EDTA鉄 (III) キレートを効率よく分解する細菌として
Bacillus sp. B-3を用いたバイオリアクターを開発しているが, 本研究ではその固定化菌体について検討した.固定化法としては, 安価で容易に固定化できる物理的吸着法と包括法を試みた.固定化担体には, 既製品であるセルロース球状担体 (SC) , ポリプロピレンを基材とする円筒状担体 (CPP) , 高分子ヒドロゲル (SHG) , 及び光硬化性プレポリマーENTGによって菌体を包括した包括固定化担体を用いた.栄養源としてポリペプトン及び酵母エキスを含む培地で, 初濃度100mg/lのFe (III) EDTAの分解試験を行ったところ, SC, CPP及びSHGに吸着固定化した菌体, 及び光硬化性プレポリマーに包括固定化した菌体は7日間でそれぞれ79%, 73%, 71%, 84%のEDTAを分解したが, 栄養源を含まない培地では, いずれの菌体もEDTAを分解できなかった.SCに吸着固定化した菌体で7日間の分解試験を行った後, 同じ試験を繰り返し4回行ったが, 固定化菌体の分解能に低下は見られなかった (繰り返しの分解能の誤差±5.6%以内) .また, 90日間の常温保存後の固定化菌体のEDTA分解能に低下は認められなかった.
抄録全体を表示