魚粉製造工程から排出されるスティック・ウォーターのメタン発酵は固形物中の約80%が蛋白質であり, これに原因する微生物阻害と考えられるがガスの発生量は極めて少なかった.そこで, この高能率的メタン発酵法に関しての実験を行った.方法は, スティック・ウォーター廃液中からコロイド性の蛋白質を除去し, 発生ガスを硫酸液槽と酸化鉄槽に循環接触させ, ガス撹拌する方法を組み込んだ装置により, 中温発酵法の約23日間消化法によって行った.その結果, 廃液中の除蛋白効果は, 廃液を2倍に希釈し, その液量に対して100の酢酸を添加することによりコロイド性蛋白質は凝集し遠心分離法で除去できることが判った.この濾液を用いたメタン発酵は, 有機物負荷量1.8kg/m
3・日で約0.62l/gVSの高いガス発生量が認められ, この消化液のBODは3740mg/lで, 除去率は91.2%であった.このことから, スティック・ウォーターの高蛋白質基質であっても微生物阻害物質の除去工程により高能率のメタン発酵が可能であった.
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