嫌気性バイオレメディエーションの実施に向けて, 実験室レベルでの微生物によるテトラクロロエチレン (PCE) の完全分解を検討した. 嫌気条件下でPCEをシス-1,2-ジクロロエチレン (
cis-DCE) まで分解する
Clostridium bifermentans DPH-1株と, 廃棄物埋立地浸出水スラッジ (蘭芝島 (Nanji-do), 韓国) より単離した
cis-DCE分解菌 (
Clostridium sp. KYT-1株) の2種類の菌株を用いた. その結果, PCE分解菌と
cis-DCE分解菌を用いた二段階分解では初期PCEの39%が完全分解した. 他方, 嫌気性菌の混合培養においてPCEは完全に除去されず初期PCEの33%が残存した. しかし, PCEの中間代謝産物として問題になっている
cis-DCEの蓄積はなかった.
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