大気汚染, 水質汚濁, 産業廃棄物, 悪臭等の公害は, 社会的, 経済的に大きな問題となっており, 昭和45年12月には, 公害関係法律の大幅な制定, 改正が行なわれた.また, 政府の公害関係の行政を一元化するため, 昭和46年7月1日総理府に環境庁が設置され, 環境1基準の設定, 排出規制基準の制度, 改定等の行政措置のほか, 国立試験研究機関の公害関係の研究について, 一括計上等の事務を行なっている.
通商産業省としては, これら行政措置等に協力するとともに, 工業開発に伴う産業公害の発生を科学的に予測するための事前調査及びそれに基づく立地指導, 企業の産業公害防止努力に対する各種の助成措置等を講じているが, 産業公害問題の根本的解決は, 防止技術の開発にまつところが極めて大きいので, 工業技術院においては, 大型工業技術研究開発制度 (大型プロジェクト制度) による脱硫技術 (昭和41年度から昭和46年度まで) , 電気自動車 (昭和46から昭和51年度までの予定) , 自動車総合管制技術 (昭和48年度から昭和52年度までの予定) 等の開発研究をはじめ, 傘下試験研究所の特別研究の実施, 重要技術研究開発費補助金制度による民間企業の研究開発に対する助成等により, 産業公害防止技術の研究開発を強力に推進してきている.
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