汚泥中の固形性窒素を高精度, かつ簡便に測定する方法を開発した。汚泥中の窒素量は, 溶解性窒素の簡便な測定方法である紫外線吸光光度法を用いて測定した。この際前処理として汚泥1mgに対して, 30%過酸化水素を0.125mlから1.0ml添加, またはオゾンガスを1.0ml注入することにより, 一般的に用いられているケルダール法と誤差5%以内で測定できることがわかった。ケルダール法による全窒素量と, 過酸化水素添加またはオゾンガス注入前処理後の紫外線吸光光度法により測定した窒素量は, 傾きがほぼ1の直線が得られ, その相関係数は, 過酸化水素添加では0.992, オゾンガス注入では0.964であった。また, 紫外線吸光光度測定による汚泥中の窒素量測定方法は, ケルダール法に比べ, 測定時間を約1/3に削減する効果があった。以上の結果から, 過酸化水素添加, またはオゾンガス注入を汚泥の前処理に適用することで, 紫外線吸光光度法の応用で, 高精度かつ簡便に汚泥中の全窒素量を測定可能であることを示した。
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