本論文では回転円板接触槽でのアンモニア (以下NH
3-N) 酸化 (以下硝化) の定常動力学モデルを提唱する.本モデルは生物膜内で同時に起る0次硝化反応と分子拡散過程からなる.モデルによると単位円板面積当りの硝化速度は総括速度係数と平衝液本体NH
3-N濃度の積で表わされる.総括速度係数は生物膜へのNH
3-Nの移動を表わす項と生物膜内で同時に起る0次硝化反応項の2つの係数からなる.極端に低いNH
3-N, 度では生物膜へのNH
3-N移動過程が律速となり, 液本体NH
3-Nに関して1次反応となる.液本体NH
3-N濃度が高くなるにつれ, 生物膜表面NH
3-N濃度に関しては1/2次, 0次反応となる.これらの反応は生物膜へのNH
3-Nと酸素浸入深さにより決まる.もし酸素浸入深さがNH
3-N浸入深さより大きいなら1/2次反応となり, 逆なら0次反応となる.%次から0次反応への移項は平衝NH
3-N濃度と運転条件により決まる.二つの完全混合装置による硝化実験で提示したモデルの検証を行なった.実験変数は温度, 円板回転速度, 気相酸素分圧, 水量負荷および流入NH
3-N濃度である.提示したモデルは全実験結果で十分確証できた.
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