本稿は,使用済自動車のヒンジドアからガラスカレットを回収する装置を製作し,装置開発の解決策を明らかにすることを目的とした.自動車のリサイクルの質を高めるために,破砕業者・解体業者によるガラスのリサイクルが求められる.従来,ガラスの回収は手作業であり,作業負荷による作業効率低下が懸念される.本研究では,ヒンジドアを挟み込む/覆うフード,エアーシリンダー型の破砕ツール,ガラスカレットの受けホッパー,ガラスカレットの回収箱で構成される回収装置を製作し,回収試験を実施した.試験の結果,装置開発の課題は,回収量では,(1)ガラスの飛散による回収量の低下,(2)1回の操作によるガラスの破砕であり,安全面では,(3)作業者と破砕ツールとの接触防止であった.そして,それら課題の解決策として,(1)ドアを覆う形状のフード,(2)ドアのブレ(動き)を固定する押え,(3)破砕ツールをフード内部に設置してガラスを破砕する機構を開発した.
生物亜硝酸化と亜臨界水熱反応の組合せで,高濃度排窒素の消滅型除去ができることを我々は報告した.本稿では過酸化水素(H2O2)を含有する半導体の基盤洗浄水などのアンモニア過水に対する水素還元と水熱反応を併用した高濃度窒素除去を検討した.既報の方法を適用するためには,源排水からH2O2のみを水素還元除去する工程を前段に付与する必要があることを見出した.