食品加工業などの原水, 処理水のBOD値を予測する方法は, 一般にCOD値, 透視度または濁度より推定しているが, この方法は誤差を生じ易い.それ故, 透視度法や濁度法の欠点を除去する目的で, 濁りの量的表現方法に可視部吸光度法を採用し, また水質の汚染度と濁りとを同時に把握するために, 可視部の吸光度1.0に換算したCOD濃度法を提唱した.本法はBODとCODの関係のみならず, 吸光度とBOD, 吸光度とSS間に高精度の回帰直線を作図できるので, 特にBODの精密な推定方法と考えられる.
食品加工廃水の回転円板への流入水および処理水に適用し, 本法が極めて有効であることを確認した.たとえば, 食品加工廃水の供給水 (処理場流入原水) のアルカリ性におけるCODとBODの相関図では, 明瞭な3本の回帰直線を作成できた.また吸光度とSSの相関図では, 可視部吸光度1.0に換算したCOD濃度のX軸に対する分布が, 廃水の種類によって全く逆の分布状態となった.
回転円板法3段処理水は, 吸光度とBODの相関図で, 浮遊汚泥含有処理水と30分静置上澄水とは, 全く異なった回帰直線となり, 吸光度とSSの相関図では, 供給水で示された可視部吸光度1.0に換算したCOD濃度分布の逆になる特徴が, 処理水にも現われる.
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