1991年秋期及び初冬期の合計32日間, 中央区西7丁目線区間において, 路肩より2.5m幅で枯葉有機水を散布した.散布後, 浮遊粉塵量, 湿潤路面部の乾燥状態及び道路堆積粉塵の理化学特性について水道水散布区 (非散布区) を対照に比較・調査した.
1) 浮遊粉塵濃度を比較した場合, 散布前の測定値は散布区で非散布区より約2倍高かったが, 秋期, 初冬期の散布期間中では, 散布区で非散布区の1/2以下に減少した.
2) 散布による湿潤路面の乾燥状態を比較した場合, 散布区は道路中央部よりの湿潤境界面から路肩部方向へ乾燥するのに対し,
非散布区では湿潤面全体がまだら状に乾燥した.また湿潤路面部の消失に要する時間は, 散布区で非散布区より1時間以上遅延した.
3) 道路粉塵の理化学特性を比較した場合, 散布区粉塵は非散布区より全炭素, 蛋白質, 糖, 紫外吸光度及び陽イオン交換容量の各測定値でいずれも高かった.赤外吸光度では, 散布区粉塵で非散布区より3, 000cm
-1付近の重油分に起因するピークが減少し, この減少は63μ以下の細かい粒径分で著しかった.
以上のことから, 有機水の道路散布は, 浮遊粉塵濃度の減少, 散布後の湿潤路面状態の維持, 道路堆積粉塵の腐植化及びアスファルト油分の減少に寄与することを確認した.
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