反応を検討した.
    1. クロマトグラムは, 反応が従来ほぼ定説とされたアスコルビン酸によってではなく, 未確認の他の物質が主体となって起されることを示した.
    2. 反応の強さと還元性物質の量および局在性や細胞の健全度との密接な関連などについての従来の定説とは一致しないいくつかの現象が見られた.
    3. 結局, これらのことから硝酸銀還元反応はアスコルビン酸の細胞化学的検出法としてはすべての場合にその信頼性が確実とはいいきれず, 結果の判定にはなおより以上に慎重な考慮を要すると思われる.
  • 沢田 義康
    1960 年 73 巻 864 号 p. 252-257
    発行日: 1960年
    公開日: 2006/12/05
    ジャーナル フリー
    (1) Sucrose agar 培地上で発芽が困難な Zea Msyd L. の花粉は, 培地に適当なアミノ酸を添加することにより, 発芽がいちじるしく促進される. さらに適当な組合せの2種のアミノ酸を混合添加した培地では, 発芽はさらにいちじるしく促進される.
    (2) 花粉の発芽を促進する種類のアミノ酸は, また花粉の呼吸を増大させる. このことは, これらアミノ酸の添加により, 花粉内の物質代謝が高まり, ひいては花粉の発芽を促進するものと考えられる.
    (3) 上記のような特質をもつアミノ酸は, 開花当日ないし開花後の雄ずい, ならびに雌ずいに集中的に蓄積する. かつこのような種類のアミノ酸は, 雄ずい, および雌ずいに共通して含有され, しかも, 花穿形成の時期別にみても, このようなアミノ酸の種類には変化がみられず, ただ量的消長があることを確かめた.
    (4) Zea Mays L. の花粉内に transaminase 活性のあることを確認した. glutamic acid と aspartic acid および glutamic acid と alanine の間の transaminase の活力が最も顕著であった.
  • 板垣 史郎
    1960 年 73 巻 864 号 p. 258-264
    発行日: 1960年
    公開日: 2006/12/05
    ジャーナル フリー
    1. M. glutamicus において, metachromatic granule を形成させる培地を検討し, glucose bouillon に, KH2PO4 および K2HPO4 を添加したP-GPM 培地を決定した.
    2. P-GPM 培地にて培養され, いちじるしくm. granule を形成した菌体は, acid insoluble polyphosphate を多量に含む. その含量は単なる glucose bouillon 培地にて培養された菌体の含量の約 30 倍にもおよぶ.
    3. M. glutamicus は, Acetate, Lactate を強く酸化する. このような有機酸酸化能は metachromatic granule が存在するか否かには無関係である.
    有機酸酸化能は日を追って漸減する傾向にある.
  • 1960 年 73 巻 864 号 p. 264
    発行日: 1960年
    公開日: 2006/12/05
    ジャーナル フリー
  • 山田 節子, 高野 俊武, 凉野 元, 林 孝三
    1960 年 73 巻 864 号 p. 265-266
    発行日: 1960年
    公開日: 2006/12/05
    ジャーナル フリー
  • 伊藤 道夫
    1960 年 73 巻 864 号 p. 267
    発行日: 1960年
    公開日: 2006/12/05
    ジャーナル フリー
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